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⑤:社会における情報利用

⑤:社会における情報利用、


情報は様々な業務に必要とされる。

最も情報が必要とされる状況は、互いに利益が対立した時である。

最も巨大な利益対立は対国家の戦争である。

ここでは国家の戦争という観点から情報利用を考えて行きたい。


『国家』

 国家を図る上で法学上の定義において三つの要素がある。

領域、人民、権力である。


* 領域(Staatsgebiet:領土、領水、領空)- 一定に区画されている。

* 人民(Staatsvolk:国民、住民)- 恒久的に属し、一時の好悪で脱したり復したりはしない。

* 権力(Staatsgewalt)ないし主権- 正統な物理的実力のことである。

   この実力は、対外的・対内的に排他的に行使できなければならない、

   つまり、主権的(souverän)でなければならない。


 領域、人民、権力は政治、経済、社会、環境、軍事の五項目にわけることができる。


「領域」=「環境」「経済」

「人民」=「社会」

「権力」=「政治」「軍事」


 環境、経済、政治、軍事に加え「社会」としたのは、

各地域の歴史、文化的差異を表すためである。

歴史上、「環境」「経済」「政治」「軍事」の要素と

利害関係の一致「だけ」では「説明出来ない事柄」が多い。

これらの「摩擦」は主として歴史、文化を含んだ事態から来ていると考えられる。

此処では人民を表す言葉として「社会」呼んでいる。


*単純な利害関係だけでは説明できない非合理→「摩擦」→歴史、文化的側面→「社会」

此処で使っている言葉は、問題全体の冗長性を「社会」として使用しているのではなく、

人間における判断の積み重ねを繰り返した結果起こった「誤差」を

「社会」の言葉として定義している。

*但し、非合理=摩擦=文化的側面=社会ではない

非合理>摩擦>文化的側面>社会の枠組みである


『戦争』

 戦争とは軍事力の対決だけではない。「総力戦」である。

政治、経済、戦争はあらゆる手段を以って戦うものである。

二度の世界大戦によって戦争は国家の総力をもって戦うものだと証明されている。

一般に戦争は直接の軍事力の衝突と思われがちだが、ない時も日々起こっている。

年末商戦や取引先との会談、営業売り込みなどが我々のそして国の戦争である。

国家は総力である。油も用意できない国が船を動かして、海戦に勝つことは出来ない。


 国家とは利害が一致した共同体である。

故に戦闘行動以外でも打撃を与えることが出来る。

金融市場が崩壊すれば国家に被害が与えられるし、

メディアを押さえれば国の世論を好きに出来る。

国家は無制限に戦争を繰り返す個人利益の集まりである。

そしてこの無制限戦争には旧来の軍対国家という概念は存在しない。

非戦闘員と戦闘員の差はあいまいとなる。

小組織や個人、企業さえも戦争という大きな枠組みの対象となる。

それは国家支援のテロ組織や国際的な麻薬密売組織、企業叩きなどの企業への圧力となって現れている。

情報化グローバル化が進んだ為に、より少人数が組織的行動を起こす事が容易になり

戦闘は縮小化、小型化、多岐多様に及ぶ。

国家という組織は大き過ぎ小回りが効かない。

多種多様な組織を理解し、より精密により多段に渉り動かすのがこれからの戦争の形である。


 なので、以下では直接の戦闘手段を含まない戦闘も入れている。

戦闘手段の区分けについては喬良、王湘穂の超限戦を参考にした。

それに自己なりの解釈と項目を加え、項目別に分けた。

加えた項目は政治、経済、社会、環境、軍事の追加と各項目における順位の変更、

軍事作戦面のより詳細な分化である。

心理戦、ハッカー戦、諜報基盤戦、経済情報戦、サイバー戦は本来、軍事分野に該当するものであるが

今やこれらのカテゴリは巨大化し、

軍事という枠に収まらなくなりつつあると作者が考えたため社会カテゴリに移動した。

他にいくつか抜けた項目があるかもしれないが、

それは作者が趣味で書いているという事で生暖かく見逃すか指摘してもらいたい。


国家間で行われる主要な戦闘


  政治

     外交戦(対外交渉全般)

     諜報戦(各国大使館員派遣、調査員派遣など)

     法律戦(司法関連、裁判判決、法的解釈など)

     サイバー戦(インフラ整備や機材更新など国単位での取り組み)

     資源戦(石油、アルミなどの資源争奪)

     情報戦(調査機関など、諜報とは違い情報を纏める機能)

     隠蔽戦(此方の意図を隠し交渉を有利に展開する能力)

     人材戦(教育の普及など、高い能力の人材を集める取り組み)


  経済

     貿易戦(国内貿易法の国際的な適用、重要技術の封鎖、経済制裁など)、

     金融戦(ヘッジファンド、通貨切り下げ、金融制裁など)

     輸送戦(インド洋の海賊狩りなど、輸送路を守る取り組み)

     商戦(企業単位での売り込みなど)


  社会

     新テロ戦争(個人集団相手を目的としたより細かい対テロ政策、セル化が進んだ組織に対する策)

     国家テロ戦(カストロとコカインカルテルや韓国が支援するVANKなどの国家テロ組織、非対象戦闘の枠に入る)

     ネットワーク戦(情報基盤戦、インフラ破壊対策と対中韓の日本のネット工作対策)

     メディア戦(心理戦{メディア戦と統合}、自国メディアにおける他国工作の妨害と利用)

     治安戦(犯罪者取り締まりなど)

     ハッカー戦(コンピューターに対する情報保全、情報改窮、情報奪取)

     経済情報戦(企業スパイ対策など)


  環境

    科学技術戦(技術開発と流出取締り)

     ハイテク技術戦(要注意なので別記、生物化学、精密科学分野)

     生態戦争(地球の物理的環境破壊、外資系企業における公害)


  軍事

     領土戦争(通常戦{領土戦と統合}軍事的圧力と対外パフォーマンス)

   戦略(陸、海、空、兵站、政治の統合運用)

      兵站戦(動員能力と輸送管理システム、装備更新など)

      技術情報戦(他国及び自国兵器の能力把握と妨害、研鑽)

       組織情報戦(他国及び自国組織の能力把握と妨害、研鑽)

        通信戦(各種通信傍受と通信妨害)

        電磁戦(ECM、ECCMなど物理的ハードウェア保全と防御)

         ミサイル戦(弾道ミサイル戦略)

   作戦(状況別に応じた運用)

      海戦(海上輸送、護衛、シーレーン保持)

      空戦(空母及び防空戦略)

      陸戦(上陸及び継戦能力、治安、制圧など)

      海中戦(潜水艦及び機雷敷設、除去)

      宇宙戦(通信衛星及び監視衛星と対策)

      核戦(核戦略)



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