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サラビエラ国軍残存部隊 1

 

一週間以内での投稿なんて4月以来だということに悲しみを……。

んっ!5月に一回して……。大して時期は変わらんかorz


まあ、いいや。


とりあえず、あけましておめでとう(ちょっと遅いですが)


12話で何か足りないと思ったら時刻が一部抜けてました。

後3話も一部修正します。

内容に変更はないけど一応報告。









約7時間前  AM 10:58 魔王の城から北へ20km モルティス



シャミアSIDE




「ええい!姫様たちを連れた部隊はまだ到着しないのか!」




ダンっ!!



姫様たちが到着しない不安からつい目の前にある机を思いっきり叩いてしまう。おかげで手が赤く腫れてしまったが痛みは感じなかった。



ここ、モルティスの町には主城や各地拠点からの撤退兵や各地の国民たちが集結している最中だ。

我等の王は勇者に負けることを予見し、私を含めた軍上層部に指示をしていた。




各地の部隊、及び国民を連れてメンラルフへと逃げろ。




だが、私よりも上の階級を持つものは時間稼ぎのために城に残りモルティスへは来なかった。現時点で最高権限を持っている私はその指示に従い、同盟軍の偵察部隊を避けつつ各地から国民を連れてきている。王はいろいろと手を打っていたようで、城が攻められる前からモルティスから遠い位置の住人たちを避難させていたらしい。しかもメンラルフ側との話はついていたようで護衛部隊を派遣してくれるとのことだった。




今日の正午からメンラルフへの移動を開始する。

だが、姫様たちを脱出させたはずの部隊が合流時刻を過ぎても来ないのである。本当なら「通信の魔法」によって連絡が来るはずなのだが、その部隊にいた唯一「通信の魔法」が使える兵士は攻城戦の際に流れ矢に当たって死んでいたことが後でわかった。

あの部隊はわが軍の中でも実戦経験が少なく、新兵ばかりだった。

城の防衛のために歴戦の部隊を護衛にあてるわけには行かず上層部も苦渋の決断であの部隊に護衛を任せた。

だが、こうも遅いと任務に失敗した可能性が高い。



しかし、先ほど同盟軍を偵察して戻ってきた兵たちによると姫様たちが捕らえられた様子はなくフレール大森林へと2万もの軍勢が進行して行ったらしい。しかもその中に勇者もいたとのことだった。

勇者が姫様たちを狙っていることはこちらにも伝わっていた。

このことから姫様たちはまだ捕まっていないというのが軍上層部の見解だ。だが、推測でしかない。

だから私は不安で仕方がないのだ。

一応フレール大森林へと捜索部隊を出してはいるが数の多い同盟軍より先にこちらが見つけるとは思えない。



「遠見の魔法」という便利なものもあるが行使する魔術師よりも相手の魔力が強すぎた場合、発動しないのである。

まして、姫君たちは我等が王よりも魔力が多いのだ。

王は多すぎる魔力がにじみ出ていたが、姫様たちはさらに多い魔力を体の中に完全にとどめることができた。

王よりも才能が在ったらしい。

姫様たちが小さかった頃に王は亡き王妃様と一緒に喜んでおられたのを当時まだ幼かった私は見た記憶がある。




「思い出に浸っているところ悪いけどちょっといいかしら?」




自分しかいないはずの部屋に抑揚のない無機質な声が響き、私は現実へと引き戻される。

慌てて顔を上げると机をはさんだ向かい側に見知らぬ格好をした女性が立っていた。



青みがかった銀髪で肩ほどまでのセミロング。柔らかそうな髪で先の方が若干カールしている。髪と同じ様な淡い青の目をしており凛々しい顔つきをしている。

女の私でも一瞬見とれてしまうほどに整った顔ではあるがその顔にはまったく表情というものがない。視線もそう、私のことを路傍の石と同じような目で見ているように感じる。

身長は私より少し高いくらい。私が163cmなので女性としては背が高い部類に入るのだろう。だが体の線が、背が近い私と比べても細い。決して痩せ過ぎているというわけではないが無駄な肉は一切ついていない印象を受ける。




それなのに胸が大きい。




私とて兵士として厳しい訓練を続けた結果、引き締まった体をしていると自負している。実際別の隊員から言われたこともあるし軍内部での評判もよかった。胸にも自信があった。当然私より大きいものもいたが劣っているとは感じなかった。なのに、彼女には女として負けた気分である。

通常、細い人の胸が小さいのに彼女はまったく逆である。

また、その場合違和感が生じたりすることが多い。

それなのに彼女は細い体で違和感がまったくないギリギリの大きさなのだ。



服装もズボンは脚の線がはっきりわかるもので、上着も胸元が少し開いた感じのものだ。

ズボンの色は黒で、上着は白。上着の中に着ている物は黒だった。




「貴様!いったいどうやってここへ入った!?何者だ!?」




腰に差してあった剣を抜き、相手の喉へと突きつける。

だが彼女の表情は変わりもせず、ただ興味のない目で突きつけた剣を見ただけであった。




「答えるつもりはないわ」




彼女はただそう答えて剣から私へと視線を移した。

カチンときた私は侵入者を排除するため、あと彼女のスタイルへの嫉妬もあって、喉に突きつけていた剣を殺すために突き出した。




絶対によけられない一撃。




軍内部でも私に敵うものはほとんどおらず、突きの速さで負けたことは今まで一度もなかった。まして相手に切っ先を突きつけている状態でかわされることはない。




だが、現実は違った。


私の剣は彼女の喉を貫くはずだった。でも実際は彼女の首は突き出された剣の少し左にあった。

私は彼女に恐怖を感じた。なぜならかわされることがないと考えていた一撃をかわされ、かわされる動作を目で捉えることもできなかった。そして、なんといってもその表情に恐怖した。

殺されそうになったというのにまったく変わらない表情。こちらを見る目も先ほどと変わらない。

殺されそうになったなら普通は何らかの感情を、憎しみや驚きなどを向けるはずなのに彼女からはそういった感情も伝わってこない。




「貴女に時間を割いている暇はないの。だから手短に用件だけ伝えるわ」




彼女の声が聞こえた瞬間、ビクリとなってしまった。

どうして剣が首の真横にある状態で話を続けようという気になるのだろう。

理解ができなかった。




「あなたたちの姫君は安全なところにいるわ。おそらく近いうちに出会えるでしょう。それと……」




「ちょっ、ちょっと待って!なぜ貴女が姫様のこと……」




混乱していたところにさらに追い討ちをかけられ、つい話を遮ってしまう。だが彼女は私の言葉を無視して話を続けた。




「それと、ここへ同盟軍の追撃部隊が迫ってきているわ。数は二万。勇者はいないけれど、兵かどうかに関わらず攻撃を仕掛けてくるわ。あと、30分以内にここから南南西へ5kmのところで一般市民とその護衛をしている部隊が襲われるから今すぐ救援か増援を派遣したほうがいいと思うわよ。じゃないと全員殺されるわ。そうそう、同時に撤退準備を急がせたほうがいいわね。正午にはもっと多い数で攻撃されることになるから。一番いいのは準備のできた輸送部隊、一般市民をもう出発させることかしら。用件はそれだけ」




彼女は一気に用件を伝えると背を向けて扉から出て行った。

私は彼女が出て行った時点で正気に戻り慌てて後を追ったがもう彼女の姿はなかった。




「おい!今ここを女が通っていかなかったか?」




ちょうど近くを巡廻していた兵士を見つけたので声をかけるが、見ていないということだった。

彼女の行方は気になるが、先ほど言っていたことのほうが問題と考えその兵士に「通信の魔法」が使えるものを呼びに行かせた。

部屋に戻るとまだ剣を抜いていたことに気づき鞘へと戻す。




コンコン。



しばらくするとノックの音がして兵士がひとり入ってくる。




「失礼します。「通信の魔法」が使えるものが必要だとお聞きしましたがどうなされたのですかシャミア将軍?」




「ああ、ジュード。貴方だったの」




入ってきた兵士は私直属の魔術部隊隊長のジュードだった。今まで数多の戦場をともに駆け抜け、かなり信頼を置いている部下だ。

見知った顔だったので一瞬気を抜いてしまったがすぐに元に戻した。




「南のほうで国民を集めている部隊に連絡を取ってくれ。確かめたいことがある」













彼らのことは完璧に忘れてた。

3話で死んだ兵士がノエルたちに言ってました。

作者からもノエルたちからも忘れ去られた不憫なモルティスの兵士たち。

今回から何話かはたぶん彼らの話。


ちょっと胸について語りすぎた。こんな予定じゃなかったのに気がつけばあんなことに……。


次話からはやっと戦闘描写がかける!

銃は出ないけど何とか書こう。


今回登場した銀髪の女性は後の話で紹介することになるかと。



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