NEET-man shield
パタパタと音を立てて駆け出した少女を横目で確認しつつ、ゆっくりと戦場へと前進を始めた
「…チッ…ミスった」
「ハァハァ……私じゃ無理か……」
ダメージを与える方法が無い、もしあったとしてもそれを考える時間がない、つまりは絶体絶命であった
「そろそろトドメかしら…ウェーブ・カノン!!」
その言葉とともに手元に水が集まって行く…その慈悲の無い攻撃に諦めかけた瞬間……
「おっす、大変そうだなぁ」
彼女はその穀潰しの服の裾を思い切り掴み、自身の目の前へと引っ張った
「なっ!?」
「グッドラック…」
「ちょっおまっ!!!??」
自然ではあり得ない圧力で放たれた砲弾は、轟音を響かせ無情にも着弾した
「…最低だわ…手段は選ばないというわけね」
「本当に最低だな」
「ふっ…そこに居たニートが悪い…」
砂埃が舞い落ちた、その中には死んだはずの人影があった
「うわっ!?しくった!なんで引っ張ったんだよ!フルコン目前だったんだぞ!?どうしてくれんだ!」
無傷だった、しかし、それは異常だった、圧倒的な防御力があったとしても、あのなんの効能も無さそうな安物の服くらいは破けるはずなのだ
「何故……何故、生きているの…?……まさか!?」
この最高(?)の状況を邪魔する様にこの毒舌メイドは主人の懐を漁り、ポーションらしき飲料物を取り出し、一気に飲み干す
「七つの大罪最強の盾…怠惰の領域」
怠惰である限り、総てを遮断し、無効化する能力
「そんな……怠惰である要因が何処に……成る程」
捉え方によるが…彼は今、女性にだけ戦わせて、自分は戦わず、恐らく世界で最も安全な場所で音ゲーをするという人間のクズレベルの事をやってのけているのだ
「戦闘とは!相互に敵対する二つの勢力による暴力の相互作用だ!!暴力は一方的!つまりは戦闘に参加しているとは言い難い!つまり今の俺は無敵だぁぁぁぁぁ!!!!」
カッコよく説明するがやっている事は最低である
「でもこれで最強の盾が出来ましたね、エミルさんもこっちに来たらどうですか?」
振った手に気付いたエミルが攻撃をいなしながらこちらに近付く
「はい!精々利用させていただきます!」
どうやら彼女は、この使えるニートを休憩所として利用する様だ
「…やっぱそうなるのか……」
何度もその扱いを受けたからか、諦めた様に首を振った
「うわっ…ズルいわ…」
「我等が言えた事では無いがな」
いつも読んでくれてありがとうございました!
特に無いよ!




