全て、同じようで違う。
(おかしい…あれだけ怒っていたレンさんが……こんなに簡単に元に戻るはずがない……レンさんの言ってる事が本当だとすれば……!!)
「…どうしたんだ?考え事か?」
それは、何気無い心配の言葉だったが、アビスは、自分の考えている事を、気付かれるかも知れないと。
「いっいえ!!そ、その……服をどうしようかなって……私の…使いますか?」
よくよく考えれば、俺は全裸だった。
「おお!お揃いか!なんだろ…まるで兄妹みたいだな!!!…いや、今は姉妹か!」
アビスが家のような、謎の場所から持ってきた服を着る。
それは身体を殆ど覆うようなゴスロリファッションで、極め付けは鍔の大きい帽子。
暑いかと言われると、寧ろ寒いように感じる。
「…ところで、吸血鬼か何か?日光が全然肌に当たらないんだけど…」
「うーん、まぁ似たような感じですね。陽に当たると死にますし」
衝撃の事実、深淵は陽に当たると死ぬ!
「まじか…どういう理屈?」
「そうですね、深淵の核になっている陰の力が陽の力に消される?みたいな感じです」
筋は通っている、何故なら最初からそういう『設定』だったからだ!!
(メタ的にも取れるし…或いは…?)
「成る程、あっそうだ!!さっき聞きそびれてた、こっちの金子練の、戦闘能力的な情報を知りたいんだけど…」
「脳筋です」
「うそん。」
瞬間、音が消えた。
正確には背後の筒から水泡音がしているが。
「…えーっと、こっちの金子練は、やばい奴じゃないですか?」
「うん。」
「だから神様会議で、スキル奪って、レベルも上がらなくしようって、決めたんですよ」
「成る程、これ以上強くなったら困るもんな」
神様とかって、なかなか重い腰を上げないイメージがあるけど………やっぱ無かったわ。
『『『『『くしゅん!』』』』』
「はい、しかし、もう遅かったのです。彼は強くなり過ぎました。それはもう、モンスターみたいに。」
「…まさか……」
その悪い予想は、見事に的中した。
「はい、既に人を殺し過ぎた彼は、モンスターに…いいえ、魔王にまで堕ちていました」
魔王…俺の世界では全く聞かないが…
「堕ち過ぎだろこっちの俺ェ………」
「魔王という存在は…レベリングシステムのバグそのもの……システムの核である神が干渉すれば、最悪消滅します………本当に、堕ちるところまで堕ちました」
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
魔王と、鬼畜ロリコン、どっちが強いんでしょうか。




