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未熟者ですが宜しくお願いします。
ただ、走った。
全力で走った。
何の取り柄もない、普通の自分にできること。
学校の中で一番だと云われたこの脚で、力いっぱいに地面を蹴って走ること。
最後に、たったひとつの些細な望みの為だけに、ひたすら目的地を目指して走ること。
今しなければいけない、今でなければいけない、ほんの僅かで明確な目的の為に、
息を切らし、ただ前だけを向いて走って、走って、走った、
中1の最後の夏。
それが、今までの人生の中で本当に本気になった、最初で最後の記憶。