3-13 冒険者ギルドを作ろう 2
自室でくつろいでいるドラゴンに、エヴェリーナは大量の意見を抱えて訪問した。
早口で説明する彼女に、ドラゴンは興味深く耳を傾ける。
「冒険者の等級は決まったのか」
「数字を順につけようかなって」
「はったりが大事だ。もっと大きく見せろ。そうだな、金属の名を借りるといい。初心者をブロンズにして、シルバー、ゴールド、最上級はプラチナにすればいいだろう」
「四つで足りるかしら」
「だったら数字もつければいい。ブロンズ4、ブロンズ3、ブロンズ2、ブロンズ1。その上がシルバー4だ」
「なるほどねえ。管理も楽そう」
「ブロンズからシルバーに位を上げるときは、試験代わりのダンジョンを用意して潜らせるといいぞ」
「権威付けにもなるわね」
エヴェリーナは納得する。ドラゴンが目を細めた。
「しかし、昔を思い出すな。こういうのをよく作った」
「作らなかったんじゃなかったの?」
「まあそうなんだが……俺にはややこしい過去があるからな」
ドラゴンは言葉を濁す。
「ところで冒険者ギルドにかかる維持費は持ち出しか?」
「今までだってダンジョン作る費用はこっちで負担してたじゃない」
「そりゃそうだが」
「入会するときと一年に一度、少しお金を取るわよ。あと一般からの仕事依頼も受けつけてるの。それの報酬の一割をギルドに収めてもらう」
「少ないな。維持費をまかなえないだろう」
「どうせ山掘るときに出てくる貴金属あるからいいのよ。でもある程度こっちで取らないと、金の出所はどこだって探られるじゃない」
「確かにそうだ。ギルドと鏖竜要塞の繋がりが露見するかもしれないな」
「そういうこと。きちんとした組織だって思ってもらわないと」
エヴェリーナの言葉にドラゴンはうなずき、「今のところ、特に教えることはないな」と言っていた。
彼女は冒険者たちのところに戻る。
「ええと、レザーラがお店の担当ね。オクトバーとホグレンは試作ダンジョンの調査担当兼冒険者ギルドの役員ね」
エヴェリーナは紙に名前を記入していく。
「オクトバーがギルド長で、ホグレンが副ギルド長でいい? 不満なら逆にするけど」
「えっ、君がギルド長じゃないのか?」
オクトバーが驚くが、エヴェリーナは首を振った。
「私が前に出るわけに行かないの。お義父様やシルミナにバレちゃうから。私は管理人でいいわ。鏖竜要塞と冒険者ギルドの管理人」
そう言ってから、室内を見回した。
「コリーはどこよ」
「研究所から出てこない。ここで決まったことを伝えにいったが、決まったことには従うとだけ言っていた」
ホグレンが肩をすくめた。
「魔術書に囲まれて幸せそうだったぞ」
「魔具の相談をしたかったんだけど」
「放っておくと、一年中ああだ」
「あとでちゃんと説明しましょう。さっそく、冒険者ギルドを立ち上げるわよ」
エヴェリーナはそう言いながら、自分で「おー」と答えた。




