壊れた街並
「…いやー、甘かったー!!」
「甘かったのー!!」
店の前で全く同じポーズでそう叫ぶ、かなり微笑ましい光景だが、高校生×1歳はあかん
「…何というか、安心しました」
「だよね!…なんかこういうの聞くと…2人が帰ってきたんだなぁ…ってさ…そっかぁ…知らない間に、兄さんとルミナちゃんが…日常になってたんだなぁ…」
「そっかぁ…安心かぁ…私も安心した…うん、日常になってた」
「まぁ、こいつらじゃからなぁ……人の家の窓をぶち壊して日常に入り込んで来たのは」
かなり照れ臭かった、けれど同時に気付いてしまった、俺とルミナがいなくなる事で少なからずみんなを不安にしていたのではないかと
「…パパー、なんかー!なんかぞわぞわってするの…!!」
「ルミナ、俺もだよ、俺もぞわぞわした…ルミナーっ!!」
突然幼女に抱き着く変態、それすら日常だと、安心を感じてしまう、だけどなぜか、彼のその行動に違和感を感じてしまう
「パパーどうしたの?急に抱き着いてきて」
彼は焦っていた、もしかしたらこのハグも日常を取り戻そうとして行ったのかも知れない
「…寝起きのルミナ分回収をしておきたいなぁって」
一頻り抱き締めたり撫で回したり、やっとの事でルミナを解放した、その彼は突然に言う
「折角だしさ、学園に戻らない?」
「練君…私達在学生だよ?なんで卒業生みたいな事言ってるの…」
そう、折角ではなく、普通に戻らなければいけないのだ、クロノスさんは大層呆れたご様子だ
「…た、確かに在学生だったな…あはは…」
「まぁ…取り敢えず行きましょう、あの先生のことです…もしかしたら全員退学なんて………あの先生なら言いかねませんね…」
2人がうんうんと頷く、ルミナは何も分かっていないようだ
「じゃあ私達はここでお別れじゃな」
「あぁ、そうだね、バイバイ兄さん、今度は忘れずに迎えに来てね?」
手を振る2人の頭を軽く撫でてから転移を発動する、頭を撫でられた2人は顔を見合わせる
「なんのつもりなんじゃろうなぁ…アイツ」
「でも、悪い気はしなかったよ?あっ!そうだ、帰ったらス◯ブラしようよ!」
2人は全く違う身分同士、けれど並んで歩く姿は年相応……ではなかった
「おい、しばき倒すぞ、そういう時は嘘でも年相応というのじゃ」
……年相応だった
「とうっ!俺参上!!……え?」
「どうしたんですか…え?」
「そ、そんな…」
「パパ…」
そう、彼等が馬鹿なことやってるうちにリベドはボロボロになってしまっていたのだ
「どうしてこうなったし…」
遅れてすみません、今日中にもう一回投下します…




