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⑨:情報だけが全てではない

 有益な情報を持っていても、役に立たないことがままある。

第一に情報があっても理解できねば意味が無い、

第二に理解しても受け入れてもらえなければ意味がない、

第参に知っていてもどうしようもない。

結局対抗手段の中で一番確実なのは、相手と同種類の力である。

他にも情報利用だけでは困難な状況が起こりうる。


「理解」+「共感」→周囲の認識


 第二次世界大戦は日本の完全な敗北であった。

第一に当時日本でアメリカは強国だと知られていたが、日本を圧倒していると受け入れられなかった。

第二にアメリカの生産力は危険だと見られていたにも拘らず、軍部ではあえて非常に軽い見積もりを試算した。

第参に多少の戦術勝利ではどうしようもない程、工業生産力で圧倒されていた。

行き着いた先は戦略レベルの敗北である。

後世の歴史家は言う。日本は戦う前から負けていた、無謀な戦いだったと。

何故そうした事態を招いたのか?


 それは戦略以前の情報収集、もっと前の情報を受け入れる段階で敗北していたのである。

しかし日本の諜報機関は特別劣悪と言えるものではなかった


世界大戦の前段階となった関東軍の不審な動きも、

ノモンハンで辻が行った暴走も把握していた、満州事変から関東軍の独断が進み、

国境沿いに対するロシア軍に対して関東軍は強硬な姿勢に出るかもしれないと中央は予想していたし、

敗北したノモンハン事件を勝利とした、報道各社への圧力などの失態に対する情報封鎖も早かった。

このことから諜報機関は一定の能力を持っていたことが判る。

何より現地資料と本営で成された説明が矛盾しており、その資料が残っている。

ノモンハン事件の被害は大きく、一定水準以上の能力を持った情報部が気付いていないはずがない。

あえて見逃したと考えるのが自然だろう。

その後、関東軍の暴走を止めるチャンスはリスクを伴うものであったが何度かあった。

そして戦争は起こり、敗北した。

事実を受け入れられず、状況に流され、リスクをとれず、フォローも効かず、

臨機応変さに欠け、戦略的に失敗したためである。


結局のところ、リスクをとり、的確に実行できるかが重要である。

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