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きつねとたぬき

ここは、とある研究所。

休憩中、今日も今日とて、博士さんと助手君の無駄話が始まるのです。



「あーかいきつねと緑のた、ぬ、き♪」

「まーたそんな歌歌って。怒られますよ」

「なら、あーかい研ナ●コと緑のつ、●、じ♪」

「なんちゅうチョイスしてるんですか!? そしてそれ、明らかにつか●が研ナ●コ怒らせちゃってるじゃないですか!?」

「痴情のもつれで」

「●かじ浮気しちゃったんですか!? でもまあ、それならあんまり怒れないなあ」

「こら。まあそれはそれとして、赤いきつねと緑のたぬきよ、助手君!」

「はあ。なんですか? きのこたけのこ戦争みたいなことがやりたいと?」

「煽らないで! それで無駄に神経研ぎ澄まされちゃう人、周りにいるでしょ! こほん、今日は平和にきつねとたぬきに関して語り合いましょう」

「はいはい、わかりましたよ。赤いきつねが、油揚げとうどんの組み合わせ、緑のたぬきが、かき揚げとそばの組み合わせでしたっけ?」

「そうそう、私は赤いきつねの方が好きね。あの微妙にモチモチした麺を食べながら、合間にジューシーな御揚げをがぶり。そしてダシの効いたスープを飲む。この完璧なローテションは譲れないわ」

「薬味に唐辛子が入ってますよね。アレ、いつ入れます? 面倒なんで、僕はお湯を注ぐときに一緒に入れちゃいますけど」

「勿体ないわね。何であれが別に袋に入っていると思ってるのよ。五分経ってから、最後の最後に入れる、それで唐辛子の風味が引き立つんじゃない。まあ、気分で入れない時もあるけど」

「辛いのが苦手な人には、入れなくてもいいようになってるんですよね、アレ。あと、僕はきつねはいったん取り出して、出来上がってから最後に入れますね」

「え~。アレは、出来上がるまでの間に、スープを吸って膨らんだのを食べるのがおいしいんじゃない。口の中でジュワってするのよ、ジュワって」

「でも、ダシを吸い過ぎて、揚げ本来の味が薄まるのがどーしても許せないんですよね。ジュワって味わいたい時には、入れる時に砕いてますね。そうすると、最初に入れたほうは揚げ本来の味が楽しめますし、ジュワっとしたのを味わいたい時は、少し時間がたってから揚げを食べれば良いですし」

「それはしたことなかったわね。今度試してみようかしら。私は、市販の油揚げと刻んだネギをお湯を入れる前に入れるわ。ネギで少し野菜も取れるし、くせの無い味の油揚げで、二種類の御揚げが楽しめてお得よ」

「ふむふむ、なんだかんだで博士さんもちゃんと生きてるんですね」

「どーいう意味よ」

「今日は晴れてますねえ」

「思いっきり雨降ってるけどね」

「そして、僕はどちらかといえば緑のたぬきの方が好きですね」

「強引ねえ。まあ、聞いてあげましょう」

「二分ですね」

「? 確か緑のたぬきって、三分よね? 早過ぎない?」

「いえ、決して早いということはありません」

「駄目よ、最低でも二十分は我慢しないと。でも、一時間とかされても、それはそれでキツイものがあるのよねえ」

「そっちの話じゃないですから! こほん。二分で蓋を開け、取り出していたかき揚げをダシの効いたスープにシュート。一分後には、外はつゆだく、中はサクサクの食感のかき揚げが完成するのです」

「外がつゆだくなのはわかるけど、中もつゆだくでしょ」

「会話が成立しているかのように見せかけた、セクハラだな?」

「あ、バレちゃった?」

「もういいです」

「私、一時期、赤いきつねばっかり食べてた時期があるのよ」

「ああそれ、わかりますよ。一人暮らししてると、たまに料理も何もしたくない時がありますよね。それで、買いだめしておいたインスタント食品でずっと食事をし続けるとかありますね」

「で、そのとき思ったの。揚げ×うどん、だけじゃなくて、かき揚げ×うどんがあったらもっといいなあって」

「なるほど。確かに、飽きた時に違う取り合わせで食べられれば、新鮮に感じられますね」

「あ、ちなみにうどんは総受けね」

「聞いてません。それに、主食系は基本総受けな気もしますけど」

「今の発言は、主食系腐女子のお姉様方を怒らせたわよ、助手君」

「なんですか主食系腐女子って。いるとしてもニッチ過ぎますよ」

「主食系腐女子の間では、ソバ飯はどちらが受けでどちらが攻めか、熱く議論されているらしいわ」

「適当なこと言わないでください。ソバ飯は、……どっちだろう?」

「ちなみに、焼きそばパンは、焼きそば×パンだから。これは譲れないわ!」

「話を戻しますよ。ええと、組み合わせの話でしたっけ? 僕も、揚げ×そばの組み合わせは、是非食べてみたいですね」

「きつねとたぬきは、どっちが受けかしら?」

「正直どっちでも良いです」

「え、助手君、一つしか無いじゃない?」

「穴の話じゃないです」

「え、だってやおい穴」

「空想だ、それは」

「そう…」

「そんな目で見るのはやめて下さい。まるで、僕が博士さんをいじめたみたいになってるじゃないですか」

「真実よ?」

「パワハラを受けてるのはこっちですが」

「てへぺ」

「言わせませんよ」

「そういえば、あのスープ、関西と関東で味が違うらしいわね」

「ええ、そうみたいですね。東日本向けと西日本向けがありますね。赤いきつねは、北海道風もあるみたいです。緑のたぬきは、関西風が別にありますね」

「一度、違う方の味も食べてみたいわね。ネットで注文でもしようかしら」

「アマ●ンだと、各種注文できるみたいですよ」

「よし、買うか」

「研究室に持ち込もうとしてますね」

「何故バレたし」


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