3-12 冒険者ギルドを作ろう 1
「さっきダンジョンの難易度の話が出たでしょう。冒険者も等級分けするの。あるダンジョンを攻略したら対応した等級に達したってことにする。高い等級であればあるほど、ギルドで尊敬される。他にもダンジョンの情報交換をしたり、武器や防具の売り買いもできるってわけ。まさに冒険者の同業者協会」
「確かに必要だ……」
ホグレンが呟いた。エヴェリーナはうなずく。
「冒険者って不安定な職じゃない。後ろ盾があった方が安心でしょう」
「管理されるのが嫌で冒険者をやるやつは多いぞ」
ホグレンの意見はもっともだったが、エヴェリーナは首を振る。
「別に強制するわけじゃないの。入りたくなければ入らなければいいんだから。冒険者ギルドは少額の入会金だけで入るのも抜けるのも自由。やり方を押しつけることもしない。誠実にダンジョンを紹介すれば、きっと信用してくれるわよ。この誠実ってのが肝ね。いい加減や欺いたりしたら、絶対失敗する」
追放される前、召使いたちの働きぶりを見て、結局の所信頼できるのは誠実さだと気づいていた。誠実であれば自然と人は頼ってくるし、失敗したときも助けてくれる。
それにギルド運営で嘘をつくのはかなりまずい。剣や弓を持った荒くれものばかりなのだ。怒りを買ったら暴動が起る。
「ダンジョンもこっちで作ってるんだから、情報の収集管理は容易よ。宝箱も定番の置き方をして探しやすくすれば、ギルドの信頼度が上がるわ」
「ギルド入会の冒険者はどこに集めるんだ。ここじゃまずいだろう」
「街道から外れたところにさびれた村があるでしょう。あそこなら格安で土地が手に入るから、冒険者ギルドの本部にしましょう」
レザーラが手を挙げた。
「だったら酒場も兼ねて欲しい。私が店長やる。冒険者に食事と酒と、あとは寝るところも提供したい」
彼女は頬をほのかに染めた。
「そういう店がやりたかったの」
エヴェリーナは勢いよくうなずいた。
「それそれ。酒場内で冒険者は情報交換できるし、二階を宿にすれば申し分ないわ。ダンジョンの情報は壁に張り出した方がいいかな……」
「だったら、受付を置いて管理したらどうだろう」
オクトバーが言う。
「冒険者の等級でダンジョンも変わるんだろう。お薦めダンジョンみたいなのを受付が教えればいいんじゃないか」
「いいわね。ダンジョン以外に依頼も来そうだから、それも受付を通すことにしよう」
「ついでにギルドで武器や魔法の用意してしまおう。冒険者ギルドが認めた武器なら買う側も安心じゃないか」
「いっそそっちの店も併設しちゃおうか」
「これこそ冒険者のためのギルドだ」
興奮してきたのか、全員次から次へと案が出てきた。エヴェリーナは案をまとめると、ドラゴンのところに持っていった。




