②:軍隊に見る情報整理
情報利用の流れは主として「収集努力の指向」「情報資料の収集」「情報の使用(配布)」「情報資料の処理」「情報作成」となる
社会では実際どの様に情報が処理されているか。
此処では既に情報管理が体系化されている軍隊に視点を置いて考えてみる。
始めに気を付けなくてはいけないのは一般的に「情報」と呼ばれる言葉は
軍隊や情報管理の世界においては「資料」として扱われます。
「資料」は「分析」により「評価」されて「情報」として価値を持ちます。
このあたり題①で挙げた、知覚~分析の過程に似ています。
「資料」→「分析」→「評価」→「情報」
「知覚」→「認知」「認識」「理解」→「記憶」
軍隊などにおける情報業務は【情報】(インテリジェンス)
【情報資料】(インフォメーション)を区別して考えています。
「資料」(インフォメーション)→「分析」→「評価」→「情報」(インテリジェンス)
*分析評価は情報の信頼性を確保するためで、鮮度を保つため常に再検討が行われる。
これは政府発表とタブロイド紙を同列に並べないようにするためである。
本人が全ての事象を実際に見て判断するのが一番なのだが、それは不可能である。
故に皆が一定の信頼をできる情報が必要である。
信頼評価を間違えると、永田メール事件のように醜態を晒すこととなる。
また、情報の使い方として
「収集努力の指向」「情報資料の収集」「情報資料の処理」「情報の使用(配布)」
の過程に分けられます。
「収集努力の指向」→「情報資料の収集」
↑ ↓
「情報の使用(配布)」←「情報資料の処理」+「情報作成」
これら四つは互いに保管しあう関係にあり、情報サイクルIntelligence cycle(情報循環)と呼ばれます。
まず情報部門は指揮官の意図に基づき情報要求(知りたいこと)から情報計画を決定します。この情報計画に基づき収集機関
(情報専門部隊)に情報任務(命令)を与え、関係組織(上級隣接各部隊)に情報要求が出されます。
収集機関は情報計画に基づき、公然資料(書籍や刊行物、放送受信など)の利用を行うが、要求内容によっては非公然な
収集活動を行う必要にせまられます。
得られた情報資料は情報部門によって「記録」と「評価判定」作業が行われ、情報の作成を行う。情報判定作業には秘話
通信コード・略号・暗号などの解読も含まれますが、解読後も情報の評価判定して信憑性、信頼性のチェックが併せて行わ
れます。
情報部門は作成した情報は、情報使用者である指揮官や関係組織に配布される。情報使用者は、その情報内容と麾下部隊
に与えられた任務と部隊の状況、戦況の変化から判断してあらたな情報要求が生まれます。この循環する4段階の過程を
【情報サイクル】などと呼ぶことがある。 Wikipedeaより抜粋
今までの内容を段階別に図示する
「収集努力の指向」:司令部が「任務」を与える
「情報要求」(Intelligence requirement)
↓
「情報資料の収集」(Information gathering):収集機関
【情報資料】(Information)の収集
「集積」
↓
「情報資料の処理」(Information processing):収集機関
「評価判定」:情報の信頼度、格付け調査
「照合」(Collate)
「分析」
「情報作成」(Intelligence production)
↓
「情報の使用」:司令部や前線部隊など
「配布」(Intelligence dissemination)
【情報】(Intelligence )の配布
↓
「収集努力の指向」:各機関の「情報要求=Intelligence requirement」