破壊神が創り出す未来
ーーアンタが世界を滅ぼした、俺の母さん……ルミナを除いた全てをな
練は息子の言葉を思い出していた、そして、大きく安堵した
「…分かった、要はモンスターが再度湧くまで待てば良いんだよな」
話は聞き終わったと言うばかりに再度ベットに仰向けに倒れ込む、彼女は引っ張り出していた椅子を元の場所に戻しながら言った
「…感謝するよ、ごめんね…こんな事に…こんな所まで付き合わせてしまって」
その言葉を彼は笑った
「…いい台詞だな、でも、俺には相応しくない、俺は………」
彼は目を閉じて、思い出すように言った
「この世界でルミナに逢えた、ダークとライトに逢えた、クロノスちゃんに逢えた、シルフィアにも、あの二人は…ちょっとアレだけど、タマモにも逢えたし、瑛理とも逢えた…」
彼は笑顔だった、正直、トレイアは自分が恨まれても仕方ないと考えていた、何度も死に掛け、命を狙われた、そりゃ恨むだろう、しかし、彼は変わらず笑顔だった
「大満足だよ、最高の異世界をありがとう、試練の女神サマ」
「ありがとう、試練の女神冥利につきるよ〜」
満面の笑みを浮かべながら伸びをする、そして、今一度確信した
「君を選んで良かった、金子練」
並みの主人公なら頰を赤らめてドキッとする様な笑み、クソッ!羨ましいぞ金子練ッ!
「どういたしまして〜」
しかし、彼は堕ちない、ロリコンを堕とすには多々ストライクゾーンを越え過ぎた
「…じゃあ…ね?」
彼女の気分は最高潮だった、布団に寝転がりながら手を振られても最高潮だった
「…ありがとう」
外に出た彼女、向かう先は自らの寮、もう夜も遅いのだ
「あ〜あ、ふぃーちゃん心配してるかなぁ…?」
ふぃーちゃんとはシルフィアの事だ、因みにトレイアは「てぃーちゃん」と呼ばれている
そんな事を考えていたせいか、私は目の前の黒尽くめの男に気が付かなかった!!
「あっ!すみません!!」
黒い制服はこの学校の制服、不審者ではない、下げた頭を上げる
「こちらこそごめん、ぼーっとしていたよ」
…紛いも無く、いや、少しだけ違う、違うのは纏うその雰囲気だろう、少なくとも人間ではこの様な雰囲気を持つ事は無い、しかし、彼は『金子練』だ、間違いない
「い、いえ!すみませんでした!」
彼女は足早に去った、背後を振り向くと彼は金子練の部屋へと入って行った、一人部屋である筈の金子練の部屋へと
「…いや、そういえば分身できたね、勘違いか〜」
彼の部屋に入れ違いで、人物が入って来た、寝かけていた練は眠気を覚まされた
「おぉ、ランか、久し振り〜……なんか感じ変わった?」
「久し振り、僕は変わってないよ、変わったのは君じゃないかな」
「…いいや、ちょっと感じ変わったよ、なんか…失礼だけど、俺に似てる」
いつも読んでくれてありがとうございますッス!
いや〜ラン君!一体何者なんスかね〜!!
…なにこれ




