戦いの後
「…なんだお前は!!……ルミナ、こいつ誰?」
一応ここは彼女の家なのだが…全く失礼極まりない奴だ、と言わんばかりに彼女の頰がピクピクと引き攣っている
「えっと…ほら!…店主さんなの!お菓子の店主さん!!」
「……はぁ…そうですー店主さんでいいですー」
そう言って彼女は拗ねた顔を見せる
「……このウザさは……あっ!お前かっ!?」
そう言うと彼女は額に青筋を浮かべた、その表情から読み取れるのはこいつ泊めなきゃ良かった、という感情だった、そして瑛理の拳が練へと飛んだ
「グヘッ!?」
「ウチの兄さんがすみません!!ほら!兄さんも…!!」
「す…すんません……」
全く、妹に責任を取らせるなんて、酷い兄貴もいたもんだぜ、ルミナ以外が似たような事を思った
「…あっ!そうだ!甘いもの食べて行きなよ、ウチは甘味処だからね!というか…現在進行形でインスピレーションが…!!」
ここは魔族の国、リベドだ、いや、だったと言うべきか
「…酷い有様だな…水浸しの上、そこら辺がボコボコ、崩れてしまった家、まるで廃墟だ…父さん…どうする…?どうすればいい?」
普段の高圧的な雰囲気からは想像もつかない程弱々しい声で父に縋る
「…どうするか?…ははっ!決まってるだろ?もう一回、この国を、リベドを創るぞ」
彼は両手を広げてそう言った
「父さん……リベドは終わったんだよ…この国は壊れてしまった、もう……リベドは戻らないんだ」
彼は父親に残酷な現実を叩きつける、けれど、彼は止まらない
「まだ、やり直しになっただけだ…まだ、終わりじゃないさ」
それに…と、息子の肩に手を当てて言う
「二回も建国した人間なんてそうそういないだろう?1度目のノウハウを生かして…2度目のリベドは前のリベドよりもいい国にしよう、みんなが幸せに、笑顔になるような国にしよう」
「…父さん……」
「……そうだ、確かお前…恋人、居るんだった、な…何処で挙式するんだ?」
途端に彼は恥ずかしそうに頰を掻いて言う
「城で…挙げたい」
「そうか……ジーク・アスタ、貴殿はクビだ」
…その言葉に彼は目を丸くする、どういう意味に取ったかは不明だが、驚いたのには間違いない
「クビ…皇の事…なのか?」
「そうだ、皇の仕事は父さんに任せなさい!アスタは自分の好きな人と好きな事をしなさい」
やっぱり、彼が見せるのは優しい父親の眼差しだった、そして彼が見せるのもまた、父を想う息子の眼差しだった
「後…決心がついたらでいいから、好きになった人を紹介しなさい、父さんとの約束だ」
「……はい…父さん…」
彼は俯いたまま顔を上げる事が出来なくなっていた
いつも読んでくれて………ありがとうございます!!!
おらー!ギャグとシリアスの差で風邪引いたらあったかくして寝てください




