仲間って?
「「……どういう事だ?」」
2人の声がそろった。
声を発したアルズを含む全員が目を丸くする。
「「私何もしてないよ!?」」
確かに、タキシード姿のジョーカーはどこにも居ないが。
また2人の声がそろった。
ジョーカーが、仲間の物ではない声がした方向を見ると…
「「そんな…バカな…」」
全員が…いや、同じ姿をしたそれぞれがセットで息を呑んだ。
「「面倒くさい…」」
2人のアストルが同時にそう言った。
肩を竦めるタイミングも同時で。
「「真似しないでくれるか!?面倒くさい!!」」
同時にお互いを指差し、同時に悪態を吐く。
「「分かってるならなんで被せるんだ!」」
「「そっちこそ!!」」
「「お前いい加減に黙れよ!!」」
変な言い争いが始まった。
2人以外は静かに黙った。
「「…はぁ…面倒くさくなってきたーーーなッ!?」」
マネしているのならーーーと、台詞にフェイントをかけてみたが、それもそっくり、反応までそっくりに返された。
ーーーーと、2人のクレイズが同時に腕を後ろに回してホワイトボードに文字を書く。
「「えっと…クレイズ〜なにやってんだ〜?」」
重なる自分の声を既に意に介していないエイトがそう言った。
多分一斉攻撃なのに、1人だけ除外された苦しみの方が大きいのだろう。
「「試してるんだよ、あっちのクレイズを。」」
ジョーカーが話終わった瞬間、2人は同時にホワイトボードを目の前に出した。
そしてそのホワイトボードには…
『128674428744534』『128674428744534』
完全に同じ数列が書かれていた。
スピード重視で書かれた、乱雑な文字の形も完全に同じように。
『アイツ、多分一緒なんだと思う。』
クレイズがこちらにだけ見えるように、ホワイトボードに文字を書いた。
向こうのクレイズも同様にそうしていたようだ。
「………!」
エイトが突然歩みを進めた。
突然だが、彼は常日頃から考えていた事がある。
クレイズのTAWAWAの事だ。
『どうしたの?』
それもそうだろう。
高校生という思春期真っ盛りの男の子が、常に頭の上にあると言っても過言でも無いそれをーーー
ーー揉みしだく事が出来ないなんて、ロリコンやホモで無ければ死ぬほど辛い。
そして、この状態は彼にとって良い機会だった。
『作戦』という名目で、彼女のTAWAWAを揉めるのではないか。
結果、名目を守る為、彼は終始無言だった。
『ちかいよ…!』
クレイズが、恥ずかしそうに、ホワイトボードをエイトの胸に押し付ける。
エイトの心の中には、ほんの少しだけ良心の呵責があったが……『ソレ』を目にした瞬間、それは消し飛んだ。
表情筋の動かない少女が、仏頂面のまま頰を赤らめる。
そして今!エイトの両手がーーーーー
頭が真っ白になった。
ただ、背中に鋭い激痛が疾っている事だけが理解できた。
「「あぁ…君ともあろう奴が…非常に幻滅したね!!」」
そして、2人のジョーカーが、顔を見合わせて、近付き、握手をした。
「「敵になっても恨みっこ無しだよ?」」
そして、元の位置に戻って行った。
スポーツガールなのだろうか。
「「いつも読んでくれてありがとうございます!!」」
なんか変な感じ。




