つまりは大惨事
「………まさか、嘘だよな?」
彼女は、眼を伏せ、首を横に振った。
嘘ではない、その事実が胸に突き刺さる。
「……幼女だけが………一人残らず血溜まりに変えられていたそうです……」
「許せねぇ……」
心よりも、言葉が先に動いた。
どんどん、心が赤黒く、憎悪に染まって行く。
「…償いは………アイツの命で済ませる」
書庫らしき部屋を後にする。
表情は、『無』。
全てに染まらぬ、揺るがぬ決意の表れである。
奴が、何者であろうと。奴が、どれほど強くとも。奴が、帰る為の鍵を握っていようとも。
必ず、奴を始末し、『今まで』を後悔させる。
幼き人の未来を、奪った事を後悔させる。
「………ヤツは、幼女を殺す。誘き出すには…」
……それは…つまり……
「俺自身が幼女になる、それしかない…」
……しかし、彼は深淵の力を失っており、肉体の変化を含む、多くの力を失っている。
…ならばどうするか?
「…………なれなくはないんじゃない?」
ゴリ押し、まさかのゴリ押しである。
さっきのアビスに深淵の力を借りるとか、人形を作ってみるとか、そんなんじゃなく、ゴリ押しである。
「幼女に『なる』!『なれる』!!『なれない訳がない』!!!」
…無理矢理、身体を動かしたせいだろうか、俺の意識は…暗く……暗く………沈んで行った。
「…ふぁ………ぁあッ!?ちょっ!?ひんやりするっ!!!………ん?」
俺は、何かの筒の中にいた。
その筒は、緑の液体のようなもので満たされており、俺に冷たさを伝えている。
横を向くと……俺が、何かの筒の中にいた。
「お、俺ぇ!?……ってコトは………」
四肢が、圧倒的に短い。
身長はルミナよりも低そうだ。
そんな事を考えていると、筒の全面が開き、中の液体ごと外に排出された。
「痛っ……それにしても……なんかバランス取りにくいな………」
やはり、体重、四肢の長さまで変わってしまうと、身体を動かし難い…リハビリしないとなぁ…
「ちょっとーーー!!!えっと…レンさん!!待ってくださいーー!!!!………って、レン…さん?」
あれから、結構長い時間が過ぎた筈だが、一体何をしていたのだろうか。
でもよく考えたら、錬金術したから、結構速いのか?
「おう、さっきは怖かったよな……ごめんな?」
やっぱ、声高いな、今ならシャル○とかも原キーで歌えそうだ。
「ま、まさか…レンさんの記憶を……新種のスライム!?レンさんを返しなさい!!!」
…おっと?……おっと??誤解発生ですか?
「錬金術センパイ!!!『説得』!!!」
「…つまり、貴女はレンさん…なのですか?」
やっぱり…錬金術って最強やな、いきなりあんな弱体化されたのも、頷けるレベルだわ。
いつも読んでくれてありがとうございます!!
ロリ化、練。ロリ、華蓮。
ダジャレじゃないんだよ。
たまたまだよ。




