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決裂

――知佳



やっぱりお母さんはこのお店に入るんだ。私は少し距離を置いてお店に入った。

結局買い物中は何も変わったことは起きず、、、。帰り道にも何も起きず、、、。なんだ、やっぱり嘘ね。本当、酷い嘘、、、。


そのあとしばらくして夕食を食べてお風呂に入って寝た。



表に表れるのを防いでいた、私の中のモヤモヤした気持ちを蓋していた栓がパンッと外された気がした。




――翌日 千尋


よし、今日はなにがなんでも知佳に影の世界を実際に見てもらわなくちゃ。

それにしても、珍しく朝の支度がスムーズに進んで、、、うん、今日は遅刻しないですむな。



早く起きて余裕があると思ってもなぜかギリギリになっちゃうんだよね。逆に寝坊した日に必死で支度すると間に合うっていう。だから今日みたいに寝坊もしないで、なおかつ余裕を持って家から出られるなんて本当に珍しいんだ。何か起きなきゃいいけど。ま、そう言って何か起きたためしはないんだけど。



学校に着いたのは朝礼の10分前。はっやーい。

「やっほーいッ。」


「あれ、珍しい。遅刻魔がこんな早くに来るなんて。」


「え?知佳、早いね。、、、ってほぼ全員いる、っていうか全員座って勉強してる、、、。」


「いつもだよー。」


「って知佳も?」


「もちろん。」


「えー、うっそー。知佳って真面目だったの?!」


「真面目っていうかテスト心配じゃん。」


「あー、もうすぐ期末テストか、、、。でも大丈夫じゃない?」


「、、、そう?」


「そうだよ。まあ、赤点取っちゃったけど現社だけだし。」


「、、、。」


「私も知佳もそれなりに点数取れるし。あ、てか知佳はそれなりじゃなくてめっちゃくちゃ成績良いじゃん。」


「あのねえ。千尋はそこまで勉強しなくてもそこそこの点数はとれるけど私は頑張らないとそこそこの点数もとれないのよ。それが千尋の倍だったらもっと成績を上げるには更に倍勉強しなくちゃいけないの。」



ん?なんだろ。さらっとキレられてる?



「あ、ごめん。今のは忘れて?なんか私、疲れてるみたい。」


「う、うん。」


「あ、それよりさ。昨日の話やっぱりデタラメでしょ。」


「え?あ、違うっ。本当だよ!!」


「千尋も疲れてるんじゃない?」


「違うよ、本当に。だから、今日一緒に、、、。」




ガタン――


「ちょっとトイレ行ってくるね。」


「え?あ、あー、うん。」



どうしてあんなに怒ってるんだろう、、、。

知佳は頭がよくて学年でトップ10にはいつも入ってる。そんな知佳と適当な私が仲が良いのは、、、なんで仲良くなったんだろう。

そう。入学して早々学校全体が既に勉強モードなことに驚いて、でも同じように目を丸くしてドアの前に立ちすくんでいた知佳と意気投合したんだ。だから知佳も私と同じで勉強なんて適当にやって、それでも点数はとれるっていう人なのかとずっと思ってた。



ていうか、どうしよう。このままじゃ知佳を連れていけない。酒井さん、知佳早く来てーー。



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