逆転世界
「みんなぁぁぁぁ!!!『やめろ』ぉぉぉぉぉ!!!!!!」
それは、3人がぶつかり合う寸前で発動した。
胸が、嫌な音を立てた。
「あぁ?誰に口きいてやがるの?クソ野郎」
「は?アイツ誰?知らない子ですねぇ」
「邪魔です、死んで下さい」
………コレが、世界がロリコンを見る目なのだろうか?だとすれば、世界は残酷過ぎるだろう。
「ウッ………」
罵られたショックで気を失った。
練のライフはもうゼロよ!
「うー?くっ…悪い夢を見た様な気がする…」
起き上がろうとする。
しかし、腕も、脚も動かない、というかかかる重力がおかしい。
「あ、起きた!みんなー!!起きたよー!!!」
俺の目の前には、全校生徒が集まっていた、俺の体は何故か浮いており、足元には燃えやすい可燃物がいくつも転がっていた。
「というか、何?コレ…ってぅえ!?磔ェ!?おかしいだろ!?なんだコレ!!!ヴォイ!!!」
暴れようが、何をしようが堅く結ばれた結び目が解けない。
「じゃじゃーん!火炙りの刑、執行なのーーー!!!」
可燃物に油が注がれた。
松明の炎が近づく。
「やめて下さい、満面の笑みでそれを言うのはやめて下さいよ!!!というかなんだコレ!?どんな悪夢だよッ!?」
おかしい、絶対に、おかしい。
あの目は、確実に、俺を殺しに来ている。
こんなのは、俺の世界じゃない。
「クッ!『移動!』」
幸いにも錬金術は起動し、最悪の状況を避ける事が出来た。
…どうやら、この世界は完全に俺の事が嫌いではないらしい。
「甘いね、私から逃れられるとでも思ったの?」
「クッ………クロノスちゃん!?」
避けた先は、更なる最悪の状況。
さっき焼かれていた方が良かったと、そう確信した。
首筋に添えられた剣が食い込んだ。
『称号:一瞬無敵を獲得しました。』
剣が一瞬止まった、クロノスは驚いた顔を見せる。
「…!『転移』ッ!!!!」
その隙を突き、なるべく遠くへ転移する。
「はぁ……軌跡が見えなかった」
「はぁ…!はぁ…!酷い目に遭った…」
あまり疲れていない筈なのに呼吸が激しくなる。
幸いにもこの森の中には、俺以外誰もいないようだ。
『称号:001を獲得しました…大丈夫ですか?』
「…あぁ、大丈夫だ、大丈夫なんだが…」
『世界の声』ってこんなに話すのか…と、少し困惑しながら、世界の声に語りかける。
「ここは…なんの世界なんだ?」
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