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第15話1:狩る者、狩られる者

六本木は、人間にはあり得ないほど速い鼓動のように脈打っていた。


ネオンがガラスの塔の側面を染め、車がサメのように滑り抜ける。どこかで、笑い声が銃声のように空気を切り裂いた。


俺たちは行き止まりの路地の先でクラブを見つけた。ドアには名前はなく、黒い鋼に彫られた真紅のシンボルだけがあった。それは、涙を流す開かれた目を模したデザインだった。


行列はなかった。用心棒もいない。階段に座ってタバコを吸っている女性が一人。赤い唇の間から牙が見えた。俺たちが近づくと、目を上げた。


「早いわね。」彼女は小声でつぶやいた。


俺は彼女の目の間に銃を撃ち込んだ。


銃声が路地を突き抜け、ガラスを打ち破る拳のように響いた。彼女は音もなく崩れ落ちた。


ヘカテが眉を上げた。「控えめね。」


「今夜はな。」


俺たちは中に入った。


低音が体に打ちつけるように響き、音楽が骨と血を振動させる。影が暗闇の中を速く、優雅に動き回っていた。赤いストロボが群衆を血の飛沫で塗りつぶした。


吸血鬼たちが、ドアが閉まった瞬間に俺たちを見た。


言葉はない。ポーズもない。


ただ、渇望だけ。


最初の一人が突っ込んできたのを左に飛びながら避け、腕が伸びるのを受け止めた。俺の刃がその前腕を手首から肘まで切り裂き、黒と赤の霧が床に噴き出した。ブーツが俺の肋骨に叩きつけられた。俺はそれを受け流し、次の奴の下に転がり込んで、ナイフを腹に突き立ててひねった。


後ろからまた一人が来た。


銃。二発。


一発は目を貫き、もう一発は背骨を貫いた。


ヘカテの笑い声が騒音の中で割れた。彼女は絹のように回転し、爪が輝き、角がかすかな地獄の火で照らされていた。一人の吸血鬼が壁に叩きつけられ、もう一人は床に倒れ、喉を握りつぶされていた。


俺は無意識に動いていた。速すぎる。強すぎる。


殺すたびに、次がさらに楽になった。


一枚の牙が肩をかすめ、もう一枚が肋骨をすり抜けていった。浅い傷だったが、鋭くて痛かった。血が視界の端をぼやけさせる。


だが、関係ない。


テーブルが下で砕けた。俺はその吸血鬼を引きずり込んで、一瞬で喉元に歯が食い込むのを感じた。数ミリで首を食い千切られそうになったが、銃を彼女の顎の下に突きつけて引き金を引いた。


部屋は身体の嵐だった。革、絹、爪、灰。


俺の息は胸を裂くように燃え上がった。


混乱の中で、ヘカテの目が一度だけ交わった。彼女は飢えた神のように笑っていた。

いい感じだ。


俺たちは裏口を通った。


VIPラウンジは古びた革の匂い、香水、そして冷えた血の匂いで満ちていた。


黒いガラスの扉が端で待ち構えていて、その前に二人のスーツ姿の男が立っていた。目は赤く、笑みは薄かった。


ヘカテが先に動いた。


最初の男は、彼女がその踵で喉を潰すまで、ほとんど動く暇もなかった。まるでダンサーのように優雅だった。


二人目の男は振り向き、呪いの言葉を呟いた。俺は膝を撃ち、その後、頭を撃った。


ヘカテが横目で俺を見た。

「お前、血を流してる。」


俺は口を拭い、銅の味を感じた。

「足りない。」


俺は扉を蹴破った。


中に入ると、

白い大理石の床。ビロードのブース。ここにいる誰の姿も映さない鏡。


四人の吸血鬼が、現金や薬、ボトルに入った血の瓶が山積みになったテーブルの周りに腰を下ろしていた。


一人が顔を上げ、唇を歪めた。

「どうやって…」


俺はその顎を吹き飛ばした。


他の奴らは素早く動いたが、俺の方が速かった。


最初の一人が、俺のナイフを肋骨の間に受けた。


二番目が俺を壁に叩きつけてきた。俺はその衝撃を受け入れ、体をひねって、その顔を鏡の柱に叩きつけた。ガラスが割れる音がした。


三番目の奴は…生かしておきたかった。


ヘカテは片手でその吸血鬼を押さえ、まるで子供のおもちゃのように床から持ち上げた。

吸血鬼は悲鳴を上げて蹴り、牙をむき出しにし、爪をヘカテの腕に引っ掻いていた。ヘカテはびくともせず。


「おとなしくしろ。」俺は血のついた口を袖で拭いながらかすれた声で言った。


近づいて、銃をその吸血鬼の目の下に押し当てた。

「ボスはどこだ?」


彼女は俺の顔に唾を吐いた。俺は一発、彼女を殴った。歯が折れる音がした。


「どこだ?」俺の声はもはや人間の声ではなかった。「ナハトアウゲはどこに送られる?」

彼女は古代語で何かを呟いた。


俺は銃口をその膝に押し当て、引き金を引いた。


彼女は叫んだ。

「どこだ。」


ヘカテの目が俺に一瞬だけ向けられた。その目には鋭さがあり、ほとんど…心配のようなものが浮かんでいた。


でも、俺は彼女を見ていなかった。


俺は吸血鬼が壊れていくのを見ていた。


彼女は膝を折り、泣きながらヘカテの手首を掴んだ。


「積荷…ゴルバチョフ…それを…取引材料にしようとした…うまくいかなかった…それだけだ、誓う…」

俺は銃を彼女の口元に押し当てた。


彼女は身震いし、目をぎゅっと閉じた。


「待って。」ヘカテが囁いた。


俺は待たなかった。


銃声が彼女の最後の言葉を断ち切った。


血が床に、だらりとした弧を描いて広がった。


俺はゆっくりと、震える息を吐いた。手は震えていなかったが、震えるべきだった。


ヘカテは俺の横にしゃがみ、髪を払いながら、指先が軽く触れた。


「崩れていってるわね。」彼女は囁いた。「もっと話してくれたかもしれない。」

俺は荒い笑みを浮かべた。「小さな魚はクズしか得られない。」


ヘカテはニヤリと笑った。だが、目は俺の肋骨の傷に一瞬だけ触れ、血が袖から染み出すのを見て、俺が隠しきれなかった痛みを見逃さなかった。


「倒れるわよ。」


「後でな。」俺はつぶやいた。


ラウンジの裏に、本物の巣が待っていた。


ヘカテは最後の強化ドアを蹴破り、木と鉄が悲鳴を上げながら引き裂けた。

オフィスはもっと冷たかった。温度じゃなく、雰囲気が。


音楽はない。おしゃべりもない。


ただ、五人の吸血鬼が巨大な磨かれたデスクの周りに半円形に座っている。真紅の漆がペンダントライトの下で輝いている。


彼らは立ち上がらなかった。


一切、反応もしなかった。


中央に座る女がいた。灰のように青白く、黒いドレスは墨のように流れる。首をかしげ、ほのかに微笑んでいる。彼女は血の壁連盟の頭目だ。かつてババ・ヤガの支配下にあったヤクザの犯罪組織。その隣には彼女の夫がいた。


「ふふふ、あの有名なブッチャーか。」


彼女は顎の下に指を組み合わせた。「いつ来るかと思っていたわ。」


他の吸血鬼たちは黙って見守っていた。低い光の中で、赤金のような目が光る。


恐れている様子も、緊張している様子もない。


まだ自分たちが頂点にいると思い込んでいる捕食者たち。


女の視線がヘカテに一瞬だけ向けられ、止まった。「…そして、姫本人か。あら、あら。」


オフィスは高級なワイン、古い紙、そしてわずかに金属的な匂いが漂っていた。


彼らの背後の壁には、古い東京の地図が薄い銀の釘で止められていて、いくつかの場所には俺が知らない記号で印がつけられていた。


デスクの上には:

血の入ったクリスタルのデキャンタ。

銀の短剣。

麻袋。


女は静かに息を吐き、手を組んだ。


「交渉に来たわけじゃないと思っているのですが。」


彼女の唇がわずかに歪み、牙がちらりと覗いた。


「せめて、楽しませてくれるといいのだけど。」


ヘカテは肩を回し、その肌を割るような魔法のひび割れがわずかに響いた。


俺はゆっくり前に出た。首を回しながら。


コートは引き裂かれ、拳は血にまみれていた。胸の下で嵐がうずいているのを感じた。


「そうだな。」俺はかすれた声で言った。「ちょっと話してやるよ。」

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