表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/22

11. 姉ちゃんの強い味方、頼もしき弟よ。

弟から連絡が入った。

そして文乃に良い提案をしてくれる。

それは単調な日々を送っていた文乃にとってとても嬉しく、そして、助かる申し出だった。


〜〜〜♪〜〜♪♪


会社を退職し、しばらく経ったある日、文乃のスマホが鳴り響く。


文乃「はいは〜い、今行きますよ〜っと、えーと、あれ?寿喜じゃん。はい、シャッとぉ。」


文乃はスマホをとり、電話にでる。

電話は弟の寿喜からだった。

挿絵(By みてみん)


寿喜「おっすー。」


文乃「うん、おす。どしたん?」


寿喜「ああ、文乃こっちに帰って来る日って、もう日にちは決まっとるとかね?いつ引っ越すと?」


文乃「あ、うん、言うとらんかったかね?今は有給消化中やけぇ、片付けよる途中なんよ。6月いっぱいおったら、帰る予定。どがいした?」


寿喜「前からさ、うちの子ら連れてそっちに遊びに行こうか思っとったったい。ならまだまだ時間あっね。」


文乃「ほんま?ええよ、こっち来たら案内してあげるわ♪いつ来れそう?」


寿喜「おお、じゃあさ、文乃は引っ越しの時家具とかどうすっと?」


文乃「うーん?...とりま引っ越し屋さん頼まんといかんかなーって思うとるよ?」


寿喜「だったら俺ら行った時に家具持って帰ろうか?」


文乃「うん?どういうこと?」


寿喜「文乃の家具持って帰るついでに、子供ら連れて遊びに行こうかっておもっとったい、どう?」


文乃「?そらええけど、車は?結構荷物あるよ?」


寿喜「車は付き合いのある人からウィングの大型借りるけんよかよ、積み込みも俺が手伝うけんよかろ?」


文乃「ほんま?頼ってええん?」


寿喜「できりゃああんま金かけたくなかろ?その分もてなしてくれっとよかたい。」


文乃「ありがと〜、それ助かるよ〜♪あ、寿喜、おまえ 休みどがいするん?休まないけんようになろう?」


寿喜「そらどぎゃんでもなるけん気にせんでよかよ。じゃあ、引っ越し予定日の3日前からそっち行こうか?いい?」


文乃「うん、そら助かるし、楽しみも出来たよ〜。じゃあしっかり片付けてまっとるけえね♪島とか名所、いっぱい案内してあげる♪」


寿喜「おお、そらぁ楽しみにしとっけんね、広島行った事なかけんうちん子らも喜ぶと思うわ〜。」


文乃「おう!頼りにしとるけぇね、ひさき♪事故せんよう来なんよ。」


寿喜「ああ、わかっとるって。じゃあ、また近くなったら電話すっけんよろしくなー。」


文乃「うん、おつー♡」


プツンッ


文乃「そうか、寿喜来てくれるんやねぇ♪片付けとかないけんねぇ♪」


文乃は思わぬ来客に、一気に胸が満たされウキウキとした気分が溢れ出す。


文乃「うーん♪やっぱ、持つべきものはイケてる弟ですねー♪」


それにしてもなんと頼りになる弟なのだろう♪

的確なタイミングで、楽しみと助け舟を両方出してくれるとは。


文乃「さすがは会社社長!今度から社長って呼ばなんいけんかなw」


文乃は弟の嬉しい提案と連絡に、少し飽きつつあった片付け、整理作業にも力が入る。

人との繋がりが力を与えるとは、こういうことなのであろう。


文乃は整理、梱包を進めていく。

片付ければ片付ける程、一時的に散らかる。

その度にいらない服や、増えた余分な物をどんどん整理してゆく。

そうやって整理をつけたら、また綺麗な状態へともどっている。

これがくりかえされながら、少しずつ秩序立った形をなしてゆく。


文乃「...このお家とも、もうお別れの時が近づいてるんだなー。ほんの5年くらいの間だったけど、すごく助かったよ。快適な暮らしを与えてくれて。本当にありがとうね♪」


気持ちの落ち着いた今だからこそ、いろんな思い出が思い起こされ、脳裏を巡る。

あたたかい気持ちを抱きながら、文乃は感謝の意を示しつつ大黒柱に寄りかかり、優しく撫で、想いに耽る。



...大家さんにも改めてお礼を言いに行かなきゃ。

そろそろ近所の人達にも挨拶回りしておこう。

神社にもお参りと、ご挨拶に行かなきゃね...



この家への感謝と同時に、この地域で暖かく迎え入れてくれた人々に対する感謝の気持ちと、暖かな感情も同時に溢れ出してくる。


....浸っていたい暖かい感情を抱えながら、文乃は気持ちを切り替えて整理整頓へと向かう。


テキパキと家財道具を片付ける。

片付いた所から順々に、丁寧に掃除して綺麗にしてゆく。


あ、これはいらないね、これもいらない。

これはーーー...、もったいないけど捨てちゃお。

これはーー、うむ、メロカニかな。


身辺整理も心の洗濯も、ぼちぼちと着実にすすめながら日々を過ごしていく。


そんな文乃の、ほんのちょっとだけ違っていた、普通の1日....。


ちょっとしたきっかけ、ちょっとした想い、仲間のほんのちょっとした心遣い一つで、未来の道に明かりが灯る。


世界の見え方は心一つ。

文乃は久しぶりに、弟や、甥っ子姪っ子に会える楽しみに、世界に色が灯ったようにウキウキした気分を満喫していた。

単調で飽きる仕事も、心持ち一つで世界が変わる。


それだけで、人は自分の力以上に頑張れる。

当たり前すぎて見えていなかった、特に気にしてもいなかった家族の絆は、今や文乃の喜びそのものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ