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待ち伏せと出会い

「ふう。やっとお出ましだ。退屈しちまったぜ。」


巨漢は腕をぐるぐると回しながら首を左右に振っています。


「や、奴は、『戦狂いのクラドギア』!何故こんなところに!?」


兵士の一人が狼狽して独白しています。私も詳しくは知りませんがクラドギアとは素手で敵を何人もなぶり殺しにしたという同盟軍の将軍の名だったはずです。


「何故って、聞かれりゃ答えるが。あそこにいる魔王の娘を捕まえるためさ。あの勇者殿はどうやらその二人がほしいらしくてな。今のうちに恩を売っておくためにここで張り込んでたってわけだ。」


「な!?脱出路の出口は秘密のはずで…。」


「あーもう。うるせえんだよ。ザコは死んでな。」


言葉をいい終わらないうちに巨漢…クラドギアは右手をあげました。

同時に何十人もの弓兵が四方から現れました。

何回も風切り音が聞こえ、気づいた時にはあれだけいた近衛兵が全員バタバタと倒れていくところでした。


「お姉ちゃん!」


驚き、恐怖しながら固まっていると後ろから抱きついてくる私よりも小柄な体。シャルロットでした。どうやら敵の弓兵は近衛兵たちだけを狙ったようです。


「さてと、邪魔者もいなくなったしとっとと連れて行くかな。」


言い終わるとクラドギアはゆっくりとこちらに近づいてきました。


「こ、こないでください!」


勇気を振り絞って、大声をあげましたがクラドギアは一向に歩みを止めようとはせずに、口元にうっすらと笑みを浮かべました。


「別に殺そうってわけじゃねーんだよ。ただ縄でぐるぐる巻きにして勇者殿のところに連れてくだけだからよ。」


「お父さんが知ったらただじゃ―――」


「がはははははははは。」


「きゃあ!?」


シャルロットが言った言葉を聞いた瞬間、クラドギアは笑い出しました。


「ははははは……ゲホッ、ゲホ。なんだ、お前らしらねーのか。」


「な、何のことよ!?」


クラドギアはシャルロットの問いかけに対してニヤリと笑うとうれしそうな表情で口を開きました。


「てめーらのお父さんとやらはついさっき勇者殿に打ち倒されたぜ。まあ、勇者殿も大けがを負ったって話だけどな。」


クラドギアの言葉の後半部分は頭の中に入ってきませんでした。



お父様が負けた……。


「そ、そんなこと、あるわけ………ないもん。」


シャルロットの声をどこか遠くで聞いているような感覚。


「がっはっはっは。そりゃあ信じたくねーわな。だがな、嬢ちゃん事実なんだよ!変わりようのないな。」



私たち姉妹に厳しくも優しかったお父様。

シャルロットのわがままに苦笑しながらも、付き合ってあげていたお父様。

お父様との思い出が浮かんでは消えていく。



そうしている間にもクラドギアは近づいてくる。


「いやぁ、こないでえぇぇぇぇぇ。」


シャルロットの悲鳴が聞こえ、大きな手が私のほうへ伸びてくる。


もう、終わりなのでしょうね。


「ぐはぁ。」


自分の人生を諦めようとしていた私の目の前でいきなりクラドギアの巨体が吹き飛びました。


「大丈夫か?」


代わりに立っていたのは、真っ白い髪と肌。赤い瞳にきれいに整った顔立ち。黒いコートとズボンを着た身長180センチくらいの男の人でした。




数分前

ユートSIDE




城で起こったあの爆発のことについてしばらくあの場所で考えていたのだが結局のところ、まったくわからなかった。

ここは異世界らしいし、俺の知らない兵器があるのかもしれない。

剣や弓を使っているやつらがそんなものを持っている確率は低そうだけれど。

とりあえず、爆発のことはあの自称オペレーターに聞くことにした。

あいつも一応悪い奴には見えなかったので信用しておくことにする。

情報は選別する必要がありそうだが。


考え事をしながら歩いていると、実のなっている木があった。どうやらリンゴのようだった。ちょうどのどが渇いていたので一つとって齧った。

甘いリンゴ特有の味が広がる。だが、元の世界とは違いもっと濃厚な味だった。瞬く間にそのリンゴを平らげもう一つ手に取る。そして、補給地点へ帰ろうと歩き始めた。

歩きながらリンゴを齧る。周りは静かで、時折鳥のさえずりが聞こえる。


こういうのもいいな。ここ数か月は毎日うるさい戦場だった。銃弾が飛び交い爆音が鳴り響き敵や友軍の悲鳴が聞こえる。

人が人生の大半を過ごすのは家だと聞いた覚えがある。

そんなの嘘っぱちだ。俺が生きてきた中で一番過ごしているのは戦場だ。だが戦場といってもコロコロと場所が変わるからな。本当の意味で一番過ごしているのはあの輸送ヘリの中かもしれない。たしかここ数年同じ機体を使っていたはず。

何はともあれ、こんなに心休まる時は本当に久しぶりだ。

もう一口リンゴを齧る。


「いやぁ、こないでえぇぇぇぇぇ。」


唐突にそれは聞こえた。若い、というより幼い感じのする悲鳴が右のほうから聞こえてきた。

俺はとっさにその方向へ駈け出していた。そんなに遠くは無かったようですぐに悲鳴の上がったところまでたどり着くことができた。


森の開けた場所。


そこに、巨漢と2人の少女がいた。そして40人ほどの死体。周りの茂みにはまだ何十人かいそうだがそいつらは無視。とりあえず包囲を突き破って巨漢の顔に回し蹴りを食らわす。


「ぐはぁ。」


そいつは見ずに少女2人を見る。

1人は腰まで届きそうなきれいな黒髪に、整ったやさしそうな顔立ち。いわゆる美人だ。身長は165センチほどだろうか。均整のとれたスタイルをしている。18歳くらいの少女。

もう1人は、その少女の後ろに隠れていた。黒髪をポニーテールにしていて、まだ幼いながらも将来は美人になると思われる顔立ち。身長は155センチくらい。年は15歳くらいだろう。

2人とも動きやすそうな服を着ていて紫の瞳をしている。顔立ちも似ているし、おそらく姉妹なのだろう。


「大丈夫か?」


登場人物の名前がいまいち思いつかないという問題が・・・。精進しなくては。

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