赤と白のおじさん
ここは、とある研究所。
休憩中、今日も今日とて、博士さんと助手君の無駄話が始まるのです。
「真っ白おひげの~♪」
「ん?」
「トナカイさんは~♪」
「あれ?」
「いっつも皆の~♪」
「笑い者?」
「晒し者~♪」
「止めてあげて!?見かけで差別とか、トナカイ社会案外黒いっ!?」
「アレよ、裏で監督者のサンタの悪口とかゲラゲラ笑いながらしゃべってるのよ」
「何そのパートのおばちゃんみたいなの!?」
「『あのサンタ彼女いるのかしら?』ヒソヒソ『いるわけないじゃない、あんな男』ヒソヒソ『そうよね~、顔も収入もパッとしないし、チ●コもちっさそうだしね』ヒソヒソ『本人の器量と同じで』『ギャハハハハ!』」
「止めて下さいよ!? 僕の中のサンタとトナカイのイメージが崩れますから!」
「助手君のサンタのイメージって?」
「そうですね、颯爽とトナカイを操り、ソリに乗って飛んできて、煙突から家にこんにちはして子供達の靴下にプレゼントを入れ華麗に去っていく。こんなところでしょうか」
「時間的にこんばんはでしょ。あと、日本に煙突ある家なんてまず無いから」
「いや、そんなリアルなとこ突っ込まれても」
「それだと日本の古き良き銭湯か、きったない排気ガス出してる工場ぐらいにしかお邪魔します出来ないじゃない。それとも何、銭湯には入浴剤、工場には派遣労働者でもプレゼントしにくるわけ?」
「前半はともかく、後半は何か危ない人材派遣会社みたいですね」
「船の中のギャンブルに負けるとそうなっちゃうのよ」
「ジャンケン弱いと大変そうですね。でも、よく考えてみると、サンタって一歩間違えたら、不法侵入者で不法投棄者ですよね」
「まあそうよね。そもそも、サンタって何が始まりなのかしら?」
「最初は、貧しい人の家に窓からお金を投げ入れたのがルーツみたいですね。その時ちょうどお金が靴下に入ったみたいですが。名前はセント・ルイス、そこからサンタクロースになったみたいです」
「へぇ、最初はお金を投げ入れてたんだ。やっぱり、現物よりお金の方が良いわよね」
「いやらしい手と顔を作らないでください。グリーンランド国際サンタクロース協会公認の、サンタクロースになるためのテストもあるみたいですよ」
「どんなの?」
「まず、受験資格ですが、
①結婚している事
②子供がいる事
③これまで、サンタクロースとしての活動経験がある事
④サンタクロースにふさわしい体型である事
(衣装やその他の装備込みで、体重120kg以上)
らしいです」
「何一つクリア出来てないわね」
「試験では、体力測定や面接などがあるみたいです。今はアジアでは受け付けていないみたいですけど」
「意外に厳しいんだ。世界にサンタは何人いるのかしら?」
「120人ほどらしいです。日本にもいるみたいですよ。毎年、世界中のサンタが集まって行われる、世界サンタ会議がデンマークであるらしいですね」
「なにそれすごく行きたい! 白ひげとサンタのコスプレして忍び込んだらいけそうよね?」
「つまみ出されて下さい」
「サンタクロースの村があるって話も、聞いたことがあるわ」
「フィンランドのロヴァニエミというところにあるみたいです。一度行ってみるのもいいかもしれませんね」
「でも私、寒いとこ苦手なのよね。あと、休みは部屋でゴロゴロしてたいし」
「乾物女め。なら、サンタに手紙を出すというのもありですよ」
「確か、書くと返事がもらえるのよね? 書いて送ろうかな」
「用意するものは、①封筒 ②便せん ③国際返信用切手150円を2枚 ④110円切手1枚で、宛先はMr. Santa Claus Finland あとは郵便番号や自分の住所や国名、名前などを書けばOKです。ああ、住所の表記の仕方が少し特殊なので、あとは博士さんで調べてください」
「まあ、いいけど。本文は英語じゃないと駄目なの?」
「日本語でも良いですが、せっかくなので英語の方がいいと思います」
「困るわ」
「? 何書こうとしてたんですか?」
「サンタさんは1日に何回オ●ニーしますか? オ●ニーのオカズは何にしますか? あとついでに、トナカイは何回オ●ニー出来ますか?」
「小学男子みたいな質問書かないで下さい!? あと何ですかトナカイのオ●ニーって!?」
「角で」
「いや、え、角!?」
「そう、角。前のトナカイのアレを、後ろのトナカイの角がアレして、そのトナカイのアレを、そのまた後ろのトナカイの角がアレするわけよ。ほら、いわゆる、角兄弟?」
「穴兄弟みたいに言わんでください!?」
「でも円状になってするわけだから、オ●ニーじゃないか。トナカイの集団乱交? 群れてるし、ちょうどよくない?」
「何がちょうど良いかわからないんですけど。それに、どうするんですか、もしまかり間違ってサンタからまともな返事が来たら」
「zipでヨロ」
「画像を要求しないで下さいっ!」
「やあねぇ、冗談よ、半分本気だけど」
「止めておきなさい」
「あーあ、私にもサンタ来ないかなあ」
「良い子にしてれば来るって、親によく言われませんでした?」
「そんなの、親のサジ加減一つじゃない。私は、サンタはいると信じて疑わない、純真無垢な少女を12まで演じていたけれど」
「お巡りさん、悪女はここですよ。まあ、ねだりたくなる気持ちもわかりますけど」
「やっぱり、今の時代、サンタは待つモノじゃないわ。会いに行くモノなのよ!」
「北欧まで行く気ですか? 気をつけて行ってきて下さい」
「いや、行かないわよ。面倒くさいし」
「でも今、サンタに会いに行くって…」
「合コンでチョロいハゲのおっさん見つけて、プレゼントget!」
「全力で阻止します!」