なんでそんな事するん?
「うん、体の動かし方は…完璧だな!」
体の動かし方は、確かに完璧だった。
しかし、それよりも、もっと重要な事が有った。
「こっちの金子練とやらを…どう誘き出してやろうかな……?」
考えてみれば、そうである。
幾ら相手がどれだけ幼女が嫌いでも、近くに居なければ意味は無い。
「………あっ、そうだ。」
…また、ろくでなしが変な事を思い付いたようだ。
ーーーここは、アビスのお宅から、最も近い所にある町、名前は聞きそびれた。
ワイワイとした活気は無く、外に居るのは大人、それも男性だけで、その手には武器が握られていた。
ピリピリとした雰囲気が周囲を染める。
ーーーー突然、上空に白い何かが現れた。
一瞬反応が遅れた町民達は、武器を握り直し、その白い何かを睨め付けた。
それは、何かの紙らしく、風に揺られ、ゆっくりと落ちてきた。
『ロリパーク開演♡』可愛げのあるフォントでそう書かれたチラシは、町民達を酷く激昂させると共に、酷く困惑させた。
「……ふぅ…疲れた」
ロリパークの中心に居座るのは、幼女。
但し、たった一人である。
「だが……これで全国にチラシは配れた。ヤツは直ぐに釣られてやってくるーーーー」
突然、風が軌道を変える。
異変を感じ、そこから飛び退く。
ーーーやはり予想通りだったと言うべきか。
そこに立っていたのは、ツノが生え、凶悪な爪を持つ、厨二ファッション野郎……だが、紛れも無く、俺だった。
「貴様か……よくもこんな目障りな物件を建ててくれたな……!!!!」
「あー!幼女にボコボコにされてーー幼女恐怖症になったおにーさんだーー!!!!プークスクスwww」
売り言葉に買い言葉、ただ…ちょっと言い過ぎだと思う。
男の方の額に、幾多もの青筋が走る。
「ぐ……おおおおおお!!!!!!やはり幼女は根絶やしにすべき存在!!!!煮え滾るこの怒りを!!!貴様等幼女の鮮血で鎮めてくれるわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
「やってみろよ、ゲキイタ厨二病。まぁ〜お前は俺にすら勝てないだろうけどな!!!」
青筋が、更に増加する。
羽織ったマントが激しく棚引くどころか、力の本流に負け、引き裂かれる。
「……や、ヤバイな………かなり予想外…」
力の本流が、メリーゴーランドを回した。
馬が風を受け、棒を中心にクルクル回り出した。
「俺が貴様に勝てない……その台詞!!!しかと覚えておけよッッッッ!!!!!!」
圧倒的質量の力の塊が、此方を超速で追い掛ける。
「はははは!!!!魔王と遊園地で鬼ごっこか!!最悪だな!!!」
いつも読んでくれてありがとうございます。
『ロリパーク開演♡』……だってよ。
行きたいですか?
演目:魔王と幼女の鬼ごっこ!
(魔王が力尽きるまで終わりません!)




