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見習い女神、ただ今職場体験実施中  作者: 鈴木 澪人


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 母親(アマリア)からお茶会の提案を受けてから一カ月間準備に追われた。

 

 エメリアは自分と同じ年の子と会えることが嬉しくてワクワクしながらアマリアにお茶会の段取りを学んでいた。お茶会のイメージや季節の花、その時に出す料理など一通り決まったので心の中で終わった~!と喜んでいた。


「さて、これからがお茶会のメインイベントよ!」

と言いながら少し厚めのリストをアマリアの侍女から受け取っていた。


そして、エメリアの前にポンと置くと


「これがエメリアのお茶会に呼んでもいいんじゃないのリストよ」


アマリアは少し胸を張ってお母様がんばってここまで絞ったんだからね!と少し自慢された。


「がんばって人数を少なくしてもこの人数が候補になるのですか?」


エメリアはだいたい50人ぐらいのリストを親指でなぞりながら聞いた。


「こらこら、そのように紙に触ると指を切ってしまうから気を付けなさいね。そうなの・・・。基本的には貴方のお誕生日に来ていただいた方をメインに選んでいったのだけども8年もたつと色々事情が変わってきたりするのよね・・・」


アマリアは頬に手を添えて悩まし気にそのリストを見つめていた。

多分、事件とか起こして距離を取った人もいるんだろうな・・・。


 将来領主になる予定のエメリアは新聞を読む習慣を付けさせられていた。

難しい言葉が多いながらも文脈からよろしくないことをしたんだろうなぐらいの予測はできた。


「まぁ、そのリストの人を全員呼ぶこともできるのだけどそれだと二日連続とかになっちゃうから小さなお茶会じゃ無くなるわよね~」


と母親はそれでもうちは大丈夫よと言いながら軽快に笑っていた。


「お母様、さすがにそれは少し大変だと思います・・・」


エメリアは口元を引きつらせながらやんわりと断った。


「じゃあ、始めは何も言わないからこの子がいいなぁ~と思った子達がまとまったら教えてね」


そう言うとアマリアは席を立った。


 エメリアは、そのリストに手を出す気力もなくただただ眺めていると


「エメリアお嬢様、私が一人ずつ確認してきましょうか?」


なんならすぐに出来ますよ?的な表情のライラがこちらを見つめていた。


「だっ大丈夫だから、これも私の仕事の一つなのでしょう・・・っていうかお茶会の準備って楽しいけど大変だね」


 これが(人選)一番楽しいのよという雰囲気の母親には悪いがエメリアは苦手な作業だなと思った。

きっと普段からお茶会を開いたり招かれたりしている母親はリストの人を見ながらその人の事を考えるのが好きなんだろうと予想した。残念ながらエメリアは初めてなのでその人と自分を繋げるエピソードがあまりにも希薄だった。


「そうですか・・・。少し残念ですが仕方が無いですね」


そんなエメリアの思考の中で、ライラは一瞬羽を出そうとしていたが諦めて片づけてくれた。


「まあ、時間も限られているしパパっと確認するわね」


エメリアはよしっと自分に気合を入れてリストを膝の上に乗せた。

一枚ずつリストに書かれている内容を確認していく。


 始めに本人の姿絵、絵師に書いてもらったものを印刷したようなものだ。

エメリアはあまり容姿で人を見るのは好きではないので(女神なので博愛主義な部分が強い)軽くとばし、名前とざっくりとした性格を確認した。


「あっ、この子以前の奉仕活動で午後の診療で見た子だ~」


エメリアは資料の途中で気になる子を見つけたので読み込んだ。


「ん~やっぱり一度会ってみないと分からないかな~」


少し深刻な状況下の元エメリアが癒したのでその後が気になってはいた。

しかし、個人的に会いに行くことは困難なので(何処に住んでいるかもエメリアは知らない)そのまま放置した状態になっていた。


「でも、お茶会に来れるってことはかなり良くなったのかな?」


という感じで、実際に治療した子で経過観察をしたかった人たちを何人か選んで数日後母親に報告した。


 アマリアはそのメンバーを見ながら少し苦笑いをし


「エメリアは本当に欲がないのね。この中から優秀な子を見つけて自分の傍に置こうとか思わなかったの?」


母親の言葉に、エメリアはハッとしながら


「お母様、今回はそのような趣旨のお茶会だったのですか?」

とまるで答え合わせで間違えたような困った表情で確認した。


アマリアは首を横に振りながら


「いいえ、純粋にエメリアの小さなお茶会で間違いはないのよ。ただ、そのような内容にもできたって事を言いたかっただけ」


「でしたらお母様、私はこの方たちを呼びたいと思います。」


エメリアはそう言って母親が持っていた数枚のリストに視線を送った。


「そうね。エメリアが気になる子たちですものきっと貴方の事も好きになってくれるわ」


では、このまま招待状を書いてね。と母親に言われエメリアは招待状を書いてライラに送る様にお願いした。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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