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DESTINY

ちっちゃなうさぎ

作者: 把 多摩子

寂しいウサギ、一人ぼっち

1人で泣いて、お目目は真っ赤

お目目真っ赤で、震えてる


『誰か、傍に、居てください……』


ちっちゃなウサギは恋をした。

ちっちゃな身体で精一杯恋をした。

けれども、相手はウサギが憎くて

ついにウサギを殴り捨てました。


愛することが幸せだった、ちっちゃなウサギ。

痛めつけられ、疲れ果てたその身体で、

ちっちゃなウサギはふと、月を見上げました。


「……愛してくれるなら、誰でもいいのです」


ちっちゃなウサギは、望まないことにした。

愛を渇望するから、あんなことになった。

ちっちゃなウサギは、声をかけてくれる人に

精一杯の笑顔を振り撒きました。


「だって、嘘でも遊びでも、傍にいてくれるんだもの」


可愛いだとか、いい子だとか、言われてウサギは微笑んだ。

頭を撫でて貰えて、嬉しそうに彼らに懐いた。

愛するよりも、愛されたい。


ちっちゃなウサギは、誰でも良かった。

傍にいて、適度に構ってくれるのなら。

嘘でも構わない、傍にいてくれるのは事実。

遊びでも構わない、傍にいてくれたのは事実。

愛することに、疲れたのです……。


だって、ウサギは寂しすぎると死んでしまうから。


ウサギは、満たされました。

けれど、本当に心の底から満たされていたわけではありませんでした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 切ないです。 泣きます。
[一言] はじめまして。読みましたので感想を置いて行こうと思います。  短いけれど、わかりやすい。その中にある複雑さ。  何かの序章や続きも作れそうな詩(童話)でした。  短い中に愛の難しさ、愚かさ…
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