デート
「なんだったんだ…今のは…」
いつの間にか頭に響いていた声は消え、目の前にはルミナの心配そうな顔だけが残った
「どうしたのパパ?大丈夫?疲れてるの?」
この子の上目遣いは人を殺せる、そう確信した俺は、自分の鼻から鼻血が出ている事に気付いた…いや、それどころではない、涙をも流している、普通ならば、極度の興奮により、気を失い、知っている天井、もしくは知らない天井にて目を覚ます所だが…
「うぅっ…ルミナ……いや、大天使ルミナ様………」
感動していた、興奮を感動が押さえつけていた、ルミナ、いや、大天使ルミナ様の上目遣いは俺を感動させるのに十分過ぎるどころか、造形美だとか、黄金比だとか、芸術なんて物を通り越して完全なる『可愛さ』を放っていた
「…え?ぱ、パパ?本当に大丈夫なの?いや!どう見ても大丈夫じゃないの!!目を覚ますのーー!!!」
あぁ!体が揺らされる!普段ならば脳がキリキリと痛むのだが、彼女が起こしたのならば話は別!この揺れさえ…愛おしい……
「え?えぇ!?な、なんか光に包まれてるの!!ヤバイの!!天に召されちゃうの!!!パパー!!!目を覚ますのーー!!!!」
…あぁ…この壊れそうな程華奢な体を抱き締めたい、しかし、この忌々しい薄汚れた血で彼女を穢す訳にはいかない…あぁ、自分が自分である事が忌々しい!!もし、自分がぬいぐるみだったのならば!彼女を抱き締める事だって、彼女に抱き締められる事だってできたのに!!!!あぁ…今この瞬間から、KUMA=SANが恨めしい!!
「いい加減目を覚ますのーー!!!!!!!」
半分天に召されかけていた彼の顔面に拳が突き刺さる!今度は別の理由により全分天に召されそうになっているがきっと大丈夫だろう、そう、だって今回はギャグ回だ………だ、誰だ!な、何をする!やめろ!!うわぁぁぁぁ!!!!!
「…あら?な、なんだろう、俺はルミナの上目遣いを見て…………なんだっけ?……さっきまで素晴らしい気分だった気がするんだけど…なんだったんだろうか」
さっきの彼とはまるで別人の様な彼が起き上がった、どうやらさっき起きた事を覚えていない様子だが、ルミナにとって、そんな事はどうでもよかった
「パパーー!!!…元に戻ったの?天に召されたりしないの!?」
座り込んでいる練に対し、ルミナが対面し膝に座っている状態、なんでルミナがこんな事になっているのか、ということは大体察した様子だ、練はどうしようもない奴だが、こういう時ぐらいは空気を読むのだ
「…えー……大変申し訳ありませんでした、大丈夫です、心配無いよ」
「…良かったの…急にルミナをだいてんしルミナさまって呼んだと思ったら光に包まれてあの世に逝きそうになってたの……本当に大丈夫なの?」
え?俺そんな事してたの?嘘…だろ?そんなバカな事があり得る訳が無い!と脳内で思いつつ、大天使ルミナ様…アリだなと思っている自分がいる事にあまり困惑していなかった、狂気は正常!大丈夫!!
「普通の人ならダイジョバナイけど、俺は大丈夫、なんだって自慢の娘がいるからなー!」
いつも読んでくれている皆様、本当に申し訳ありませんでした、明日、2倍投稿です死ぬ気でやります




