⑩:これから求められる情報システム
「要求」
通信技術と記録技術の発達によりデータは膨大化している。
そしてその全貌を把握するのは困難になっている。
前回⑨で挙げたように、情報は理解し受け入れてもらえなければ意味がない。
そのためこれからは情報受け入れにのための使いやすさと、システムの操作感の向上
高いユーザインターフェースが求められる。
分析と記憶はコインの裏表であり、情報技術が重要視されている昨今、
データモデル開発及び、一次データの管理が重要になってきている。
記憶≧分析
これまでは通信機材の性能と管理の問題上、
一次データを加工した二次データまでしか管理側は見ることが出来なかった。
一応、望めば生データを見ることは出来たが、
それは断片的なもので、とても役に立つものではなかった。
通信の発達で、グループウェアや生産管理、流通管理システムが浸透し、
個々の会計監査が容易になった。
だがそれでも、ただの数値の一覧では具体性に欠け、
理解しデータを使いこなしていると言い難い。
直感的に物事を理解し、合理性に結び付けていけるようにするのを求められている。
現在の数値に各種グラフと数値予測を加えた、使用者へより視覚的に訴えかけるシステムが必要である。
網羅性、検索性、保存性、拡張性、実証性、視認性、思考補助を備えたものでなければならない。
複数の資料やグラフをペイントソフトのレイヤーのように重ねて比較が出来る機能と、
それを成すためのグラフの画一化が必要になると思われる。
(絵やグラフは視覚効果が高い)
また、資料によっては最適なデータモデルが違うため、
( * 階層型データモデル
* ネットワーク型データモデル
* 関係モデル
* オブジェクト
* オブジェクト関係モデル )
それらに適したモデルにシステムが対応出来るようにしなければいけない。
「予想」
情報化が進む過程で、一次資料の「ログブック」二次資料としての「ラボノート」は、
データマイニング(多次元分析)が容易になることで両者の差はより少なくなり、
近い将来ログブックにラボノートが吸収される
(情報リンクにより文章コピーや確認が容易になることで必要な文章量が減る)
形となると予想する。
「欠陥」
結局のところデータは数値なり画像なり、目に見える形にしなくてはならない。
システムや機材がどんなに進もうとも、
数字を数値に出来る人材が必要であるということが現在の情報システム上の欠陥である。
情報処理は複雑で互いに影響するものであり、
『「情報資料」から「情報」を抽出され「情報資料」として加工された「情報」は
実態から「情報資料」を経て製作者により変質され、改竄目標を持つ。
その情報は種類に応じて使われる。
(此処に措いて真実の実態などというものは存在しない、多くの加工を経た上で、
観測者の知覚による認識によりゆらぎを生じるためである)』
「データ管理と人間」
中から法則性を見つけ出すのは非常に困難である。
それはシステムの根本的な問題であり、
今後も計算式を編み出せるのは一部の天才だけだろう。
人には手段が沢山あるように見えて出来ることはそんなにない
重要なのは一つの事象は多面的な意味合いを持つと理解することと
自分のした、する行動にどのような意味があるか理解することである。
論文にもなってない思考の落書き