その後-前
前半って表現何気に初めてじゃないですか?
「それでは、行きましょう、ダーク姉」
少女は振り返らない、振り返えれば戻りたくなるからだ、決意を揺るがないものとする為…振り返らない
「…うん、わかった…また…ね、お兄ちゃん」
さよなら、ではなく…また、その言葉が意味するのは『また逢おう』という意志、剣達は主人の元を離れる
「…あぁ、またね…だ、2人とも…」
引き留めることは出来なかった、臆病な自分を呪った、だが、もう遅い、そして彼は気付かなかった、彼女達の道に少しではない涙の跡があった事を
どうしてこうなったのだろう、彼女達の後ろ姿を見て思った
「ルミナ〜!!」
「ママ〜!」
『はぁ…なんかもう…この人だけでいいんじゃないかな?』
この親子…いや、この2人は気付いていなかった
「はぁ〜〜!!!!」
ナデナデナデナデナデナデ
「ひぅ〜〜〜…」
視線が思い切りこちらに、まぁ、主にツクヨミさんに向けられている事に
「えーっと…まずは、メタモルドライバー返して下さい…」
「そんなもんより」
知らない声だった、少なくとも俺は、その知らない声の奴は言った
「俺達の仲間を返しやがれ!!」
ツクヨミがルミナを撫でるのを辞めた
「んぅ?ママ?」
「ルミナ、ごめんちょっと待ってて」
ツクヨミと声の主が対面する、ツクヨミの方が体も身長も小さい、が威圧感はそれに反比例して強かった
「仲間?正気?」
これ程までに冷たいツクヨミさんを見たのは初めてだった、まぁ、ルミナにべっとりなツクヨミさんしか見た事無いけど
「そ、そうだ!仲間だ!あんな風になったって仲間は仲間だ!」
この威圧感の中、反論を返すのはかなり難しい筈だ、とすれば彼は例えるならば龍に挑む勇者だろう
「仲間ってのは殺しあうものなのかい?」
いや、そのままだった、龍に勇者が挑んでいた
「そ、それは…!」
「そうか!納得がいったよ!仲間ってのは殺しあうものなんだね、覚えておくよ、君も憶えておくといい」
龍が人差し指を勇者に向ける
「な、なんなんだ…!お前はっーー」
言葉を重ね搔き消した
「賢龍ツクヨミと呼ばれていた者さ、よろしく、そしてお休み」
言い終わると同時に、彼の体は膝をつく
「終わったよ〜ルミナ〜!」
「ママ…一体何をしたの?」
ツクヨミは少し考える素振りを見せ…直ぐに笑顔を形作る
「疲れてたんじゃない?話終わったら寝ちゃった」
やばい、この場にいる凡そ全ての人間はそう思った、異常過ぎる程、娘に狂っている、それが行動、言動、表情に滲み出ていた
『『眠れ』』
「ん?…んがっ……Zzーーーー」
寝息を立て始め…直ぐに首を戻す
「パパ…」
「はぁ、はぁ…ルミナ……」
いつも見…てくれてっ……ありが…とう……!!(ガクッ
ちょっとした冗談です




