優しい世界の最強はザコい
「またせたな…これが魔王第二形態だ…!!!!」
両腕を広げ、周囲に威圧感と魔力を放つ。
異形な雰囲気を放っていた二本の角は、更に禍々しく、面影のあった表情も悪鬼の如く、歪んでいた。
「遅えよッ!!死ねッッッ!!!!!」
腰から、遊びで改造の限りを尽くした、超音速で振動する、0.555…㎟刃を秒間20発射出できる銃。
『ぅゎっょぃ銃』を抜いて、再精製が間に合わなくなるまで連射。
「ヌグァァァァァァ!!!!!!!!」
なんかさっきの風圧よりも、強い風圧が起きているが、そんなの御構い無しと言わんばかりに、次の形態に移行させてたまるかと言わんばかりに、肉体を引き裂く。
「き、鬼畜だ…幼女という明確な弱点があって良かった…!!!」
まぁ、幼女という明確な基準があるからこそ、アビスと敵対している訳で、それさえ無ければ、無味乾燥な只のチーターになっていただろう。
「グォォォォォ……!!!まだだ…!!!!次は第三形態ィィィィィィィ!!!!!」
二度あることは三度ある。
でも、ボスって最終形態は大体気持ち悪い、そんなイメージがあるのだが…
「まだ、人っぽいな」
連射、連射、連射、連射、連射。
途中でもう一丁複製し、更に連射。
「第四グワァぁぁぁぁぁ!?!!!!!第五グォォォォォ!!!!?!!!第グワァァぁぁぁぁぁぁあああああ!!!?!!だグヌァァァァァァァ!!!!!!!!………だグヌォォォォォォォォォ!!!!!!!!!………」
そろそろ、第六十四形態にまで達しただろうか、彼女は思った。
「…あれ?まさかコイツ…無限に復活するのか!?」
風圧に耐えるため、なんとか練の服の端を掴んでいた彼女は、漸く気が付いた。
「あぁ…なるほどな、最終形態遅えなって思ってたら、そういう事か」
漸く刃な雨が止む、魔王の周囲は、幾度となく炸裂した音速の影響で、マグマのように紅く染まっていた。
「気付クのが遅エなァ……ダガ、お影デ俺ハ…サイキョウの生物ニ進化デキた!!!!」
先程まで悪魔を象徴していた姿は、高熱に耐える為だろうか、羽が形成され、顎骨が大きく伸び、全身が鱗だらけになり……つまりは、非常に龍に近い姿に変わっていた。
「えぇ…!?りゅ○おうみたいな形態変化しやがって……」
「フハハハハハハハ!!!!信仰セヨ!!!!!オソレヨ!!!!崇めヨ!!!!!!!」
正に、神を超えた、魔王というシステムのバグが、周囲の、『倒すという概念が存在しない』システムにまで侵食し、倒す手段のない、不死身で神を凌駕する戦闘能力、それを自ら感じている。
「これは、勝てない、いや…勝利、敗北なんて、勝負しようなんて考えちゃいけない……どうやって逃げるか、それすら考えられないような………そんな存在……!!!!」
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
ザコい(無限復活)




