再び・・・
ピーピーピーピー。
しばらくしてヘリから緊急用のアラームが聞こえた。
ここは異世界。このアラームを使えるのはあいつしかいない。いろいろあってすっかり忘れていた。
「シャル、ヘリからPC・・・四角くて黒色の薄いやつを取ってきてくれないか。俺が座っていた隣の席にあるはずだ。この音はほっておいておいていいから。」
「分かった。取ってくるね!」
アラームに驚いていたシャルに頼む。自分で取りに行ったほうがアラームも消せるしいいのだができない理由があった。
「ぁ・・ぅ・・」
腕の中で顔を赤くして固まっているノエルが原因だった。
まだおもらしをしているということが俺にばれた後、ノエルは俺の必死の努力によって泣きはしなかったものの俺と一緒にいることに耐えられなくなったらしくヘリを飛び出し森の中に逃げようとしたのだ。
普通ならば放っておくのだがここは見知らぬ森の中。しかも奥深く。
何か不測の事態が起こるかも知れなかったので追いかけて捕まえ、外に出ていたシャルのところまで引っ張ってきた。
そしてノエルに理由を説明しつつ手を離したのだが、またすぐに逃げようとしたので後ろから抱きついて止めた。
そうしたらノエルは足に力が入らなくなったらしく自力で立てなくなり、同時に呆けてしまった。
放っておくわけにもいかず、シャルに任せると逃げられる可能性もあったので俺が介抱していたのだ。
「これでいいの?」
さっきの出来事を思い出しているとシャルがPCを持って戻ってきた。
「ああ、これでいいよ。ありがとなシャル。」
「えへへへ。ほめられちゃった。・・・ていうかお姉ちゃん!そろそろユートから離れてよ!」
「・・・ふぇ?」
「ほ~ら。早く!」
引っ張られていくノエルとシャルを見ながらPCを開く。
予想通り自称オペレーターが画面に映っていた。
「やっと出てくれたね~。いや~まだ間に合うかな。大丈夫かな?」
前の時と同じでジャージ姿だったが少し困った表情をしている。
「なんですか!?今、男の人の声が聞こえましたよ!」
いつの間にか復活していたノエルが驚いて周りを見渡していた。
「あ!ユートの持ってるものに男の人が映ってるよ、お姉ちゃん。」
シャルが画面の自称オペレーターに気付いて後ろから画面を覗き込んできた。
「本当です。板に男の人が映ってます。」
ノエルも続いて覗き込んでくる。
二人の顔を見た瞬間に自称オペレーターの表情が変わる。
「な~んだ、もう保護してたのか。心配して損しちゃったな~。」
少しつまらなそうな表情でしゃべる自称オペレーター。
「ユート、この人だれ?知り合い?」
シャルが興味津々といった顔で聞いてくる。なので俺は正直に・・・
「いや、全然知らないやつだ。」
と答えた。
「いやいや、確かに今日初めて会ったし名前も教えてないけどそんな言い方しますかね、普通。・・・ま、ちょうどいいから自己紹介しておきましょう。『ザック』って名前です。ど~ぞよろしく。」
自称オペレーター改めザックは画面の中で頭を下げた。
「ザックさんですか。私はノエルといいます。」
「シャルロットだよ。シャルって呼んでね!」
ザックの自己紹介に対して二人が答える。律儀に答える必要性はないような気がするのだが。
「さてと、この世界についての説明がまだ終わってなかったよね。とりあえず説明するから質問は最後にしてね~。」
それからザックによるこの世界についてなどの説明が始まった。
世界について
ここは魔法の存在する世界でアフリカ大陸ほどの大きさの大陸『メノウス大陸』が一つあるくらいの小さな世界。海対陸の割合が4対6というほど小さい。メノウス大陸は中央に大きな湖がありその湖を囲むように陸地があり、その外側を海が囲んでいるという感じになっている。海や湖にはいくつかの島が浮かんでおり、その中でも大きな島には国ができている。
この世界には人だけでなく魔人や魔物が存在し、科学力は中世ヨーロッパほど。魔法が存在し、誰でも使えるが力の大きさは素質で決まる。
人と魔人の違いは魔力の大きさや髪などの色くらいで肉体構造は大して変わらない。
けれども、人と魔人の仲は地域によって異なる。特に南部では魔人の数が少なくあまり理解されていないので人が魔人を怖がっていて戦を仕掛けていたりする。
人も魔人も大陸全土に住んでいる。北部はいくつかの国々が集まって魔国が。南部には人だけの国がある。また、中央の湖に浮かぶ一番大きな島には魔人と人がほかの国の干渉をほとんど受けずに暮らしている。
ギルドと呼ばれるものがあり、そこで依頼をこなせば報酬をもらえる。人とか、魔人とか関係なく登録できるが種族によって報酬金額が少し変わる。
現在、南部のノイリアスという国で勇者が召喚され、人だけの国で魔人排斥の機運が高まり魔人排斥同盟が結成され、魔国に対して同盟軍が戦を仕掛けた。
勇者の力が強かったことと、魔国の首都のあるサラビエラ王国が東部の少し南と近い位置にあったので、同盟軍は一気に進撃し魔王の城へ攻撃した。
城は陥落。
魔王は勇者に深手を負わせたものの死亡した。勇者は回復魔法によって傷を癒やしている最中らしい。
そして、ノエルとシャルは魔王の娘だということだ。
「やはり、お父様は・・・。」
話を聞いてノエルとシャルは落ち込んでいた。事前に知っていたようだが信じ切れていなかったようだ。
二人はそっとしておいて俺はザックに聞きたいことがあった。
「この世界についてはわかった。俺をこの世界に呼んだ理由は?目的は?」
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