闇の神
ここは、とある校舎の中、彼女はその中を走っていた
「…ふぅ……ここまで来たら大丈夫……かな?」
彼女はハクア、未来が見えるだけの只の女の子だ、だが、今回はその未来視に助けられた
「……うっそぉ……!!」
これまで以上に速度を上げて階段に逃げ込む、その後を水が洗い流した
「うわぁ……大丈夫なのこれぇ…」
そう言いながら階段を昇り始める、だか、突然、未来が視えなくなった
「っ!?……な、何が…」
そして、何も見えなくなった、未来視である故に充分な視界が確保出来ないと、未来視は全く意味を成さないのである
「暗い……見えない…視えないっ!誰かっ!!誰かーーっ!!!」
寝る瞬間ですら自分の未来を見守ってきた彼女にとって何も視えないという事は、彼女を軽くパニックにさせた
「愚かな…だがそれ故に楽だった」
すると何処からともなく、いや、全方位から声が聞こえた、その声に彼女はヘタリ込みながらも階段を這って進む、自分が上に進んでいるのか、下に進んでいるのかそれすらも分からなかった
「おめでとう、正解だ、そのお陰で手間が省けたぞ、この暗黒神の手を煩わせない為の行動を取るとは、殊勝な心掛けだ、褒美に……闇の軍勢の一部に貴様を加えてやろう……なぁに、案ずるな人間よ…痛みは一瞬しか感じんよ」
己の死を覚悟した瞬間、蒼焔が明るく辺りを照らした、それと同時に闇を少女から遠ざけた
「ヌウゥゥゥ……何事だ!!」
迸る蒼焔を身に纏う男、少女からすれば入学式に暴れたヤバイ人という印象しか無かった男だが…今この瞬間だけはそれを忘れ、ただ感謝した
「貴様…深淵か?闇の軍勢と言っていたなソイツから離れろ!」
自分でも影が薄いという事は自覚しているし、気にもしているが、今この瞬間だけは、意地でも名前を思い出して読んで欲しかった
「来てくれて……ありがとう…!!」
「感謝はこいつぶっ倒してからだ!えーっと…来い!」
「ハクアです!!!」
そう言って二人は階段を駆け上がる
「ふん……二人の方が一度に二人殺せる、待っていろ…直ぐさま殺してやる…!」
…その場に一人残された闇の神は蒼焔を消せないまま立ち尽くし、一人で何か呟いていた
いつも、読んでくれてありがとう!
三連休多過ぎないかなぁ…?って感じです、勿論三回投稿します




