親子
外に出ると、辺りは青白く霧がかかっていて、気を失う直前に見た景色と同じだった。
朝の天気では今日は快晴だったのにやっぱり不思議な天気だなあ。
不思議なところといえば天気だけではなく、周りにある建物や電柱も歪んで見える。私、相当に熱があるんだろうな。
そこへ、前から親子が歩いてきた。
「お母さん、今日は良いお天気だね。」
「そうね。お洗濯日和だわ。」
平凡な会話だ。
、、、って全然良いお天気なんかではないじゃないか。おじさんといい、言ってることがめちゃくちゃだ。
ん?そういえばさっきの、あべこべってのはやっぱりそのままの意味だったのかも。
ということは、、、
私はその親子に話しかけた。
「今日は暑いですね。」
「そうですね。風邪ひくようにね。」
やっぱり。今は12月で今日なんかすごく寒いもん。しかも、風邪ひくように、なんて明らかにおかしい。
更に私は聞いた。
「ここはどこですか?」
「ここは緑町だよ。お姉ちゃん、ここに住んでる人なんだ?」
???
「まあね。ありがとう。」
さっきの疑問って結局どういう意味?
逆なんだから、
「ここに住んでいない人なんだ?」
ってことなのか。
訳すの地味にめんどくさいな。
緑町は私が住んでる場所だし家は1階と2階が入れ替わっているだけで確かに私の家だ。
だけどここは私が知っている場所ではない。
あべこべの世界
という異世界に迷い込んでしまったみたい、、、。