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跳ねる羊

ここは、とある研究所。

休憩中、今日も今日とて、博士さんと助手君の無駄話が始まるのです。



「眠れない夜とか、助手君はどうしてる?」

「えーと、はじめてのチュウをします」

「あの、『やったー、やったよー』のとこ、寝ようとしてる時にいきなり聞かされたら、絶対寝られなくなる自信があるわ」

「僕が悪かったです。そうですね、有名なのだと、羊を数えるとかありますね」

「あれ、何で羊なのかしら。牛とか豚の方が好きなのに」

「食べる気満々じゃないですか。そんなんじゃ寝られないのもよくわかります。ちなみに羊なのは、元々外国から来た風習をそのまま日本に持ってきたからですね」

「そのまま?」

「はい、外国の人には、羊はなじみ深いみたいで、あのモコモコ感が安心するらしいですが、日本では羊はそんなに身近な動物でありませんから、かえって集中して羊を思い浮かべて、眠れなくなるようです。羊の代わりに、猫や犬などの、他の身近な動物を数えた方がいいかもしれませんね」

「へぇ、そうなんだ。で、助手君は眠れない時はどうするの?」

「僕は散歩したりしますね」

「幼女を求めて?」

「どんな人間なんですか僕は!? その時間は良い子は寝てます!」

「じゃ、悪い幼女を求めてだ?」

「本当にどう見られてるんですか!? あと幼女からいい加減離れて下さい!」

「ロリコンの変態…」

「心って案外、簡単に壊れるんですよ」

「仕方ないわねえ。で、何で深夜徘徊するの? ロリな女警官にでも捕まりたいわけ?」

「いや、夜の街って案外面白いんですよ。人通りも車通りも無い道路とか、動いてるものが信号しか無くて、なんだか幻想的ですし。車が来ないから道路に寝てみたり」

「え、助手君、車相手に生死を賭けたSMプレイやりたいの?」

「どんな超級者ですか!? 車の来ない道路に寝ていると、何だか世界に自分だけのような、世界が自分のものになったような、そんな気分がするんです」

「助手君」

「はい」

「それ、気のせい」

「わかってますよ!? 止めて、痛い子を見るような視線で見るのは止めて!」

「男の子って時々、結構馬鹿よねえ」

「そういう博士さんは眠れない時はどうするんですか?」

「二つのうちどちらかね」

「二つ?」

「一つは頑張って寝る。寝ないとキツい時とかは、こうするわ。ヒーリングの音楽や映像を視聴しながらね」

「ああ、自然を映した映像とか、クラシック曲とか、あとなんかゆったりした曲とかですよね。確かに、眠りたい時とか自然に眠れそうでいいですね。人間は視覚情報の処理に、脳のかなりの部分を使ってますから、眼をつむっているだけで、脳の疲労はある程度抑えられます。その状態で、リラックス出来る音楽をかけながら眠りにつくというのは、いいかもしれません」

「二つ目は、仕方ないからずっと起きてる。録画しておいたり、借りてたりしてた海外モノの長編ドラマとかをただずっと見てるわ」

「それも良いと思いますけど、それ多分、寝落ちするパターンですよね?」

「助手君も経験あるみたいね」

「はい、結構頑張って起きてるんですけど、完徹まであと二時間ぐらいのとこで、体が限界になるのか、電源が落ちたように寝てしまうんですよね」

「私、それで一度遅刻しそうになったことがあるわ」

「結構危険ですよね。仕事中もかなり辛いですし」

「でも、次の日の睡眠は格別よ」

「わかります、布団がすごく優しく感じられるんですよね。こう、全部受け止めてくれる、みたいな」

「まあ、体には悪いんだけどね」

「でも、眠れない時は仕方ない気もします」

「助手君」

「何ですか?」

「今度、私が眠れない時は、助手君にイタ電するから」

「本気で止めて下さい」

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