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プロローグ
空は僕と正反対の表情をしている。
どこまでも続く青。曇一つもない快晴。公園のベンチからそれを見上げていた。子供たちのはしゃぐ声が耳障りだ。
風が僕の後ろから吹き、体を震わせた。そういえば、もう10月か。
携帯を取り出し、発信履歴から毎日かけている番号にかける。昨日も同じように電話をかけたな。
呼び出し音三回で彼女は暗い声で出た。
『もしもし』
「僕だけど」
『何よ。またあの話?』
「別れて、くれない?」
『何度も言ってるでしょ。私は別れる気なんてないの。じゃ』
めんどくさそうに勝手に話を終わらせ、虚しい音が耳に入ってきた。昨日も同じ会話をしたなぁ、と思いつつ、携帯をしまった。
人生に嫌気がさし鬱になってしまった僕。
あぁ、僕の日常はどこへ行ったんだろう。