疾風迅雷
「…またハッタリ…?ハッキリ言って無意味よ、分からないのなら分からせてあげましょうか?」
砂の塔が完全に崩れ去り、直ぐさま激しい雨と混ざり合い濁流に変わった
「ハッタリ?違うさ!ハッキリ言えばもう貴女は詰みだよ!貴女は何も出来ずに僕に倒される…それでジ・エンドさ!」
何処からこんな自信が湧いて出たのか、アビスは軽く恐怖していた、普段ならばこんな行動を取る事は無いだろう、しかし、恐怖により焦ってしまったが故に、跳んだ、砂の塔と激しい雨とが混ざり合った濁流を一気に飛び越えるが為に
「いいや違う!!詰んだのは貴方よ!このままトドメを刺して終わりだぁぁぁぁぁ!!!!」
だが、その行動が勝敗を分けた、跳んだ瞬間、彼の表情は驚きに染まった、がしかし、気付いた、いや、気付いてしまった、彼の驚きの中の笑みに、100%中の1%を引いた時の様なその笑みに
「言ったろ…ジ・エンドだってさ!!!」
瞬間、さっきまで雨が降り注いでいた空から、別の何かが降った
「疾風招雷…!!」
空から飛来した光が闇の身体を引き裂き、そして焼いた
「ぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
瞬間、彼女は恐怖した、今の今まで、ずっとこれを狙っていたのだ、つまりは戦いながら大気を操作していたのだ、普通の人間ならば一瞬で気絶してもおかしくない情報量を処理した上で空を舞い、戦っていたのだ、だから、だからこそ
「貴方が欲しかった…」
「僕は誰のものでも無いさ、僕のものでもね」
そう言い残し、気絶した、圧倒的な情報量の処理に肉体以上に精神が疲労していたのだ
……そして
「そう、欲しかった貴方をやっと手に入れられる…!!!」
そう、固体操作、操作出来る固体は土や砂ばかりでは無い、固体ならば、例え自分の身体だったとしても操作出来る
「直前に首から上を切り離した、全く、油断してたらこんな芸当出来なかったよ、態々ご忠告ありがとうね…!!」
雷に打たれ、焼けた身体が首と繋がった瞬間一瞬で再生した、その再生力は他と比べ物にはならない
「さぁて、気絶してるし、ゆっくり頂きましょうか!」
ゆっくりと身体を前に進める、雲の間から日が刺し、濁流は収まり、地面に水溜りを作った
「待てよ、俺の生徒に何する気だ?」
そこに居たのは…
「誰?あぁ、リンシャル・ヴィルドの息子ね」
いつも読んでくれてありがとうございます!
最強候補、まさかの敗北…




