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勇者に捨てられた裏方職、戦場あとしまつファミリーの静かな逆転劇

「あんた!ネリィ!そろそろゴブリンの残骸片付けるの、休憩にしなさい」


トレス王国で異世界転生した勇者パーティが戦った後の残骸を片付ける仕事をしているメリルは夫のガルド、娘のネリィに声をかけた。


「分かったよ、これから行くからさ!」


最初はポーションの空瓶を集めるだけだったのに、気づけば5年。

今では排泄物の回収から魔物の死骸、焼け焦げた草原の整地まで任されるようになった。


ガルドがやつれた顔で椅子に沈み込み、ネリィも隣に腰かける。


「勇者ご一行様はいいよなあ。市街地でドカーンと大砲ぶっぱなしたりさあ、道端にう○○垂れ流してもへっちゃらなんだもん。」


「それが仕事だから、仕方がないのよ、私も昔勇者パーティから役立たずのレッテルを張られちゃって追放された身だし……」


最近は国の公的機関だけでは手が回らず、建築、清掃、土木の精鋭までもが戦場に駆り出されているという。


依頼は伝書鳩か手渡しで届き、返事を書く間もなく駆けつけるパターンが増えていた。


ガルドは読みかけの手紙を一度棚に置き、古い蓄音機のハンドルをゆっくり回してレコードをかける。


この家は作業場と喫茶を兼ねた造りで、彼が音楽を愛するのも無理はない。戦場あとしまつは疲労がたまるからと、喫茶店併設を提案したのもガルドだった。


娘のネリィが私の様子に気づいたようで声をかけてきた。


「ママ、そのペンダント……つけてるとき、なんだか元気がないみたいだけど、どうしたの?」


すっかり薄暗くなった部屋でメリルは深々と椅子に座り、顔を俯き加減にしながらペンダントに手を触れた。


「ああこれかい。これはねえ10年ぐらい前、治療魔法師だったとき同じパーティだった人からいただいたものなのよ」


「え!ママ治療魔法師だったの?え、すごい!でも頂き物にしては反応暗いよね?何かあった?」


「ネリィは察しがいいねえ。実は形見なのよこれ」


二人は顔を見合わせた。たまにママがペンダントを手に取って暗くなるのはこれのせいなのかな。


「トレス王国で勇者パーティの護衛をしてたのよ。5人のパーティだったんだけどね」


ネリィはますます目を丸くして前のめりになった。

メリルは話を続けた。


「数百年前に封印された”魔王の器”が復活の兆しを見せてて、ラウル山脈にある古代遺跡の封印魔法の再調査に向かったの。リーダー以下、女性で魔法使いのセラ、重戦士のベリオ、弓使いのユリィ、それから私よ。」


夫のガルドはいつの間にか棚からウイスキーを出してきてグラスに注ぎ始めた。あっという間に喫茶店が酒場のバーのようになっていく。ガルドがぼそっと


「へえ、母さんもなあ、知られざる過去!だな。あ、実は治療魔法師だったことはちらっと知ってたけどねん~」


「え、お父さん知ってたの!もう、私だけ?」


ネリィは素っ頓狂な声を出した。ガルドは知らぬ、存ぜぬといった感じだ。


「私たちはラウル山脈のふもとから登っていったの。途中魔法使いのセラとはよく話したものだわ。彼女は火、風系の魔法が使えてね、すごい攻撃力だったのよ。あそれからリーダーは切れ長の目をしたイケメンだったの」


ネリィは勇者がイケメンと聞いて興味深々だ。


「へえ憧れるわ~。イケメンの勇者様に、それからそれから、ちょー美人で愛嬌もあるセラ様!」


ネリィのセラ様という言葉を聞いてメリルは少し落ち込んだ様子を見せた。

ガルドが少し酔いがまわったのか話を挟む。蓄音機の音も心なしか大きく聞こえる。


「ラウル山脈か、実は2、3日前に伝書鳩でチート能力を発揮した勇者様御一行の戦場あとしまつの依頼があったんだよな。チートだかなんだか知らんけど。。母さんの話が終わったら仕事の話をするよ」



「分かったわ。で私たちは山の中腹あたりまで辿り着いたの。気温も低くなるし、辺りは薄暗い。前方には洞窟が見えていて、これからモンスターも増えていくの。私たち一行は一旦休憩を取り体制を整えたわ」


メリルは一呼吸ついて話を続ける。


「洞窟はさらに鬱蒼として道も悪く、コウモリに似たモンスターも増え対戦も増えていってねえ。2km程進んだところで上を見上げると陽の光が差し込んでて、やっと出ようとしたら蛾のような巨大なモンスターが現れたの」


ネリィは一気に不安そうな顔になり、机に置いてあるランタンの灯を見つめる。

ガルドは慎重、且つ神妙な顔つきだ。


「リーダーは一気に片を付けようと剣を抜いて、モンスターに切りかかったわ。セラや重戦士のベリオ、弓使いのユリィ、私はすぐに戦闘態勢に入ったの。前衛のセラは敵の弱点である火系魔法を繰り出すため詠唱を開始、ベリオもリーダーと一緒に前衛として加勢、後衛のユリィは岩場に隠れながら弓を放ち、私はすぐに治療を開始できるように詠唱を開始したの」


二人共息を飲むように戦闘の行方を聞いていた。


「後衛で回復魔法の詠唱を唱えていたらセラの様子がいつもと違うことに気づいたの。いつもは詠唱を開始したら魔法陣の円環がすぐに出現するんだけど遅れてたの。さらに困ったのがリーダーとベリオの渾身の一撃が外れた。その瞬間、敵の猛烈な攻撃がさく裂。爪を使った攻撃がベリオそしてセラを襲ったの」


蓄音機も静まりかえり、聞こえる音は外の風や虫の音だけになった。


「後方から確認するとベリオは重症、セラは軽傷に見えた。リーダーはまだ体制を整えててユリィは必死に弓を引いたわ。私はベリオが重症と判断し回復させるために回復魔法をかけた。でもこの選択がセラの運命を変えることになったの。セラが鱗粉の毒に侵されてることに私は気づかなかったのよ」


そこまでメリルは話すと項垂れ、顔をうずめた。


「私が同時に回復魔法をかける技量があれば今頃彼女は….」


ガルドが声をかける。


「でもその回復魔法は傷の回復はできても毒を解毒できないんじゃ?」


「そうね。でも私は解毒薬を持っていた。すぐに飲ませれば助かったかもしれない」


しばらく沈黙が流れた。


「その後、どうにかパーティ全体を立て直すのにリーダーが成功。私も加勢して敵を倒したわ。セラには実は婚約者がいてね。このペンダントはおそらく….」


今度はさらに沈黙が続いて重苦しい空気が流れる。

ガルドのウイスキーボトルも空になっていた。ネリィも目頭をハンカチで抑える。






沈黙を破ったのはガルドだった。


「泣けてくるな、ほんとに……..まあ仕事の話も明日にしよう。」


時間は深夜になろうとしていた。ランタンを消しそれぞれの寝室に入っていった。

メリルやネリィはあまり眠れなかった。





翌日早朝、メリルは台所で朝食の準備をしていた。今日は目玉焼きに近所からいただいたソーセージやパン、サラダの盛り合わせだ。


ガルドは身支度した後、外で体操を始めた。


ネリィは年頃の娘らしく、最近は外に出るとき少しおしゃれを意識しているようで、光沢のあるブロンズ色の長い髪を、高めの位置でリボンに結わえていた。朝の光を浴びてふわりと揺れるその髪は、まるで動く琥珀のようだ。


作業着もいつもよりすっきりと整えられていて、動きやすい中にも女の子らしさを忘れていない。少しだけ背筋を伸ばした様子に、母であるメリルは小さく微笑んだ。


ふと通りがかりの少年がちらりと2階のネリィを見て立ち止まりかけた。






3人がテーブルに集まった。挨拶してからネリィが話し始めた。


「・・・・ママが昨日あんなすごい冒険の話してたのに、今日は勇者様の後始末だもんね……」



そこへガルドが空気を察したように手紙を一通持ってきて、テーブルにポンと置いた。



「で、これが今日の現場だとよ。『烈風のシュナイダー様』からのご依頼。あの有名な……っていうか問題児のパーティだ」


メリルが眉をひそめる。


「またあの人たち?前回、事前に伝えた搬入経路を全部塞いだ挙げ句、『後始末の方が遅れてくるとは何事だ!』って……」


ネリィが手紙を取り上げて声を出して読む。


「『今回の戦闘では特に大規模な破壊を予定しています。迅速な対応を求めます。衛生班は戦闘の前に待機しておいてください。なお、前回の対応に不満があるので支払いは仕上がり次第にします』……なにこれ、横柄すぎない!?」


メリルは已然にもまして毅然とした態度で

「そうね。ママもほんとどうにかしないと思ってるところなの。でもねえなかなか断れないのよ………」


「もう、そんなんだから舐められちゃうんだよ。お父さんもなんか言ってよ!」


「よし!そいつのケツに棒をつっこんでやるぜ」


ガルドはそうは言ってみたもののどこか及び腰だ。

ひとまず荷物や道具の準備を作業部屋で進めることにした。


荷車はガルドお手製の特別仕様!最近は珍しい鉱物や薬草を見つけたら報告し回収、死んだ魔物も加工するために持ち帰るようになった。そのため大きい荷台が必要なのだ。馬は見た目は貧相だが馬力がある。


今日は朝から雲ひとつない晴天だった。メリルが荷をまとめる横で、ネリィも張り切って旅支度を整えていた。



ガルドは二人に声をかけた。


「メリル、ネリィ、準備はできたか?そろそろ行くぞ」


「はーい、お父さん大丈夫よ。水筒にもたっぷり水出し紅茶を入れといたわ」

メリルが返事をする。


「よーし、そしたら荷車に乗って出発だ!」


こうして町で一番見栄えのする後始末業者の荷車は力強い馬と共に颯爽と駆け出した。

移動経路はまずスウェーレン商業都市を経由してウラル山脈まで移動する。走行距離にすると20kmはある長旅だ。


「ガルド、荷車や馬の調子はどう?」


「ばっちしさ、この俺にかかれば!」






小高い丘を越えると、スウェーレンの市街地が見えてきた。

昼の日差しのもと、鳥のさえずりがさりげなく聞こえる。

丘の上の木陰で、3人は腰を下ろした。




「はい、弁当。つぶれないように包んだんだからね」とメリル。


ネリィが包みを開くと、むわっと広がるのは、香ばしいけどどこか…土っぽい匂い。


「……このキノコ、またヤトリ茸?」


「当たり。今回はちゃんと水にさらしたから寝ないはずよ、たぶん」


「たぶん!?」


ガルドが顔を青くしてフォークでつつく。


ネリィはというと、「あ、でもこの火サラミサンドおいしい!」と、もう2口目に突入していた。


「よかったらゼリーもあるわよ。昨日採った薬草、ちょっと苦いけど整腸作用は抜群」


「スイーツ枠が薬草って……」


ガルドは目を細めたが、結局全部平らげた。





スウェーレンの街並みは活気に満ちていた。


石畳の通りをガルドの馬車がコトコト進んでいくと、

ふいに横道から白馬のひく立派な馬車が現れた。

装飾は控えめながらも品のある造りで、乗っている者の素性を感じさせる。



「あっ……!」


ガルドの手綱がわずかにぶれ、車輪がその馬車の側面にかすかに触れてしまった。


「止まれ!そこの馬車!」


青年侯爵の家来がすぐさま馬車を止め、凛とした声で近づいてきた。


「失礼をいたしました!こちらの不注意で――」


ガルドはすぐに馬車を降り、深々と頭を下げた。

メリルとネリィも続いて馬車から飛び降り、頭を下げる。


「お怪我などは……?」メリルが口にしたとき、家来の後ろで馬車の扉が開いた。

柔らかな金髪を風に揺らしながら、ひとりの青年が降り立った。


しなやかな背筋と落ち着いた立ち振る舞い。


気取ったところはないが、眼差しには確かな知性と誇りが宿っている。


「もういいよ、リオ。見ての通り、事故と呼ぶほどのことでもない」



青年は家来を制し、ガルドたちのほうへ軽く会釈する。


「謝罪を受け取ります。大事に至らず良かった」




そう言って微笑むその様子に、ネリィの心臓が不意に高鳴った。

(わ……)



陽の光を受けて金色に輝く髪。少し伏し目がちな優しい眼差し。

ネリィは思わず目を見開いたまま固まってしまった。



青年侯爵はふと彼女の視線に気づき、口元にわずかな笑みを浮かべた。

けれど、それ以上の言葉はなく、「では」とだけ言って馬車に戻っていった。


去っていく馬車を見送るネリィの頬が、うっすらと赤く染まっていた。

メリルがそれに気づき、肩を軽くたたく。



「……あんた、ちゃんと前見て歩きなよ」


「う、うん……別に、何でもないし!」



家族の小さな笑い声の中、街の喧騒に再び馬車が溶け込んでいった。



一行は暫く馬車を進めると、荒廃した協会や家屋が増え、道端の舗装はなくなり、落ちているゴミを避けたりと確認も増えていった。


ガルドの顔を見るとやや疲れが見て取れた。メリルは休憩を提案して近くの休憩所で休むことにした。


近くに騎士団のような集団がおり休憩をとっているらしい。

偶然会話が聞こえてきた。


「なあ最近、横柄な勇者パーティが多すぎないか?王国の方でも勇者制度への風が強まってるらしいぜ」

「噂だけどな、クラヴィス様もあれでは支援や投資ができないと嘆いておられたよ」






メリルは伏し目がちにして、聞いてないそぶりを見せた。

「さあ、入れてきた紅茶でも飲みましょう。」


「はー生き返る!ウラル山脈あともう少しだよね?」


「そうよ、あともう少し、しっかりね!」


休憩が終わり、ウラル山脈の麓に一行が到着すると、ほどなくして騎乗の一団が現れた。黄金の装飾が目を引くその中に、例の“勇者”シュナイダーの姿があった。


「おっと、誰かと思えば……後始末班か?」


豪奢な鎧の上からマントを翻し、シュナイダーが馬上から見下ろすように笑う。


「まあ、ご苦労なこったな。俺たちが敵を蹴散らしたあとの掃除だろ? 

そういうの、俺はできないからさ~」


隣の仲間が下品に笑いながら、ネリィの方に目をやる。


「おや、そっちの嬢ちゃんは新顔か。見た目はなかなか、な? 

お掃除だけじゃもったいないなぁ」


ネリィがわずかに眉をひそめると、ガルドやメリルが無言で娘を庇うように立った。

シュナイダーはそれに気づかないかのように、鼻で笑い馬を進めていく。


「ま、せいぜい転ばないようにな。崖の下まで掃除する羽目にならないように」


騎乗の一団が去った後、ネリィは下唇を噛んで悔しがる。


「絶対見返してやるんだから!」


シュナイダー一行の戦いが終わるのを、こちらから遠巻きに見守っていた。

勝利こそしたものの、その様子は素人の目にも明らかだった。

一時は完全に押され、誰かが倒れてもおかしくない――そんな際どい戦いぶりだった。

勝ち残ったのが奇跡なのか、執念なのか……。



ウラル山脈の麓に設営された仮設拠点。


到着して間もなく、メリルたちは搬入口の確認を終えると、

すぐに荷車を引き入れた。

地面はぬかるみ、風が硫黄の匂いを運んでくる。


「ネリィ、そっちじゃない、右の通路だ。メリル、木箱の搬入、半壊した倉庫の中へ頼む!」


ガルドの低く通る声に、家族は手早く反応する。慣れた連携。衛生班の中でもこの動きの速さは目を引いた。


彼らの担当は、戦闘が終わったあとの“誰もやりたがらない仕事”だった。

排泄物の片付け、散乱した魔物の死体の処理。さらに崩れかけた壁の瓦礫撤去まで。


メリルは無言で布を巻いた手で魔物の残骸を運び、ネリィは瓦礫の隙間に足を運びながら、隠れていた薬草を慎重に取り出していく。


「これ……まだ使えるかも」


指示された内容を終えた後も、メリルたちは周囲を見渡し、自主的に掃除範囲を広げていた。こうした“地味な働き”は、一般には評価されにくい。


しかし、それを見ていた者はいた。



だが、そこで事件が起こった。



「……え?」


ネリィの背後で、低くくぐもった唸り声。


死んだはずの小型魔物が、崩れた壁の隙間から血走った目で這い出し、最後の力を振り絞って娘の足に噛みついた。


「ネリィッ!!」

母の叫びと同時に、メリルは地を蹴った。

彼女の口元が素早く動き、力強く詠唱を紡ぎ出す。


「――《癒光転生〈ヒーリング・リバース〉》!」


淡く輝く光が、メリルの手元から噴き出す。


ネリィの傷口に触れた瞬間、どす黒い血が泡立つように弾け飛び、

えぐれた肉が音もなく再生していく。


皮膚が滑らかに繋がり、赤みすら残さない完全な回復。


一瞬の静寂。

娘は痛みに顔をしかめていたが、すぐに驚いたように足を見つめた。


「……すごい、ママ……」


「まだ油断しちゃだめ。ああいうのが一番しぶといのよ」


メリルの瞳には、戦場の現実を知る者の冷静さと、娘を守るという強い決意が宿っていた。



同時に、ガルドは腰に装備していた携行結界球を取り出し、地面に叩きつけた。

淡い光のドームが瞬時に広がり、魔物の動きを封じる。



「……今だ!」





近くにいた別班の作業員が加勢し、魔物は素早く処理された。


ネリィはうずくまりながらも、「大丈夫……平気……」と笑おうとしたが、唇が震えていた。メリルがそっと抱きしめる。



その様子を遠くから見守っていた男が、ゆっくりと近づいてくる。

王国の徽章を胸に付けた中年の男――王立整理局の幹部だった。


「ご家族でここまで動ける方々は珍しい。非常に助かりました。……本来、評価されにくい仕事ですが、今回は上層部にも正式に報告書を上げさせていただきます」



メリルは礼を言いながら、娘を支え直す。

ガルドは、土に汚れた手袋を膝でぬぐいながら一礼した。


「どうにか軽傷で済んでよかった。ネリィ大丈夫か?」


「うん、お父さんこそ疲れたんじゃない?これからさっきのおじさんが

 手配してくれた宿に行くんだよね。今まででこんなの始めて!」


「ああ、ほんとだよ、ゆっくり休もう」


一行は一晩宿で休んだ後、帰路についた。



-----1週間後-----


「ガルド、ネリィ!朝食よ」


「いつもありがとう、ママ。あれ今日のニュースレターかな、なになに・・・・」


ネリィが目を見張りながら声を出して読み上げる。

「『シュナイダー氏、公務妨害により「勲章剥奪」「王命違反で召喚令」


勇者パーティの一角シュナイダー氏は王立整理局の告発により勲章剥奪及び王命違反で召喚令が下され失脚した。告発にあたっては著名な青年侯爵で投資家でもあるクラヴィス氏の助言もあったとのこと』


だって!あ、このイラスト!この前の馬車だ!」


ガルドやメリルも席を立ってニュースレターをまじまじと見つめる。


「誰かがどこかで必ず見てくれてる。きっと」


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