まともじゃなくなった授業
どうも、模擬戦と書いて殺し合いと読む授業に参加している金子練です
まぁ、魔法当たって死なない方がおかしいからね、俺は異世界に期待し過ぎたのかもな…異世界もっと頑張れよ!
「武器はあそこに置いてある武器のみ許可する、だが鉄製だ、普通に当たると痛い、気を付けろ」
いや、気を付けろって無理だろ!あっ…経験済みか…
「…一応降参はできる、死にたくなかったらさっさと降参した方が良い」
…成る程な、自分と相手の力量が判れるかって事か…
「じゃあ、先ずは男子からだ…ティグ・イベル、シアル武器を選べ」
え~っとティグって人が貴族の人で、シアルって人が適当の人だったっけ?
「うん、これで良いや~」
「私はこれを」
シアルが槍でティグが剣か
「準備は良いか?では、始め!」
「ハッ!」
ティグの一撃を槍で受け止めたシアルは…
「は?」
物凄くぶっ飛んだ、更に2回バウンドして止まった
「そんなものか?」
「…いいや、これで良いんだ、これで…天秤に錘が置かれた」
「天秤だと…なんのことだ」
「まぁ、見てろよ、それが一番早い」
槍を水平に…?何がしたいんだ
「天秤座 -調和-」
天秤座!?星座か!異世界系ってこういうの多いよね!
「何をしたかは知らんが無駄な事だ!」
「こいよ、だけど…今の僕はかなり強いぞ?」
「…フッ!」
今度もイベルの剣の重さに負けて吹っ飛ばされる…
「まぁ、そんな訳無いよな」
「今度は受け止めたか、その天秤座とやらの力か…それとも手でも抜いていたのか?」
「手は抜いてるかも知れないけど…それでもこれが僕の本気、相手が強い程、強くなる…それが天秤座の調和の力さ」
まるで水平の天秤の様に拮抗している状態
「ならこれはどうだ?『焔よ!』」
それを壊す一撃が放たれた
「『焔よ』」
が、それは調和を壊すには至らなかった
「何…!?同じ魔法で相殺した!?」
「なぁ、知ってるか?適当って言葉ってさ、程よいって意味もあるんだよ?」
「うわぁ…初戦から凄いな、ずっと拮抗状態だ…あれ?」
じゃあどうやってあいつ実戦テストで合格したんだ?
「いい加減…諦めたらどうだ?」
「そうだな、ちょっと面倒になってきたな…なら、適当に片付けるか 天秤座-過剰-」
その言葉を引き金に拮抗が崩れた
「さっきぶっ飛ばされたお礼だよ」
「な…に…!」
吹っ飛ばされ態勢が崩れたイベルに槍の切っ先が向けられた
「人殺しにはなりたくないんでね、適当に降参してくれない?」
「ッ…降参だ」
「ティグ・イベル降参により…勝者、シアル」
「うん、知ってたけど本当にレベル高いな…」
「次、エイト、アストル武器を選べ」
「僕は要らないです」
「俺も…要らないな」
「そうか、では、始め!」
「降参だ」
「え?なんで?」
「…こう見えてな、俺、争いや人殺しとかには無縁の国から来たんだ、でもな、死ぬことがどれだけ怖いかは、誰よりも知ってるつもりだ、だから…まぁ、うーん…理由にならないかも知れねえけど…降参だ」
「…エイト降参により…勝者アストル」
まぁ、日本人だな、だけど…死ぬことがどれだけ怖いかを誰よりも知ってる…か
「もう…二度と俺の前で誰も死なせない、そう誓ったもんな…」




