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いつかの風を綴る文 walking to future  作者: とろろ


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13/22

12. ❷ 私のプチ旅・中編・大自然の懐で...

お昼を済ませ、目的地へと向かう。

道中特に変わったこともなく、ただただ、ありふれたツーリングにおいての日常が続いていく。

山。木、そして木。それから....、木。


森に包まれ、人の痕跡は道路のみ。

景観はなく延々と続く自然の中をひたすら走り続ける。

流石に似たような景色の連続に、飽きやら眠気やら、若干の不安感やらがハローしてくる。


文乃「ん〜〜〜...、ちょっとぼんやりしてきたなぁ...、休憩しようかな。」


道中時折設置されている離合帯にバイクを留め、ヘルメットを脱ぎ背伸びをする。


文乃「んーーーー♪はー、目が覚める。ちょっと単調な感じが続いたからなぁ。今、最奥付近になるんだろうか?」


周囲を見回しても、森の中のただの離合帯。

目を引くものも気になるものも特になく、スマホの電波もほとんど拾えない。よって、ただただ体力気力を回復することに専念する。


文乃「時間的に到着まではまだ距離があるよなぁ。山真っ只中。なーんも見えてこない。」


文乃「そういえばG`sマップ見てた時、途中水ポイントあったよねぇ。後どれくらいで着くのかなぁ。あの時で30kmくらいはあったっけ?」


文乃はドライブインを出た時間と現時間を照らし合わせ、だいたいの距離を割り出してみる。


文乃「ふむ、案外すぐそこかも知れないねぇ...、ちょうど良いや。とりあえず、そこでしっかり休憩しようか。」


わずかに一息つけたところで、またバイクを走らせる。

木は茂り、道は一段と狭くなり、さながら木のトンネルのように、辺りを覆っている。


...


山の谷間に沿って続く細めのクネクネ道。

かっこつけて言えば、ワインディングロード?

車体が細く、曲がることを楽しめるバイクだからこそさほど苦にはならないが、車でここを通るとなると...苦痛しか無いだろう。ていうか車では来たくない。


文乃「ふああぁぁ....、、、!あーっ、いかんいかん!」


長いライディングは体力を奪い、精神を消耗させ、眠気も誘引してくる。文乃は迫ってくる眠気を蹴散らすように、右に左に少しオーバーリアクション気味にバイクを駆り、まだ見ぬこの先へ向かう。


文乃「崖下は川か...寝たら真っ逆さま〜....、、?おほっ?すっごいきれい!透明!!」


一瞬視界の開けた崖下には、驚くほどに美しい川が流れている。水の綺麗さにテンションが上がり、眠気も何処へやらの文乃は感嘆の声をあげながら進んで行き、そしてチェックポイントの水汲み場へと着く。


たっぷりの清冽な水が流れ落ちる。

お気に入りのプラマグカップに水を汲み、一気に飲みこむ。


文乃「ゴクッゴクッ....、ふーっ、冷たくって美味しい、もう一杯♪」


更に汲むと今度は、少しずつ、ゆっくりと味わって飲む。


文乃「くぴっ、くぴっ...、あー.....、おいしい♡なんかぁ、ミネラルゥって感じ?知らんけど。」


文乃はしっかりと水を飲み、ボトルにも汲む。


一息ついて頭もスッキリとした文乃は、先ほどの川を思い出し、谷側へと目を向ける。


川のある方には釣り人の為か、管理のためか?重厚な鉄の階段がかけてある。


文乃「あ、入渓点かな?川めっちゃ綺麗だったよね、見にいってみよ。」


特に立ち入り禁止などの標識は無かったので、文乃は階段を伝い、川へと降りて行く。


文乃「うん、綺麗!」

降りてゆくと木々が開けていき、視界に川の姿が映し出される。

大小の岩が自然に組み合わされ、絶景と言っても良い程の自然のオブジェを作り上げていた。


文乃は辺りを見回し川辺の手頃な岩に腰を掛ける。


文乃「んー!ここ、キャンプしたいなぁ〜♪」


清冽な水のせせらぎ、麓では聞けない鳥の美しい声、川に沿って流れてくる風。疲労を見せ始めた身体を優しく癒し包んでくれる...。


文乃はしばし、柔らかな季節と自然にその身を委ね、ひとときの安らぎを楽しむ...。


パシャッ!!


文乃は聞き覚えのある音に頭が覚醒する。

そう、この音は...、ライズだ...!


文乃「うっほ!もしかして、ヤマメ?イワナ?アマゴ?マスゥ〜!?」


文乃は釣りが好きだ。

昔職場のお得意さんから道具を一式をもらい、右も左も判らずに管理釣り場で釣りデビューした。

その後釣りをする友人が出来て以降、色々な種類の釣りに興味を持ち、覚えていった...。


文乃「あ、でもロッドないや...。残念〜」


などと、特に何も始まるわけでもないが、自然の中で自然ならではの他愛のない時間をしばし堪能し、バイクへと戻る。


....


文乃「んー♪、目も耳も幸せ時間だったぁ。どうもありがとうございます、ヤマツミの神様♪」


山の気をたっぷりとチャージした文乃は、バッチリ冴えた頭でこの先に思いを巡らせる。


文乃「もうしばらく走れば、いよいよ目的地のレトロ自販機だ。待ってろよー、ホットサンド!それから、まだ見ぬなんかワクワク達!」


文乃は、もうやがて辿り着くであろう新世界に向けて、はやる心を抑えつつまた、走り出した。

美しい自然、深い山奥の恵みが喉を潤し、目と心を洗い流す。

自然が元気と安らぎを与えてくれる。

そして、

文明の歴史と利器が暮らしを支え、好奇心と楽しみを与えてくれる。

どちらも大切で失ってはいけないもの。

調和を持って大切にしていきたい...。

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