ちっちゃなうさぎ
寂しいウサギ、一人ぼっち
1人で泣いて、お目目は真っ赤
お目目真っ赤で、震えてる
『誰か、傍に、居てください……』
ちっちゃなウサギは恋をした。
ちっちゃな身体で精一杯恋をした。
けれども、相手はウサギが憎くて
ついにウサギを殴り捨てました。
愛することが幸せだった、ちっちゃなウサギ。
痛めつけられ、疲れ果てたその身体で、
ちっちゃなウサギはふと、月を見上げました。
「……愛してくれるなら、誰でもいいのです」
ちっちゃなウサギは、望まないことにした。
愛を渇望するから、あんなことになった。
ちっちゃなウサギは、声をかけてくれる人に
精一杯の笑顔を振り撒きました。
「だって、嘘でも遊びでも、傍にいてくれるんだもの」
可愛いだとか、いい子だとか、言われてウサギは微笑んだ。
頭を撫でて貰えて、嬉しそうに彼らに懐いた。
愛するよりも、愛されたい。
ちっちゃなウサギは、誰でも良かった。
傍にいて、適度に構ってくれるのなら。
嘘でも構わない、傍にいてくれるのは事実。
遊びでも構わない、傍にいてくれたのは事実。
愛することに、疲れたのです……。
だって、ウサギは寂しすぎると死んでしまうから。
ウサギは、満たされました。
けれど、本当に心の底から満たされていたわけではありませんでした。