アンデッド
この物語を読むに時に読者の皆様に気をつけて頂きたい、事柄がある。この物語はアブストラクト、つまり抽象的な日常を描いた物語。いまある常識を全て捨て去り読むことを、強く推薦する。また残酷極まりない行動をとる主人公たちが許せない方々は読むことをオススメできない。
この物語に出てくる人物たちは少なからず精神的におかしく、読者の皆様に悪影響を及ぼす可能性もある、それでも「大丈夫だ、問題ない」という方はアブストラクトデイズをお楽しみ頂ければ幸いである。
※横にして読んで下さい!
夕暮れ時、うるさい蝉の合唱が街に響き渡る、僕は日が暮れて夜になる前に家の玄関に到着した。家の中の状態は朝と全然変わらない、僕は靴を脱いで狭いワンルームの冷蔵庫を開けて、インスタントカップラーメンを取り出す。普通インスタントカップラーメンは冷蔵庫では保存しないが、僕は物をそのまま放置するのが余り好きではない為、冷蔵庫に入れてる。
蝉の合唱が締め切った窓越しに部屋の中へ響き渡る、僕はやかんに水を入れる、そしてコンロで加熱。中の水が沸点に到達する、やかんの注ぎ口から、沸騰した水の湯気が出る。
カップラーメンの蓋を半分まで開け、お約束の如くお湯を注ぎ三分待機。僕は割り箸を取り出し、カップラーメンを小さなテーブルへ運び、割り箸を割る、割った割り箸の片方を右手に、もう片方を左手で持つとテーブルを割り箸で叩く。
「テーブルドラム、なんつって」
一人でカップラーメンを待つ時によくやる、どうでもいい行動。他人がいる時にやると確実に変人扱いされるから、あんまりオススメしない。
「三分たった」
僕は、カップラーメンの蓋を全開にするのと、同時にテレビのリモコンを手にとって、スイッチを入れた。テレビの映像に映るニュースのアナウンサーは誰も頼んでないのに話し出す。
「今日、午前二時頃、またも通り魔が出没しました。」
最近通り魔が有名だ、クエスのサークル、確かアンデッドヒーローズだったかな、東京都の安全をどうとか言ってだけど、この事件は対象にしてないのかな?
「吸血鬼ね、吸血鬼…」
クエスが今対象にしてるのは見たことも、聞いたこともない吸血鬼の事件だった。クエス曰わく、吸血鬼は対象人物の血を全て吸い上げて殺してしまうらしい、吸血鬼は血を吸わなくても生きていけるが、血を吸うという欲求は、彼らが進化の過程での間違いか、ある時当たり前のように、血が欲しくなってしまうらしい。
そうなったらもう止めようがない、だが無論放置する訳にも行かないから、奴らを倒すしかない。非常識と言えば非常識だろう、だがクエスのサークルは何度もやってきた事らしい。東京都に残る吸血鬼はあと残り少ないとクエスは言っていた。
「麺伸びちゃった、いいや味に変わりないし。」
僕は伸びたラーメンを口で吸っていく、具がようやく見え始めた頃には、外は真っ暗闇になっていた。
「ふぅ、食いきった…寝るか、明日もあの場所にいかなきゃだし。」
僕はクエスから、もらった合い鍵がポケットに入ってるのを思い出し、ポケットから取り出しテーブルの上に置いた。今日は疲れたもう寝よう。
ツライ、ツライヨナ、アナヲウメルニハ、ウバウシカナイ。
お前は誰だ。
オレハ、オマエサ、ワスレチマッタカ? オマエハ、オレニイツモ、ソンヲオシツケルノニ。
なんの事を言ってるんだ、悪いな僕は昔のことなんて覚えちゃいない。
イヤ、オボエテルサ、オレヲウミダシタノハ、オマエガ…
気味の悪い声がノイズにかき消された、頭が痛い。僕は周りを見る、よく夢に出てくる暗い人気のない、夜道。
ポケットに何か入ってる、まさかまた、予感は的中した、ナイフだ。
後は同じ、全部同じ、誰がを見つけたら……。
「うわぁ!またこの夢かよ、勘弁してくれ。」
布団から上半身だけを絶叫と共に起こす、また体がだるい、締め切った窓のカーテンから朝日が差し込みハウスダストを写し出す。僕はゆっくりと立ち上がり、カーテンを全開にし窓を開けて部屋の空気を入れ換えた。
ふと、布団の方を振り返ると、加奈子姉さんが布団で寝ていた…。
まて落ち着け、振り返り方が悪いから異空間を見てしまったんだ、落ち着いてもう一度、振り返えるんだ。
「これが現実空間だぁぁぁ!」
マンションで朝から絶叫する少年がそこにいた、ていうか僕だった。
「ん~?アズ起きた?」
起きました、あなたのおかげで絶叫もしました。
「何で僕の部屋にいるの?」
「心配になって来ちゃった☆」
笑顔が眩しい、だがそれと同時に腹立たしくもある、人の家にかってに入るなよ、まったく。
「夜中に家を抜け出して、アズのところに遙々来たお姉ちゃんに、そんな怖い顔向けないでよ、大体アズが鍵を掛けないのが悪いんじゃん」
「それ以前に人の家に勝手に上がり込むのは非常識だと思うが」
僕が正論を返すと、かなねぇは顔を膨らまして、そっぽ向いてしまった、困った姉だ。
だが、朝食はかなねぇが作ってくれた。
「おいしい?」
「ああうまい、ひさびさだな、かなねぇの手料理は」
「毎日来て作ってあげようか?」
僕は首を思いっきり横に振って答えた、かなねぇは捨てられたら子犬の様にしょんぼりとした顔になる。朝食を食べながら、かなねぇが質問してきた。
「ねぇ、アズ最近夜中に外を歩いたりしてない?」
質問をした、かなねぇの顔は少し眉間にシワがよっていた。
「してないよ、夜中はいつも寝てる」
「そう、ならいいんだけど」
最近の夜はなにかと物騒だから出歩かない、そんなのは当たり前の事だ。当たり前と言えば、警察はまだ通り魔を捕まえられていない、普通なら夜中のパトロールを増やしても、おかしくない筈だ、何故増やさないんだろう、増やせばもっと沢山の情報量が手に入るはずなのに。
そんな事を考えていたら、朝食を食べ終わり、食器はかなねぇが洗ってくれた。朝のいつもの日課のでノートパソコンを開きチャット画面を起動、かなねぇが覗き込んでくる。
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正和「やぁ諸君」
奈落「た、大変だぁ!」
ペルシャン「どうした!?」
正和「落ち着け、そして深呼吸だ」
奈落「道路封鎖だぁ!事件があったらしくて、いつもの仕事場に向かうルートが、なんてこったぁ!」
正和「お気の毒に」
ペルシャン「事件の詳細は?」
奈落「わからないです、でもブルーシートで覆われてる辺り、多分殺人かな?」
ペルシャン「ジザリの被害者?」
正和「ひぇぇジザリまたジザリか」
奈落「ジザリではないです、ジザリだったら今頃マスコミが殺到してます、マスコミどころか警察官の人の方が多い感じで、なんかやばそうなんでもう行きます。」
ペルシャン「お気をつけて」
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チャット画面を閉じる、かなねぇがテレビのスイッチをいれると同時に、蝉のうるさい合唱が始まった。相変わらず飽きもせずどうして蝉たちは鳴けるんだと、呆れた感じで誰かに質問したくなるほど、うるさい。
「さっきのチャットの道路封鎖の事ニュースではやってないね」
かなねぇがチャットをどこまで見ていたか分かる言葉を吐く。
「また今日もジザリの方か、さすがに飽きた。」
今のところ、この事件は一日一人殺すペースなのが分かる、こんな事をする人間の気が知れない。
「あ、もうこんな時間だ、部活遅れちゃうじゃあね、アズ」
「おう、気をつけろよ」
時刻は、午前七時を刺していた。僕は、かなねぇが家を完全に出たのを確認し、昨日テーブルに置いた合い鍵を取る、そして最近あまり使ってない携帯電話を開いた。
「メール来てる、全部かなねぇからだ ちょっと悪い事しちゃったな」
受信メールは十件を超えていた、全部僕を気づかった文章のメール、後でしっかり返信してあげないとな、かなねぇが可哀想だ。
さて僕もそろそろ行くか、家を出て鍵をちゃんと閉める、いつも通りの夏らしい外の暑さにも慣れてきた、アスファルトの地面から陽炎が立ち昇っている。
秋葉原に約数十分、そこからさらに数十分ビルの密集地帯を歩くと、やたら高いビルに行き当たる。その高いビルの最上階が、クエスが居るアンデッドヒーローズの活動場所。ビルの中はかなり空調が良い、涼しい。
僕はエレベーターに乗り最上階のボタンを押して、エレベーターの轟音に揺られながら目をつぶって待つ。
到着を知らせるベルの音がやがてなり、目を開けてエレベーターの外へ出て、合い鍵を使い、目の前のやたら広々とした、豪華な部屋へ入る。
中に入ると昨日はいなかったメイドさんが出迎えてくれた、驚いたこのメイドさん本物だ!
「お待ちしておりました、成瀬様。こちらで、クエス様がお待ちです。」
メイドさんが案内してくれる、案内された部屋、そこにはクエスとツインテールのメガネをかけた女子高校生らしき人物とスーツを着た大人の女性がいた。
「きたか、貴様を皆に紹介しよう、格ゲーで私に勝った、成瀬東だ。今日から諸君らの仲間として、東京都にはびこる怪事件を解決するアンデッドヒーローズの一員だ。」
クエスが大変適当な僕の紹介をする、僕の後ろに立っていた、メイドさんが前に出てきて丁寧な一礼をし、自己紹介を始めた。
「私は、桐生奈良と申します。」
「よろしく奈良さん」
なかなか礼儀正しい人だ、それに結構可愛い。
次にスーツ着た女性が口を開いた。
「佐藤萌美だ、主に戦闘を担当してる」
「戦闘って吸血鬼とかと?」
「そうだ。」
真面目そうな人が吸血鬼の存在を認めてる、クエス少しでも疑ってすいませんでした。
次にツインテールの人が自己紹介をした。
「雪村楓です、楓ちゃんて呼んでね、私は主に情報収集だよ」
全員各々の自己紹介を聞き終えて思った、僕以外女の子、それも極上に可愛いじゃないか!! 生まれて十七年、僕はずっと自分の人生は谷しかないと思ってた、不幸だと思ってた。
だけど、今ようやく山、つまりは幸福の頂点にいるような気がした。やったこれが噂のモテキ! 人生山あり谷ありだよ、あれ使い方間違えた?
「よし諸君、新人を加えて仕事だ」
どうやら、クエスはここでリーダーのようだ。完全に仕切ってる、厨二病の癖して結構みんなからの信頼厚いようだ。
「東君、これ渡しておくね」
雪村さんが僕にドラ○ンレーダーのような、丸い物を渡した。
「吸血鬼探知機だよ、クエスちゃんがワックのハッピーセットのおもちゃを改造して作ったんだよ」
まじか、クエスがどや顔でこちらを見てくる、まぁ誉めてあげよう。
「クエス、すごいな」
「心にもない言葉をどうも、仕事の内容だが、吸血鬼をこの町から根絶するまであと少し、残り三体だ」
クエスは吸血鬼探知機を片手に喋る、僕も吸血鬼探知機をクエスと同じようにしていじり起動させると、ドラ○ンレーダーのように目的の存在がある場所に矢印は方向を向いていた。ここからは遠いようだ。
「残り三体はかなりやっかいだ、知能が高く身体能力も尋常じゃない、そこで、アズ貴様の出番だ」
クエスは僕を指で指す、この眼帯少女はなにを言い出すんだ?
「まて、クエス彼は戦闘が行えるのか?とてもそうは見えないぞ」
「我の目で見た限りは可能だここにいる誰よりも強い、戦い方を教えてやれモエ。」
佐藤さんとクエスの会話を横で聞く僕、佐藤さんが僕を怖い目で見ると手招きをした。僕は手招きされるまま、佐藤さんについて行って気がつけば。ビルの外にいた、相変わらずの暑さ、朝と変わらずに蝉たちが大合唱。
「あの佐藤さんこれからどこに?」
「モエでいい」
歩きながら、呼び名を教えられる。彼女はクールだ無駄口が一切ない、しばらく彼女に連れられてやってきたのは、路地裏のまったく使われてない朽ちた、バスケットコートだった。人気がまったくなく、蝉の鳴き声も聞こえない。
「さぁ始めるか」
その言葉を吐いた瞬間、モエは僕の腹部にパンチをえぐり込ませた。
「かはっ! 痛い、なにするんだ!」
モエは黙って次の一撃を入れる体制に入る、蹴りだ。蹴り飛ばされ吹き飛ぶ僕、どんな脚力してるんだ?
痛い、もういやだ何でこんな目に僕が。
「戦え、東これから生きるか死ぬかの戦いに巻き込まれるのにそれじゃ即死だぞ」
どうしたらいい、これじゃ吸血鬼とかの前に、彼女に殺されかねないぞ。
「畜生やればいいんだろ!」
僕は立ち上がり、彼女が次どう来るか予想する。
「距離が離れていれば、こういう攻撃も可能だ」
彼女は懐から何かを取り出した、それはナイフ、まさか!?
「ほら、いくぞ」
やっぱりね、投げて来た、だが甘いナイフの扱い方じゃ僕の方が上だ、僕はポケットに入っていたナイフでモエの投げたナイフをはじく。鉄のぶつかる音がバスケットコートに響く。
「さぁ、ここからは本気だ」
「やる気になったか、いくぞ!」
「クエスちゃん、二人どうなってる」
「アズが本気になった、我はやはり見誤ってなどいなかった! 彼はサヴァンシンドローム、それも今までにない例だ!」
モエがナイフを拾う、ナイフは朽ちたバスケットコートに垂直に刺さっていた、そして逆手持ちで構える。
「そういう構えも有りか」
僕はモエと同じ構えをする、さぁ来てみろ、一瞬んで決めてやる。
「うおおぉぉぉ!」
モエが突っ込んで来る、だが今の僕にはその動きが水中に没したかのように見える、つまり超低速の世界。
キィンと言う金属のぶつかる音、数秒してから僕はナイフをポケットにしまい、振り返る。モエの手元からナイフは吹き飛んでいて、何処かへ行ってしまった、そして次の瞬間モエの服がビリビリに破ける。
「キャァァァァァァァァァァ!」
叫び声、何故かその声は僕にとって安心できた、モエは恥ずかしそうに、両手で体を覆う。さてこの後どうすればいいのだろう。
「私の負けってことね…で、でもこれは、酷い」
あ、どうしよう泣きだしてしまった、悪い事したかな? そうだよな悪い事した。彼女の肌は雪のように白く透き通ってて綺麗だ。
「正直すまんかった」
ため息を吐きながら謝罪、心から謝罪、しばらくしてメイドの桐生さんが来て、モエに新しいスーツを渡した。
「お着替えを、お持ちしろとクエス様から言われて参りました」
「やっぱりクエスは見てたか、あの眼帯の下の何もかも見通す目で」
クエスの眼帯の下の目は青いカラーコンタクトでも入ってるかと思ったが、何やらすごい秘密があるようだ。
モエが、スーツを着てから朽ちたバスケットコートを僕達は後にし、ビルの最上階へ戻った。
「アズ、見事だったぞ私もこの目を持った甲斐があったというものだ」
そりゃ良かったね、モエは精神的にかなり傷ついてるんだけど、慰めてやれよ、誰か。
「私は先に家に帰る、今日の事を早く忘れたい、スーツが…スーツが…」
裸をみられた事より、スーツを破かれた事の方が堪えている様だ、変わった人だ。
「アズ、お前あのナイフの技をどこで?」
「まて、何故僕のナイフのことを?」
クエスの一言がモエの言った、言葉を思い出させる、まさか言葉通りの意味ってことか。
「ああ、そういえば我の目の説明がまだだったな」
そう言ってクエスは眼帯を外す、前にも見た事のある筈の瞳が、一瞬恐ろしく思える。
「この目は人間に限り、その者の本質や能力といった、あらゆる情報を見抜く事が可能だ、それ以外にも遠くを見渡したりできる」
その目でさっきの戦闘もまさか、見ていたっていうのか。
「だがこの目は制御不能、故に我は眼帯をしている。」
クエスは眼帯をし直す、外はもう日が暮れ始めた、蝉たちの鳴き声が若干ではあるが静かになる。
「嘘じゃないみたいだね、僕のナイフ技は昔、祖父がやっていた事の見よう見まねさ。」
自分でも見よう見まねで、できる範囲じゃないのはわかっているが、昔から何かを教えられると、一瞬で覚えられるから便利な頭だと、楽観視してきた。
「クエスちゃん吸血鬼達の詳細位置と行動パターンがまとまった、やるなら明日がオススメかな」
部屋の片隅に置いてある、パソコンに向かっていた雪村さんが、クエスにプリントアウトした紙を渡しながら言う、ふと見たパソコンのデスクトップの壁紙にはエロゲーのエロシーンのCGが…。
「東君のエッチ!」
「え? なんで?」
「乙女の秘密をそんなに凝視しないで」
「す、すいません」
何故か謝ってしまった、最近は女性でもエロゲーを…男性の場合使用目的があるから買うのが大半であるが、女性はいったい何が目的で買うのだろう。まさかとは思うが使用目的が! そんな訳ない、ある筈がない。
「どうだ? そのゲームどこまで進んだ?」
「うーんまだ、同人誌のネタまではこぎつけてないなぁ」
そういえば、このサークルには世を忍ぶ借りの姿がどうとか、クエスが言っていたのを思い出す。
もう今日は帰ろう、日も完全に落ちてきた。
「じゃクエス、僕帰るね」
「気を付けて帰れよ、明日は初仕事だからな、ゆっくり休め」
明日か…少しだけの不安と好奇心が胸で渦巻いた。メイドの桐生さんが送り出してくれた。
午後十時、僕は自宅まであと数百メートルという地点まできた、今日は大分帰りが遅れてしまった。
「うわぁぅぐっ」
急激な頭痛がいきなり僕を襲う、あまりの痛みに、地面にのたうち回る。
ナニヲシテル? ナゼコロサナカッタ? アレダケノモノヲ。
またお前か、あれだけの物?
ソウダ、コロシタクテタマラナカッタロ、ナニヲガマンシテル。アナヲウメルニハ、ウバウシカナイニ。
うるさい黙れ!黙れ黙れ黙れ!
ナラココデ、カワリヲサガセ、ホラ、イタゾ。
声が指し示した方向には会社員風の男が歩いていた、僕はナイフを右手に、今日見たモエの構えで、そのまま。
ピシャリ
「なん…だ、なんだよこれ」
会社員風の男は原型をほぼ留めていない形で、内臓を何かにえぐり出されていた、僕は右手のナイフを見る、血がはっきりついてる、不思議と自分の服には返り血はなかった。
なんだ、他に誰もいないってことはこれは僕が! いや違う!
ものすごい吐き気がする、僕はその場を走り去ることにした。家まで全力疾走。その後そのまま、僕は家で気を失った。