全部終わった世界で。
そして、全てが終わった。
今まで死んでしまった人達を生き返らせる事は出来なかったけれども、トレイアが『新しい命』として『あっちの世界』の方へと転生させたらしい。
どうやら、アビスが廻魂神をやっていたせいで、あっちとこっちの魂のバランスが悪くなっていたらしく、今回の件でそれが解決した……と、トレイアが言っていた。
そして、俺はというと……
「パパーー!!!!お帰りーーーー!!!!!!」
「ルミナぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!ただいまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
神様を辞めて、錬金術師に再就職した。
世界の終末を司るなんて、そんな面倒な事はしたくないからな。
勿論、あの2人との合体も解除されてる。
アイツら……一体何やってんだろ。
「練君……ありがとう。……その……色々と……ね?」
「いやいや!こちらこそありがとうだよ!……本当にね。」
そんでもって、クロノスちゃん……いや、もう時空神じゃないのか?
ま、クロノ……季ちゃんも、神様を辞めた。
いや……辞めざるを得なくなった。
……なんか、時空神を消す魔法とか、アビスに時空神の力を奪われたりしたせいで、『時空神』のシステムそのものがボロボロになってるらしい。
次の時空神は別の人が選ばれるそうだ。
……多分ツクヨミさん辺りだろう。
「ところでお兄様、この場所……どうしましょう?」
それは、このアビスパレス跡地。
思っていたよりも広く、空中に浮かぶ土地だ。
人口が激減したこの世界で、こんな土地を欲しがる物好きは居ないらしく、世界を救った英雄様に譲渡された。
「それはもう決めてある。機械街を作る!!」
機械街……その単語に聴き覚えが無いらしく、首を捻ったり、呆れたり……ま、概ね予想通りだった。
「ご主兄様……本当に馬鹿な事はしないでね?」
「何が馬鹿だ!!!ロマンだぞ!?男の浪漫だぞー!?」
それは、機械で出来た街を作る事。
巨大ロボに変形する、機動要塞都市。
そこに住むのは、人と謙遜の無いアンドロイドから機械的なものまで!!
「医療魔法の発展したこの世!!機械義手は浪漫!!
全身8割サイボーグ!!機械の肉体に目覚める心!!」
「……はぁ……ばからし。
……でも、平和ですね。」
「本当だね。練君、最近ずっと張り詰めた顔してたもん。」
「お兄様らしい顔です。」
「パパ!パパ!ルミナとも遊んでくれる?」
「よっしゃーー!!!!遊ぶぞォォォォ!!!!!」
そして、2人は草も生えない大地を走り抜けた。
ーー俺たちの戦いは、これまでだーー
いつも読んでくれてありがとうございます。
平和ですね。
そして、300話を突破しました!!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。
もうちょっと、気がすむまで続きます。




