表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/437

帰宅。

キタキタキタキタキタきましたぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!

「はぁ〜疲れた…」


リスキルのし過ぎで疲れたって、それ主人公のする事じゃないよね。ただの害悪だよね。


ーーーベットに入った直後だった、自室の扉が叩かれたのは。


「ん?…控えめな叩き方、さては貴様!クロノスちゃんだなぁ!」


扉を開けたクロノスの表情は、どういう顔をすれば良いか分からない顔をしていた。

無理矢理表すのなら、困惑と驚きとドン引きの顔だ。


「し、失礼します…練君、ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど…」


「はいはいー!良いですとも!」


返答を聞く前に許可を出す。

…もし、「頼むから死んで下さい!」とかいうお願いならどうしていたのだろうか。


「えっとね、ちょっとここの所、弄ってくれない?」


彼女は懐から銀色のペンダントを取り出す。

そのペンダントは、まるで彼女の為に作られた様な、そんな雰囲気があった。


「ん〜こう?」


彼女の指が指し示す魔法陣の一部を、錬金術を使ってゆっくり動かして行く。


「うん!バッチリ!えへへ〜練君ありがとう!………ごめんね」


やっぱり、彼女の笑顔は人を元気にする。

さっきまで残り切っていた、リスキルの疲れは、完全に吹き飛んでいた。


「大丈夫だよ!寧ろありがとうだよ!元気出た!」


「……うん、ありがとう」


なんだか、表情が暗い、そんな気がした。

だから、話を変える事にした。


「……そうだ、クロノスちゃん、俺がもし、神様になるって言ったら…協力してくれる?」


きっと、彼女は、協力すると言うだろう。

……胸が、心臓が、魂が、痛いのだ。

錬金術を使う度に、今まで感じる事のなかった痛みが、魂が割れてしまうような痛みが、走るのだ。

彼女の笑顔が無いと…みんなの笑顔が無いと……きっと、俺は……俺は壊れてしまう。

こんなにも、狡くならないと、俺はもう、戦えない。


「……!…ふふっ…勿論!!練君の為なら…もっと……な、なんでも…え…えと……なんでもないよっ!なんでも!!」


やっぱり、彼女は可愛かった、両手を広げ、抱き締める、壊れない様に、壊さない様に、ゆっくりと。


「へ?………れっ!れんくっ!!!?は、ハレンチだよっ!!ヤバイよ!!?」


耳まで赤くなっている、顔は見えないが、きっと真っ赤なんだろなぁ…


「ごめん、ごめん…もう少し、このまま…抱き締めさせてくれないか?」


「…練君……練君はズルイよ………そんなんじゃ…絶対断れないよ…」


練君は、強かった、強いと思ってた、強く見えていた。

でも……こんなになるくらい…本当の練君は…弱かったんだ。


…確かに傷付いてしまう、人間だったんだ。


ーーー神サマじゃ…ないんだ。

いつも読んでくれてありがとうございます!


人は…強いが、意外と脆いのだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ