親子セット
「あーんっ!………」
その場にはルミナがその緑色をした液体を吸う音だけが響いた
「ルミナ、嫌なら言って良いんだぞ?」
さぁ…どうだ!
「甘いね…私のメニューに…弱点はない!」
「ちょっと苦いけど美味しいのー!」
苦い…!?バカな!口にはミントの香りと清涼感が広がるはず……まさか!!
「コレは…チョコミントフラッペではない!?」
「…ふふっ…!チョコ抹茶って知ってるかな?」
チョコ抹茶だと!?…初めて知った…
「えぇっ!パパと別のなの〜!?」
だが甘い!…甘っ!………ルミナがゴネるぞ!これでチェックメイトだ!
「ごめんねぇ〜でもこの『クールタイム』はチョコに合う飲み物がランダムに選ばれるからパパと一緒のはちょっと難しいかな〜?」
「なっ!?」
「…まぁ美味しいからいいの〜!」
全部…まるで踏まれたスナック菓子の様にぐちゃぐちゃに壊された…それに何より…美味いっ!!認めなければならない…
「完敗だ……代金は払うよ…」
「うんじゃあ、銀貨6枚、食べ終わったらお金そこに置いといて〜食べふのひっ…(ズルズルズルズル)……忙しいから」
どこから取り出したのか不明だが何故かこの暑い時期にラーメンをすすっている…麺を啜る音…あの食べ応えのありそうな焼豚…立ち上る湯気が俺の食欲をくすぐる…
「……あげないよっ!!」
「ルミナ、食べ終わったか?」
「うん!美味しかったの!」
「ここにいるとお腹が空く、代金は置いた、早く出るぞッ!!」
「はーい!」
ガタンと音を立てて扉が勢いよく閉まった、そこにはズルズルとひたすらに麺を啜る音が響いていた
「………今のうちに食べとかないと……(ズッズルルルル!!!ズルズルズルズルズルズル!!!ズバァンッッッ!!!)」
「最後は…景色の良いところ…いや分からんわっ!」
虚空にツッコミを決めるのは主人公の特権だって決まってるんだ
「どうしたのパパ?」
俺と同じツッコミポーズのルミナが可愛い過ぎる件について
「…なんでもない、ちょっと良い所に『行こうか』」
…心当たりがひとつだけ有った
「うわぁ〜〜!!!綺麗なの〜!!」
前タマモにぶっ飛ばされた時に知った、この城からの景色は最高だ
「あぁ、綺麗だな…」
でも知らなかったなぁ…この街、夕焼けの中だとこんなに綺麗なんだなぁ……
「あっタマモちゃん!おはよう!元気?」
「ん…私はどの位寝ていたのじゃぁ…?」
…夕焼けか……こんなに寝てたんだ…ちょっと歳の事弄っただけでやり過ぎ……
「大丈夫!1日が終わる手前だよー!シルフィアさんから聞いたよ?大変だったね〜…まぁクロノスさんもやり過ぎだけど、タマモちゃんっ!言い過ぎも良くないよ!」
……怒られるのは久し振り…まるでご主人様みたいな怒り方………
「え?えぇ!?たっタマモちゃん!ごめん!わ、私、言い過ぎちゃった!?」
…?涙…涙…あぁ…歳を取ると涙脆くなって…嫌だなぁ………
「いいや、気にしないで、ただーーー
ーーただ思い出しただけだから……………のじゃ」
何故先に居なくなったのかな……父上………!
ーーーだから!みんなの前で父上はやめてって!
…いつも読んでくれてありがとうございます




