鬼畜にはなりきれない
「私はプランBをお勧めしたのですが…お嬢様がどうしても嫌だと…」
目に見えて表情が暗くなった、ポーカフェイスはどうした!
「普通嫌ですよ!!だって女の子ですもん!!」
コイツは女性を内に秘めた変態だからな、わかるんじゃない?きっと…
「そう…だったのですが…筋肉パワーには若返り効果もあるのですが…」
そう言いながら取り出したのは…なんとーー
「…え?」
ーーー見たことのない幼女が写った写真だった
「凄まじい筋肉っぷりでございました…筋肉で解毒する方法を習われていれば……」
もう少し早く来れば…と、呟いた時だった、突然、さっきのお嬢が走って行った方から声が上がった
「ッ!?ま、まさかお嬢様!!」
最悪の事態を考えてしまったのか、顔はじわっと蒼く染まり、額からは冷たい汗が滴り落ちた、ポーカフェイスにもう意味は無かった
「爺さん、距離は?」
突然問いが飛んだ、そしてそれに答える
「1900メートル前後といった所で御座います…何をなさるおつもりでしょうか?」
言い始める前、既に彼の姿は遠くにあった
「何を…って?助けるに決まってんだろ?」
その場には『移』という言葉だけを残し、練はその場から消失した
「ひっ…こ、来ないでぇ!!!」
彼女の目の前には大軍とも言えるKUMA=SANが居た、彼等はとある人物から逃げて来たのだが、既にそんな事は彼等にとってはどうでも良かった、何故なら…そこに狩りやすい獲物が居たからだ
「BEAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
恐怖のせいか、彼女の目元と足下は小さな水溜りと化していた
「そんな…こんな…所で…?嫌っ!お母様の……!!」
「…意志…か?」
声に気付き顔を上げるともう恐ろしい縫いぐるみは見えなくなっていた、代わりにあったのは全く見慣れない背中だった
「安心しろ、依頼は根絶やし、だっただろ?じゃあアイツ等ぶち殺すついでに…誰かを救ってもおかしくないよな!!!」
彼の言葉が判ったのかどうかはわからない、しかし…
「BEAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」
狩りの邪魔をしたそのニンゲンを彼等は許さない、標的は怒りの先に変わる
「…よし、ちゃんと俺を狙えよ?そっちの方が取り逃しにくいからなぁぁぁ!!!!!」
自分を背にしたまま彼は駆ける
(あぁ……)
辺りに数え切れないほど二度と動かない縫いぐるみが転がろうと止まらない、まだ数え切れないくらいしか倒していない
(きっと……)
彼の顔は見えない、だけどきっと笑顔なのだろう、だって素敵な笑い声が聞こえてくるもの!
(彼が…私のーーーー)
自然と手が伸びて行く、届かないと分かっていても、不思議と伸びてしまう
「ーーーお婿様…!」
ーーいいえ、ロリコンです、それも重度のーー
彼女がそう言うのと、新しい足音が聞こえて来るのと、彼が縫いぐるみを倒し終えるのは同時だった
「さて、依頼は完遂したかな?」
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
これが…昼テンションのHKmEだ……他人ではないです




