僕は死ぬ
僕は今会社のビルの屋上にいる。
靴を脱ぎ、手すりの外側に。
僕は今から死ぬのだ。
会社に入社して約3年、僕は同じようなミスを繰り返し、仕事もろくに覚えられず、毎日上司に怒鳴られる。
そんな生活はもううんざりなのだ。
だから、死んでやろうとここにいる。
どうせ僕がいなくなっても何も変わらず世界はまわる。
ありがとう僕と仲良くしてくれた人たち。
ありがとう僕を育ててくれた親。
そしてごめんなさい。
僕は身をなげだした。
僕は死んだはずだった。
気がつくと、僕の知らない所にいた。
まるで漫画に出てくる様なすごく広いお花畑に。
空から子供が降りてきて僕に言うのだ。
「君は何しにここにきたんだい!?」
わけがわからない。
「いや、俺は会社の屋上から落ちて死んだはずなんだけど。」
「あー、そういう事か!君は君の世界で死を願った、そしてこの世界に迷い込んだわけだ。」
全然話が読めない。
たぶんここは死んだ後に来る天国的なとこなのだろう。僕はそう思った。
「ここはね…」
それからこの世界のことを長々と話された。
ここは日本ではないこと、そして魔法を使うことの出来るところであること、そしてある事を達成すると元の世界に戻るということ。
そのくらいしか理解出来なかった。
「何となくわかったけど、ある事ってなんだよ。なんか目標やミッション的なことがあるのか!?」
「それはね、君がまた生きたいと思うことだよ。」
「じゃあ、無理だな。」
僕は絶対にあんな人生に戻りたくない。
むしろ、魔法が使える世界にきたなんて夢でもみてるみたいでこんな所にいれるのならずっとこの世界で生きる方が幸せだと思った。
「ほんとこの世界に来るやつはろくな奴がいないな。僕がこの地の主になってから3人迷い込んできたけど、元の世界に戻ったのは1人だけだよ。」
元の世界に戻りたいと思うやつなんか普通いないと思った。
「とりあえずこの玉に手をかざしてみろ。」
僕は言われるままに手をかざした。
すると玉が光りはじめた。
「何なんだコレ!?」
「君は珍しい。緑は風、そして回復に恵まれている。」
すると、子供は僕にそこの花を元気にするイメージで手を当ててみろという。
するとその花は鮮やか色に戻りまるで今が1番元気であるかのように咲いた。
「これは!!」
「君はこれからこの世界で生きる意味を見つけなければならない。言い忘れていたけど、この世界は君たちがあまりいてはいけない所なんだよ。長くいると君はこの世界の一部となってしまう。」
「は!?意味がわからん!!もっと詳しく…あーーーーっ!!」
僕は落ちた。