水と闇って何さ
「…それで、倒す算段は?倒しちゃえばいいじゃんと豪語したならばあるんですよね?」
そして彼女は軽く息を吐き、その言葉を吐き出した
「ーーー
ーーえ?無いよ?」
「おいこら、死の予言食らわすぞ」
「なにそれ即死?…じゃなくて、先ずは相手を知らなきゃ、ここから校庭を見て偵察するのもアリでしょ?」
アリだと思う、そもそも何故主人公達は一心不乱に突っ込んで行くのだろうか
ーーー轟音が響いた、それと同時に校庭のど真ん中から水が噴き出た、その噴水から人影が現れた
「此処かしら?この街の中心は…」
その人影の正体は青髪の女性だった、さっきまで水の中に居たはずなのだが、身体は疎か服すらも濡れていなかった
「違うだろうな…まぁ、根拠はないが」
女性しか居ないこの空間に男性の声が響いた、と思えば影からだろうか、そこから突然、黒髪の男が姿を現した
「…まぁ良いわ、取り敢えずさっさと殺して帰りましょう」
「あぁ、そうだな」
不穏な会話が続く中…
「…え?あれ神様…え?なんで2柱も……」
「どうやら水と闇は神様だったみたいですね!」
「いや聞いてないよ!!」
「しょーがないです、有言実行ですよ!ほら、早く行って下さい」
「もーー!!入学式のあのおどおどした貴女はどこに行ったの!?」
「あれは笑いを堪えていただけです、見る目がないなあ…」
2人の口論はエミルがハクアの服の襟を掴んだ事で終了する
「え?何ですか!何するんです!」
「ねぇねぇ、私達、こうなっちゃったら…もう運命共同体だよね♡」
そしてなんとエミルは、彼女の襟を掴んだまま、窓枠を飛び越えた、ハクアは首元を抑えた状態でジタバタと暴れていたが…窓枠が見えた瞬間に抵抗を辞めた
「…ん?なんだ…」
彼等の視界の端で砂埃が起きた、その砂埃の中から1人の少女が優雅に、1人の少女が無様に現れた
「御機嫌ようーーガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラーーーうるさーい!!!」
と、まるで強者の如く現れた彼女の台詞はとある騒音に掻き消された
「すみません、この誤種人様が動きたくないと仰りやがったので……」
そこにはメイドの出で立ちをした転校生ーー薄葉蛍が、そして学校を永らく休んでいたアルズが台車に乗った状態で現れた
「おい、誤種人いい加減音ゲーやめやがれください」
「うっせーよ!!今いいとこなんだよ!」
シャンシャンという音がリズム良く聞こえた、と思うと突然ガッツポーズで立ち上がった、しかし直ぐに座り直した
「えー…大変ですね…」
「私は彼の未来はまだ見た事は無いが、かなり酷いものになる予定だろうな」
両者とも本心だろう、こういう話をしている時に敵は何をしているのか、きっと罠でも仕掛けている、そうに違いない
「そうでもありませんよ、このナマケモノの世話をするだけで、ストレス解消になりますし…お金も頂けます」
「おい!そりゃ無いだろう?もっとご主人様に対する敬意とか尊敬をだなぁ……!!」
「黙りなさい、クソニート、それより戦闘の許可を、それだけが貴方の仕事です」
そのクソニートと呼ばれた男は長いため息をついた後、気怠そうに言った
「許可ー許可しまーす」
「承知致しました、マスター」
いつも読んでくれてありがとうございます!!
こいつら誰?症候群の方々は…薄葉蛍さん、人物紹介に乗ってない事件なので…因みに89話登場です、というか何もしてないので新キャラとして読んで貰えば…




