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10. 整理整頓取捨選択、そして、ごほうびご飯。

有給消化期間に入り、忙しなく片付けを続ける文乃。

程なくして気付いてしまう。

考えてみれば、今は完全に自由で、時間もたくさんある。

今しか出来ない事があるのでわ?...と。

バタバタバタバタ.....。


文乃は引っ越しに向けた片付け作業をしている。数年の月日は、有用不要を問わずにあらゆる物を増殖し、侵食する。


棚をひらけば百花繚乱、

梱包の為に整理整頓取捨選択、

昼となく、夜となく。


かなり片付いてはきた。

進捗的におよそ四割といったところか。


現状で使わない物が梱包できたら、気分転換を兼ねて実家へと持っていく。

弟がコンテナを用意してくれているので、輸送、運び込みもとてもスムーズだ。


ひとしきり家族と話をして、お酒でも酌み交わせる。

預けている猫としばしの戯れを楽しみ、そしてまた家へと戻る。


時間自体は充分にある。

だが、やれることはどんどんやっていこう。


実家では不要と思われるもの、被ってそうな物は、この際覚悟を決めて容赦なく捨てる。

手放す物はまとめて括り、いっぱいになったら処分場へと車で持ち込む。


もう何周繰り返したであろうか。

処分場のおじさん達ともすっかり顔馴染みになっている。


おじさん「おー、おつかれさま。今回は早いねー。」


文乃「はい、整理整頓技術が上がってきたみたいです♪」


文乃は車の荷台から不要物を降ろし仕分けようとする。


おじさん「あー、ええよええよ、また来るでしょ?ここ置いといてええけぇ、はよ戻りんさい。分けといちゃるわぁ。」


文乃「あら〜、ありがとうございます〜♪助かります♪」


そうしておじさんのありがたい支援もあり、手早く次の作業と搬入へ繋げられる。


しかし、まだまだ不要物は出てくる。

無数に湧き出る不要物を、ちぎっては投げちぎっては投げと言った感じでひたすら処理してゆく。


その後も搬入を繰り返し、処分場の受け入れ時間を回ったため、その日の搬入作業は終わりとなった。


文乃「ふー、今日はこのくらいにしておこうかな...。」


引っ越しまではまだ期間がある。

なので、ある程度目処がついたところで一旦全てを忘れて投げ出してみることにした。


文乃「うん!今日はもうここまで!外飯じゃー!」


文乃は軽く後始末をつけるとバイクに飛び乗り、街へと駆け出す。


これから行くのは行きつけのお店だ。

特にトンカツやエビフライが絶品で、その他の料理ももれなくなんでも美味しい。

長年存在し、週末ともなれば座るところがない程に混雑する、地域の人気店だ。

店構えは昭和風味の和風ファミレスといったところか。


そして文乃は席につきカツカレーうどんをオーダーする。


カツカレー・ライスではない。

カレーうどんでもない。

文字通り、カツカレー・うどんだ。

これまた文字通りではあるが、特にひねりもなく、カレーうどんにトンカツが乗っているというものだ。


文乃「はい、それと、単品でご飯もお願いします〜。」


オーダーを頼み、今後に思いを巡らす。


文乃「明日はあそこから始めてぇ...、ここまでは終わらせたいね。それから棚を持って行って、梱包材も補給しなきゃ...。」


ぶつぶつと独り言を呟きながら、明日の段取りを考えていく。


しかし待て、

一カ月半ある有給消化期間は、文乃がこれまで出来なかった事を叶えてくれる期間でもある。

そして、猫も実家に移してあるので、正真正銘に一人。

自由に過ごせてしまうのだ。


文乃「う〜ん?てか、最近ちょっと根詰めすぎかも。せっかくフリーなんだし、いっそお休みをとってプチ旅に出かけようかな♪まだまだ時間はあるし、それも良いなぁ。行くなら...、やっぱ四国のホットサンド!!」


思い立った文乃はスマホを取り出し天気を調べる。


文乃「とすると....天気は...、向こう一週間は文句なし!いいね!うん、決めた!」


文乃「そうと決まれば、明日の片付けは控えめにして、旅支度をしよう。そうしようそうしよう♪あはー、楽しみになってきたぁ♪」


おおむね段取りが決まったところで、料理が到着する。

文乃はここのカツカレーうどんが大好物だった。

この店に来る時は、6割以上の高確率でこれを頼む。

もちろんご飯は必ず添付してだ。


カレーと出汁の織りなす風味が立ち昇る。

その香りは文乃の鼻腔をくすぐり、食欲を加速させる。


アツアツのシンプルなカレーうどんに、揚げたてサクサクアツアツのジューシートンカツが乗っかっている。

それを炊き立ての白ごはんと一緒に食べるという、炭水化物×炭水化物×油という、ともすれば邪道とも取られかねない組み合わせだが、好きなものは好きなのだからしょうがない。


文乃「おほ〜♪やっぱこの匂いだよ〜、美味しそう〜♪神様、今宵も美味なる恵みに感謝します、いただきます〜♪♪」


文乃はトンカツを沈め過ぎないようにスープに漬け一気に口に運ぶ。

そして、すかさずご飯を口に運ぶ。


はふっ♪サクッサクッ...、

はむっ!もぐもぐもぐ....んふっ♪


文乃「おいひい♪一日中動いた後のご飯はさいこうですなぁ♪」

文乃「スーパーハイカロリーかもだけど、譲れない。だっておいしいもん。誰にも理解されなくったって構わないんだからっ♪だっておいしんだもん♪もぐもぐ♪」


次いでうどんを慎重にレンゲにとり、パスタを食べるように口に運ぶ。


文乃「この汁跳ねだけは危険だからね、慎重に...。カレーの一撃で、ポロシャツ撃沈だ♪」


チュルン♪


文乃はしばし、至福の時間を過ごした...。



食事後。

お腹満足、気分満足、身体中にエネルギーが漲り、やる気に満たされる。


文乃「さあ、帰ってルート確認だね♡」


久しぶりにやりたい事ができた。

もうこうなると、文乃は居ても立っても居られない。

バタバタとバイクを駆り、大急ぎで家路へとつき、ツーリングマップを開くのだった。


挿絵(By みてみん)

ある程度は片付けも進んでいる。

気分的にも色々と溜まってきたので思い立ってプチ旅をすることにした文乃。

美味しいものを食べながら、楽しいことを考える。

人間のエネルギーの源は、やはり食べることと、遊ぶことなのだと実感する。

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