測るまでもない
「努力とは!」
彼は叫ぶ、それは自身の努力を汚された事に対する怒り
「努力とは奪うものではないッ!己を磨き、鍛え上げる……それが報われないという恐れの中、それを絶えず続けるのを努力というのだ!!!
目先の力に惑わされ、誘惑に負ける事を努力とは呼ばんッ!!」
「へぇ。熱弁ありがとう。
それじゃあ奪う努力をさせてもらおうかしらッ!」
尚も嘲笑うように動くことのできない彼を踏みつける。
あくまでも殺さぬように、手加減して、甚振るように。
「ぐっ……貴様ァァァァァ!!!」
「負け犬の遠吠えね、仲間でも呼ぶつもりかしら?」
彼は彼女の足に掴み掛かった、ただの人間が片手で掴み掛かっただけ、ただそれだけにも関わらず。
「何を…しているのかしら?」
彼女は足を動かそうとする、けれども動くことは出来ない。
「お返しだ、SPDは『0』決して動きはしない。」
「へぇ~他人に賭けちゃうんだ、セーンセェ!!!」
動くハズの無いその左手がその細い足をギシギシと締め付けた。
「あぁ、悔しい、情けない……他人に任せてこんなことしか出来ない事がな。」
「…まさかッ!?」
上を見上げる、さっきまで太陽だと思っていたそれは太陽では無かった。
「任せてよ、そもそも子供の後粗末は親の仕事だからね。」
彼は眠っている、彼の身体は風に抱かれ眠っている。
その横に佇む彼女、その両手には太陽の如く輝く球体が存在していた。
「サーウィン……生きてたんだ、ははははははっ…そっかぁ…落ちてくるのが遅いと思ったら…生きていた、あはははは…ははははははーーーー
ーーークッソがァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
彼女は自由な左足を使い、何度もその足元の男を蹴り続ける。
「放しなさい!離せェェェ!!!!」
土煙が上がる、しかし彼は手を離さない、彼女は気付く。
「…手応え…が……?」
彼は言う、自分の努力の成果だと自慢するように。
「総てのステータスが0の物質はステータスが設定されている物質には干渉されない、これが俺の努力だ!貴様に奪わせてたまるかァァァァァ!!!!」
「貴女の負けよ……アビス!!アナザーサンシャイン」
「0…私が……3柱の神の力を持つ私がステータス0に負ける…?」
彼女の両掌に制御されていた光球が彼女の掌を離れて深淵に炸裂する。
「そんな……こんな事が……許されるハズがない!!嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!嫌だァァァァァ!!!!!」
彼女は消滅する、太陽の光に焼かれて。
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
やったーアビス倒したーこれで万事かいけつ!(棒)
気に入らない所があったので、文章を少し変更しました。




