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???――誰かであって誰でもない、いつかの貴方。


 ――物語は世界を救いますか?


「世界ですか?また主語を大きくしましたねえ。うーん、どうなんですかね?物語や読書は本来娯楽か勉強に使われるものですし。救う。なんて言葉では物語に寄り掛かりすぎではないでしょうか。……けれど、……そうですね、誰かにとっては娯楽でも誰かにとっては奇跡のようなことってあると思うんです。物語に限らず、本当に些細な、例えば道端に花が咲いていたとか雨が止んだとか、誰かにとっては何気ない一言だったとか、そんなことが人生を変えてしまうこともあると思うんです。それとまったく同じように物語に救われる人だっている。世界がどうかは分からないけれど、ただ、それだけなんだと思うんです」


 ――あなたは物語に救われましたか?


「救われた、か、は、分からないんですけど。私は、大切なことは全て物語から教えてもらいました。幸せも苦しみも愛も喜びも悲しみも私は物語に教えてもらいました」


 ――あなたにはこれからも、物語は必要ですか?


「必要です。……理由ですか?そんなの簡単ですよ物語が好きだからです。結局のところそうなんですよ、きっと。皆も。私たちは物語が好きで好きでたまらないんです。愛していると言っても過言ではないくらいに。大袈裟だと思われてもいい、この物語を読めたから私は生きていて良かったと、そう思う日はこれまでだってあったし、これからも来る。物語は必要ですよ、私にとっては何よりも。……物語なんて、フィクションなんて、何の役にも立たないと言う人もいます。それはそれでその人の考え方だから否定は出来ないけれど、例えば誰かにとって不必要だとしても、私達には必要なことなんです。それを誰にも否定する権利なんてない。私達にとってはなくてはならないものなんです。物語は生きる支えにすらなってくれる。物語という世界を自分の中に持っていることは尊いことです。世界は自分達が今見えてるものだけじゃない、それはもう途方もないほどに本当の世界は広く多様だ。と、物語は教えてくれるんです、私達に。だから私は物語が好きです。これまでも、これからも」


 ねえ、貴方もそうでしょう?

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