菩提樹の下での奇跡
2500年前のインドの話です。ゴータマ・シッダールタは釈迦国の王子でしたが、生老病死の苦しみを滅する解脱を達成する道を見つけるために出家修行を志し、王宮を捨てました。
まずは著名な瞑想の師匠に弟子入りして瞑想修行をしました。しかし師匠と同じレベルの瞑想の境地に到達しても解脱を達成することができなかったので瞑想の師匠の元を去りました。
シッダールタが歩いていると瞑想道場にいたコンダンニャ達5人が追いかけて来ました。
「シッダールタ、瞑想道場を出てどうするつもりだ?」とコンダンニャが質問しました。
「瞑想では解脱を達成することができなかったから、次は苦行をしてみようと思う」
「そうか苦行か。君は非凡な素質があるから俺達も一緒に修行させてくれないか?」
「うん、いいよ。一緒に苦行しよう!」とシッダールタは答え、6人で苦行林に向かいました。
苦行林で6人は断食や寝ない苦行などありとあらゆる苦行を行いました。そして何年もの月日が流れシッダールタは痩せ細り骨と皮だけの状態になりひどく衰弱していました。
「こんなに衰弱してしまっては解脱を達成することなんてとてもできないと思うから俺は苦行をやめるよ」とシッダールタはコンダンニャ達5人に言いました。
「なんだお前修行を諦めるのか? 落伍者に用はないからさっさと行けよ」とコンダンニャは冷たく突き放しました。
コンダンニャ達5人と別れたシッダールタが道を歩いていると衰弱が激しく歩くことができなくなり近くの木の下に倒れ込みました。そこにスジャータという娘が通りかかり、シッダールタがひどく衰弱している様子を見ると祠にお供えするために持っていた乳粥をシッダールタに食べさせました。
シッダールタは元気を取り戻し「あなたは命の恩人だ。このご恩は一生忘れません」とスジャータに礼を言うと、菩提樹の下で解脱を達成するまでは決してこの座を立つまいと心に誓って坐禅瞑想を始めました。
菩提樹の下での坐禅瞑想は7日7晩休むことなく続けられ、明けの明星の光が目に入った瞬間に「明星が自分だ」という体験をして悟りを開きました。
「何と不思議なことだ。この世のあらゆるものが本当の自分であった。自分が人間であるという思い込みの為に気付くことができなかったのだ」とシッダールタは独り言を言いました。
シッダールタは深い安堵と圧倒的な至福に満たされ、頬を濡らす涙が止まりませんでした。
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