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追放剣士の剣戟無双【魔力0だけど強力スキルと剣術で無双する】  作者: SIGMA・The・REVENANT
第一部・第二章:留学生と学園総合競技会
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夜の警護任務

「コホン……それでは、ルナマリアさんとフレアさんの歓迎会及び聖女様警護団発足に関しまして女子会を開催したいと思います。それでは、乾杯!」


『カンパーイ!』



 女性陣の楽しそうな声と、ぶつかり合うコップの音が室内に響き渡り、何故かエレイン達の部屋にて女子会が行われていた。


 参加者はエレイン、マリアベル、ルゥ、セツナ、マオの騎士・剣士学科の女生徒と、魔導師学科へ留学してきたルナマリアとフレア……そして何故か冒険者学科所属のアウローラ・ロア・エルフェルトもこの女子会に参加していた。



「まったく……本来ならば私は今夜の巡回の当番でしたのよ?こんな事をしていてムメイに怒られてしまうのではなくて?」


「そんなお堅いことは言いっこなしだニャ〜♪︎それに本気でそう思ってたのニャら、なんでここにいるのニャ?」


「貴方が無理やり連れてきたのでしょう!」


「まぁまぁ、今は宴中だ。怒るのは無しだぞ?」


「あの、ルナマリア様……私も参加していて良いのでしょうか?」


「いいと思いますよ。それにせっかく私達のためにこのような催し物をして下さったのだから、ありがたくご相伴に預かりましょう」


「このお菓子おいしー♪︎」



 話を弾ませながら女子会を楽しむ一同……その中でアウローラだけは場違いの空気を一人感じていた。



「あの〜……なんで私も呼ばれたのかしら?エレインはともかく、ここにいる殆どが初対面で、しかも交流すらないのだけれど……」



 アウローラがそう訊ねた瞬間、エレインが待ってましたとばかりに彼女の隣に移動し、僅かに興奮しながらある質問をした。



「ねぇアウローラ……好きな人と晴れて恋人同士になるってどんな感じなのかな?」


「ひぁっ────?!」



 予期せぬ質問に変な声をあげるアウローラ。


 完全に知られてはいないと思っていたのか、普段の大人びた言動は見る影もなく、ただ子供のように動揺していた。


 しかもエレインの質問をそばで聞いていた他の者達も興味深そうに詰め寄ってきたのでアウローラは誤魔化そうにも誤魔化せない状況に陥ってしまう。



「ほほぅ……是非とも意中の相手を射止める術を教授願いたいものだ」


「これはもしや、〝恋バナ〟というものですよね!非常に興味があります!」


「ルナマリア様、そのような俗な話は────いや、しかし私も聞いてみたくはある……」


「貴方達、はしたないですわよ!」


「でもマリアちんも興味あるでしょだニャ?」


「そそそそ、それは……まぁ……興味無くとも無いですけれど……」


「アウローラ、いったいどっちから告白したの?」


「ちょ……待っ……か、勘弁して〜!」



 夜はまだ長い。


 女性陣はアウローラの恋話に盛り上がり、さらに女子会は続くのであった。


 一方でエレイン達が住む女子寮の屋上にて、ムメイは不可抗力にも自身の耳に入っていた会話を聞いて呆れ声を漏らしていた。



「あいつら……」



 ムメイは普段は自由奔放で飄々としているが、真面目にやる時は真面目な性格である。


 故に本日の寮内巡回の当番であるマリアベルまでもが女子会に参加していることに呆れ果てていた。


 するとそんなムメイの背後から声をかけてくる者が……。



「あら?乙女達の秘密の会話に耳を立てては駄目よ?」


「……ゴリエ先輩か」



 そこにいたのはムメイ達の先輩で冒険者学科所属のゴリエ・グラディウスであった。


 ゴリエはムメイの隣に来ると、そっと手にしていたカップを手渡す。


 中には温かなコーヒーが入っていた。



「差し入れよ」


「どうも、ありがとうございます」



 ムメイはそれを受け取り口をつけ、〝うめぇ〟と呟く。


 ゴリエは温かい目でそんなムメイを見ながら、ふと口を開いた。



「今回は聖女様の警護なんですってね?大変ねぇ」


「その内の一人は現在進行形で騒いでますがね」


「あら、乙女同士のコミニュケーションは大事よぉ?これから共に学ぶ相手なら尚更ねぇ。それは男性陣も同様でしょう?」


「まぁ……そうっスけど……」



 互いにコーヒーを啜りながらそんな会話をしていた二人だったが、その内ムメイが先程から抱いていた疑問をゴリエへとぶつける。



「ところでゴリエ先輩……なんスかその格好?」



 隣に立つゴリエは完全武装の状態だった。


 フルアーマーに大きな金棒を背負い、フルフェイスマスクを脇に抱えながらコーヒーを飲むゴリエ。


 ひとつ言っておくが、ムメイはゴリエに今回の警護を頼んではいない。


 故にムメイはゴリエの格好に疑問しか抱いていなかった。


 そんなムメイの質問に対し、ゴリエはあっけらかんにこう答える。



「話はマリアベルちゃんから聞いててねぇ……実は私、ここの寮長も任されてるのよぉ。寮長として寮の子達を守るのは当然でしょう?それに、もし本当に侵入してくる不届き者がいるのなら、直々に懲らしめてやりたいとも思っててねぇ……駄目だったかしら?」


「いいえ、頼りになります」



 ゴリエはそこらの男子生徒よりも力が強く、そこはムメイも認めているほどである。


 故にムメイは心強さしか感じなかった。


 そして今度はゴリエからムメイに対し質問が投げられる。



「そういえばどうして屋上なのかしら?寮の前では駄目だったの?」


「あ〜……寮の前だとこれ見よがしに警護してますってなるっスよね?そうすりゃ警戒して出てこねぇと思いまして……それに、屋上だと遮るもんが無いんで気配探知しやすいんスよ」


「なるほどねぇ……ちなみにムメイちゃんは気づいてるかしら?」


「もちろん」



 ゴリエの質問にムメイが不敵な笑みを浮かべる。


 実は二人が会話している最中に侵入者が現れたのである。


 その数はムメイの気配探知により10名と判明していた。



「エレイン達も気づいたのか灯りを消してますしね。それにしてもたった一人に10人とは、余程用心深い連中だな」


「まぁ10人でも100人でも返り討ちにしてあげるけれどね」


「ははは。それじゃあここは頼みます。俺は馬鹿正直に真正面から来るやつを相手してるんで」


「任せて頂戴な」



 ムメイは同じく気づいたのだろうガウェインが近づいてくる気配を感じながら、正面玄関へと飛び降りたのだった。


 そして今まさに正面から入ろうと物陰から出てきた侵入者達の前に降り立つ。



『────?!』


「悪ぃが、ここから先は立ち入り禁止だ。命が惜しくねぇならかかって来いよ」


「〜〜〜!」



 侵入者達は声を出さずにムメイへと同時に襲いかかる。


 しかしムメイはそれらを軽々と躱し、次々とカウンターを決めていった。



「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ……ふむ、四人か。するってぇと残りは裏と屋上からだな?」



 ムメイがそう呟いた時、丁度寮の裏手から数人の悲鳴が聞こえ、裏も片付いたと理解する。



「ガウェインは間に合ったか。なら屋上に戻るか」



 ムメイは壁をかけ登り、そして屋上へ到着する。


 するとそこには無様に転がっている二人の侵入者と、そのそばに立つゴリエの姿があった。



「まったくもぉ……この私にハグされて嬉しいのは分かるけれど、何も気絶しなくたっていいじゃないの、ねぇ?」


「ゴリエ先輩のベアハッグは殺人級ですよ。あ〜あ〜、二人共漏れなく体の骨が砕けてらァ」



 変な方向に曲がっている侵入者達の身体を見ながら、ムメイは裏手の方を見下ろす。


 するとそこには完全にノビている侵入者の中心でこちらに手を挙げているガウェインの姿があった。


 しかしムメイはそこである事に気づく。



(三人……────っ!不味い、もう一人いやがる!)


「ゴリエ先輩!多分、残りの一人は中にいるはずだ!」


「まぁ大変!急いでエレインちゃん達の部屋に行かなきゃ!」



 ムメイはゴリエと共に駆け出し、そしてエレイン達がいる部屋へと急行した。


 すると目的の部屋から一人の男が飛び出し、そして悲鳴を上げながら逃げようとしている。



「くそっ!聞いてねぇぞ、あんな怪物がいやがるなんて!それにガキ共も全員強ぇじゃねぇか!」



 そう叫びながら逃げ去ろうとする男。


 しかしムメイに目撃されたのがこの男の運の尽きであった。


 いや……もしかしたらこの学園に侵入してきた時点で運命が決まっていたのかもしれない。



「逃がすと思うか?」


「ひっ────!」



 一瞬にして目の前に現れたムメイに対し男は小さな悲鳴をあげ急ブレーキをかけようとする。


 しかし勢いは止まらず、そのまま鞘に納められたままの刀を構えるムメイに突っ込む形となっていた。



「御剣一刀流奥義……〝円旋・月輪(つきのわ)〟」


「〜〜〜!」



 声もあげることなくムメイに叩きつけられる男は、そのまま意識を失った。


 騒ぎを聞きつけ顔を出してくる女生徒達。


 その中でムメイは後から来たゴリエに男を引き渡したのだった。


 こうしてルナマリアを狙った侵入者達は仲良く逮捕され、帝国の厳しい取り調べを受けることになるのは言うまでもない。


 ちなみにマリアベルはムメイの説教を受ける羽目になったのはまた別の話である。


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[気になる点] 侵入者が十人だと本文の数が合いません。
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