どういう事なんですかねぇ…
「どうして、幼女になってるか…ですか?」
目の前の幼女は首を傾げる、こちらのアビスからは、あっちのアビスの様な、『the!悪!』みたいな感じは全くしないのだが…
「うーん…貴方の話だと、そっちの私は、人を…その…取り込む…らしいですね…でも、私は人を食べないようにしてるので…それが原因かも…です」
そうか、食べないと育たないもんな。
……一体、アビスはあれだけ大きくなる為に、どれくらいの人を食らったのだろうか…
「…そうか、話を脱線させて悪かったな」
考えても仕方がない、どうせ倒さなければならない相手なのだと割り切って、話を再開する。
「えっと…貴方が、金子練と戦うという話ですね?」
「…あぁ、そこでだ、こっちの金子練の情報について聴きたい」
一体…こっちの俺はどんな奴なのか…とても気になった。
どういう経緯で、幼女を惨殺する様になってしまったのか…
「そう…ですね、ちょっとまってて下さい!」
そう言い残して、奥へパタパタと駆けていった。
「……ドジっ子だもんなぁ…心配だなぁ…」
そう言いながら、椅子から腰を上げる。
幸い、ロリコンレーダーには反応するようなので、それを頼りに探知する。然程遠くでは無いようだ。
「…この部屋か?」
中から「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」という声が聞こえて来た、多分正解だ。
「おじゃまします…」
「びぅ……なんで、なんでこんな事に………」
なんと、本棚が倒れていた。
…正に予想通りの展開だ、王道も甚だしい。
「はいはい…『直す』」
超万能の錬金術で棚を元の位置に戻す。
すると、仰向けに転がっているアビスが現れた。
「す、すみません…そうだ!上から2番目の棚にそのファイルが有ります」
まるで代わりに取ってくださいと言わんばかりの態度だ、何かが吹っ切れたのだろう。
「わかったーーーーーーーって!!!2番目の棚全部俺のファイルじゃねぇか!!!!」
ちょっと、ゾワっとした、想像してみて欲しい、棚にずらっと並ぶファイル、そのタイトルが全部自分の名前。
恐怖でしかないだろう?
「…一番から読んでみるか」
金子練、その生い立ちーーーー
「なんだこのサブタイトル!!!!というか転生前まで網羅してんのかよ!!!」
再度、練に悪寒走る。
「あ、重要なのは最後の方です」
「最初からそれ言え!!!!」
そうして俺は、こちらの世界の俺(サディスティック練とでも呼ぼうか…)の身に起きた出来事を知る事になるのだった…
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
また明日!!お楽しみに!!




